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Soul-Move -新章開始-  作者: 癒柚 礼香
【魔物の侵攻】
115/145

132話【王都ヴォールクローネ】

よろしくお願いします。










トリステイン王国第二王女【三美姫】の1人

アルメリア・ノイン・トリステインに林の中で遭遇した後、林を抜けた後まさしく王都を守る兵士!と言った数人の兵士に囲まれ武器を取り上げられた。


そうして捕獲された俺とソラ姉は王女と馬車に載せられドナドナ


これって王城に連れていかれるんじゃね?と思ったのが数分前の事。


『あははー王城訪問イベント来ちゃったー(棒読み』は見事に当たった。


現在居るのはトリステイン王国の王都

WohlKrone(ヴォールクローネ)と呼ばれる場所らしく、

今まで見たどの都市より賑わっていて、活気がある。


俺は王城へ向かう一本道をごとごとと揺られているが、馬車の窓から顔など出さずともその喧騒は耳に届く。


顔をぞかせれば数キロ先に見える王城も王都の雰囲気とはまた一味違くてとても美しかった。


王都の中心部に位置するこの城は

rotWeiß(ロートヴァイス)城と言うらしく赤と白と言う意味があるらしい。

そうアルメリア王女は話していた。


確かに名前の意味がそうならば、全長200メイルにも昇る赤と白のコントラストは名前の通りの美しさがある。


どうやら外観だけでなく防衛能力も相当に高いらしく、今まで城の城壁は破られたことは無いらしい。


ということは都市外苑部の城壁は破られた事があるのだろうか?

わざわざ自国の城壁が破られましたーとか知らぬ人間に言うバカはいないだろう。


俺はゆっくりと城なり街並みなりを見たかったので、魔物の侵攻を無事切り抜ける事ができたら観光としてもう一度来るのも良いかも知れないと思った。


「…カ…デ……カナデ…聞こえています?……」


「あぁ、すみません。少し考え事をしていました。」


どうやら思考の海に潜りすぎてアルメリア王女に話しかけられていたのに気がつかなかったようだ。


「いきなり同行させてしまった事は謝罪します。私が無理言ったばかりに…」


「いえ、大丈夫ですよ、お気になさらず。」


そう、本当に気にしなくて良いのだ。

俺にも少し確かめたい事があるのだから

この世界の人々はどこまで強いのか、

勿論レベルだけですべてを見定められるとは思わないが、参考にはなるだろう。


今はトリステイン王国の【護国八剣】が気になっている。

王城に行くついでにそれが分かれば御の字だし護国八剣の序列八位であるあの王子、

確かアイゼント王子。


そのアイゼント王子も居るかも知れない、多分顔を見られているしあんだけの事をしたのだ。

何かしらのアプローチがあると見て良いだろう。


勿論仕官する気など微塵もないがな、

自由も制限されるしこき使われそうだし。


「そういえばカナデは冒険者だそうですが…」


「はい、数週間前になりたての未熟者ですが」


「まぁ、そうなのですか?でも随分と身体つきががっしりとしているのね。」


「いえ、そんな事は…」


「ですが黒髪なんて英雄譚の英雄様しか聞いた事ありませんし…」


アルメリア王女が面白そうに微かに笑う。


俺はその言葉と表情に込められた意味を僅かに悟りアルメリア王女と視線をかわした。


(この王女、俺の事を知っているのか?

王国だから多分アイゼント王子あたりから情報は流れて来ているんだろうが…)


だが、次の瞬間にはアルメリア王女は頬を僅かに上気させ俺にも詰め寄って来た。


え?どういう事ですか?禁断症状が出たみたいになってますけど?


「あ、あの、大丈夫ですか?」


「カナデ!正直に話してください。

貴方がダストファングバードを倒した【黒髪の英雄】でしょう!」


聞いてないし…しかも【黒髪の英雄】…

いつの間にその呼び名が定着しているんだ?

俺はこの世界の人々が皆厨二病じゃないかと疑っている。

かくいう俺も前にしっかり感染していた為なんとも言えないが。


それにこの目、危ない…

本能的な何かが…いや、スキルか。

それが警鐘を鳴らしている。

これは俺の情報を握っているのかもしれない。

隠すと余計に疑われそうなのでやめておこう。


「まぁ【黒髪の英雄】とやらは知りませんが、ダストファングバードを倒したと言うのは多分私でしょう。」


「やっぱり…ッ!?カナデ!私に敬語は辞めてください!それとアルメリア、と呼んでください。」


「え?ですが王族「敬語はダメです!」…は、はい…」


女性とは何故これほどまでに怖いのだろうか。

反射的に頷いてしまうのは何故だろうか。

俺はいきなり推移した事態にそんな事しか考えられなかった。


「ちょっとなにいちゃついてるんですかカナデくん。」ボソッ…


(いったぁぁぁぁぁ!!)


左をみれば頬を膨らませ不機嫌そうな顔をしたソラ姉が俺の脇腹をネジ来れるほどに抓っていた。


「ちょ!ちょ!ソラ姉本当に痛いってッ!」


「ダメです。いちゃついてるカナデくんがわるい…」


「いちゃついてるって…そんな事無いって!…」


数分後、何とか暴走気味のソラ姉をなだめ俺はアルメリア王女と話の続きをしていた。


「どうしても呼び捨てでは呼んでくれないのでしょうか?」


俺の胸のあたりを掴み僅かに上目遣いしながらの頼みは反則だ。

断る気がうせてしまう。


「分かった、アルメリア様、で良いか?あと話し方もこの位が精一杯だな。」


俺はそれに苦笑しながら返す。


「まぁ、良いでしょう。あ、そろそろ王城につくころですね。」


しばらくするとギギギギ…と音が響き、窓から外を見れば馬車の前方にそびえる巨大な門が開く所だった。


「では、謁見の間で会いましょう。」


そうして王城に入り王女と別れた後、侍女に連れられて個室に通された。


どうやら王様が会いたいと言っているらしいが…

やはりダストファングバードを倒したのはまずかったのかもしれない。


王国が厄介だったら他国に逃げよう。

良い王様だといいのだが、まぁアルメリア様があそこまで育ちの良い人ならば親の心配も無用かもしれない。

用心に越した事はないがな。


既に外は夕方になっており太陽は斜めに降りている。


夜は王都の宿で一泊して明日ウォルテッド目指して飛ぶとするか。


コンコン…


「カナデ様、謁見の間で王がお呼びです。」


数十分後、準備が出来たのか侍女が呼びに来る。


「はい、今いきます。じゃあ、ソラ姉は少し待っててね。」


「は、はいっ…気をつけてね?」


ソラ姉は今回の件は俺と会う前の事なので特に呼ばれていない、よって面倒ごとに巻き込まれるのは嫌なので連れていかない。


「か、カナデくんは良く緊張しないね…」


「そうか?それなりに緊張はしてるぞ?」


多分スキルのせいだな。

つくづく鈍感のスキルは効果がイマイチ分からない。

そうしてソラ姉と別れを告げて部屋で待機して居てもらう。


その時にソラ姉の近くを飛び回っていた羽虫も潰しておいた。


証拠は残さない。死骸は塵になるまで燃やしておく。


そうして俺は侍女について行き謁見の間へと向かった。




××××××××××××××××××××××××××××××××××




ー謁見の間ー



急遽行われた謁見には貴族や武官、文官などは出席せず。

王や他の王族、それにこの件に関して関わりのある者達が集められた。


ここに居る半数はいわば証人である。


ロヴィスギィの惨劇(・・・・・・・・・)での、黒髪の英雄を見た者や

深淵の密林でカナデと言う黒髪の青年と接触した巨鳥の部隊の少女だ。


玉座から見て左右に立つのは

砂塵爪獣(ダストファングバード)戦で魔法部隊の指揮官を務めた、

ローブに身を包み、黄色い長髪に小さな黄色の瞳の三白眼を持つ痩せこけた男。

見た目とは違い子供が大好き。

だが周りからは犯罪としか認識されない残念な人物。

【王国三大兵団】が一つ

魔導師団ソルダート・ウィザード

団長


ーブェルン・レスボンスー




砂塵爪獣ダストファングバード戦で軽戦士部隊の指揮官を務めた、

淡い緑色の髪と目をもつ軽薄でチャラそうな顔の男。

傷が治ってから急上昇した自分の株に自惚れ中。

【王国三大兵団】が一つ、

近衛騎士団(ロイヤルナイツ)

一番隊副団長


ーローチェルド・ベールフェイトー




砂塵爪獣ダストファングバード戦で回復部隊の指揮官を務めた、

白いローブを被る金髪金目のボンキュッボンな女。

お腹が空いたようでさっきからぐーぐーとお腹がうるさい。

【十神教】

【十神教ヴォールクローネ支部】

聖教会大司教


ー聖ロロラインー




砂塵爪獣ダストファングバード戦で魔法剣士部隊の指揮官を務めた、

水色の短髪と濃い水色の瞳を持つスタイルの良い女。

本人は知らないがアイドル的存在であり、助けてくれたカナデの事がちょっと気になる。

【王国三大兵団】が一つ、

戦乙女騎士団(ヴァルキリーナイツ)

団長


ーエールェン・アクアカレントー




そしてカナデと【深淵の密林】で接触したオレンジの髪と目をもつ色白で活発そうな少女。

こんな場所にあたしがいるのは場違いすぎる…とか言いつつ緊張で吐きそうになっている。

【トリステイン王国所属戦闘飛行部隊】

巨鳥部隊(アルゲンタビス)

二番隊隊員


ーエミリー・アーミアルー




皆、戦いの生存者であったり、

唯一カナデと長時間に渡り接触した少女である。

役者は十分といえた。


そして玉座の横におかれた一回り小さくも豪華な椅子に腰掛けるのは、

透き通るように美しい赤い髪と瞳を持ち、

落ち着いた雰囲気を纏う男。

将来国を背負って立つ事が約束されたも同然の人物。

【トリステイン王国第一王子】


ールミフォリア・ノイン・トリステインー




髪は燃え上がる様に赤い髪に真紅の瞳を持ち、きらびやかな服を身に纏う男。

これから謁見の間に入ってくるであろうカナデを待ちわびていた人物である、

【トリステイン王国第二王子】


ーアイゼント・ノイン・トリステインー




緩やかにうねる燃えるような赤い髪に、

淡く透き通った強い意思を感じさせる切れ目の二重。

左目の下に添えられた泣きぼくろは可愛らしさと美しさを両立させる。

雰囲気は凛々しく民の人気も高い

凛々しき【三美姫】が1人。

【トリステイン王国第二王女】


ーアルメリア・ノイン・トリステインー




ストレートに伸びる赤い髪をツインテールにし、ルビーの様な輝きを放つ瞳には無邪気さが映る。

姉のアルメリアとは逆の右目の下に添えられた泣きぼくろが可愛らしい

可愛らしき【三美姫】が1人

【トリステイン王国第三王女】


ーウィアナ・ノイン・トリステインー



そして玉座に座るのは、

燃えるような赤い髪と瞳を持つ精悍な顔立ちの壮年の男。

いろいろちょっと深読みしてしまう

【トリステイン王国第9代目国王】

ードヴォルザーク・ノイン・トリステインー



王妃は現在体調が優れず、床に伏せている。

そして第一王女も外交の為諸外国を回っていた。

それでもこの謁見の間を攻められれば一瞬で国が滅ぶほどのメンツがここに集結していた。


国民がこの光景を目にしたら1秒と保たず気絶するだろう。


ちなみにリグザリオ・ホーリライトはこの場に居ない。

数百年も生きている人間は周辺国にはリグザリオしかおらず、

このような場にホイホイと出せるわけでは無いのだ。


『やーだー!妾も会いたいのじゃー英雄に会わせるのじゃー』


『ちょ!あっ……お、追えぇぇ!!リグザリオ様が逃げたぞぉぉ!!』


『は、ハッ!!』


『ふははー。妾を捕まえられるモノなら捕まえてみよひよっこどもぉ!!』


『くそっ!!リグザリオ様!私のポケットに飴が!』


『なんじゃと!寄越すのじゃ!!』


『今だ!捕獲!!』


『『『はぁぁぁ!』』』


『ふぎゃっ…おのれ!ロイヤルナイツのアホども!妾を騙したな!』


だがそんなやり取りが交わされているなどと言う事は国王ですら知らない…


そんな中、謁見の間の扉が開き、1人の男が入ってきた。


その者は黒髪黒目に王族も霞むほど極限まで整った顔をもつ冒険者風の黒づくめの装束を身を纏った男。


それを見た瞬間、謁見の間に居た半分の者達の雰囲気が変わった。


半分の者達とは王族を除いた者達である。

それは男も同じだったのか謁見の間にいる人々を眺め時々思い出した様な顔をしていた。


どうやらその男にも謁見の間の面々の中には見覚えのある者が居たらしい。



それを見てドヴォルザーク王とアルメリア王女の微笑みが重なったのは2人の思考を知っているものが居たとするなら必然だと思ったであろう。


王は黒髪の英雄がやっと姿を表した事に。


王女は憧れの英雄に会えた事に。


中身は違えど会いたいという目的は同じだったのだから。


だが、その場で歓喜していたのは彼だけでは無かった。


アイゼント王子


彼は武に生きる者、尊敬すべき隙の無い剣を振るった彼を再び見る事が叶い気分が高揚するのも無理は無い。


それと同じくしてエミリー・アーミアルもより逞しくなったカナデを間近で再び見る事ができ、カナデの裸身を思い出し悶えていた。




【SideOut】



半人族(デミヒューマン)[lv:54]』 :【剣士(ソードマン)】/【戦舞技師ダンズ・ワー・トリッグ】/【全属性大魔術師オール・アトリビュート・アークウィザード】/【虐殺者(スローター)


雪埜(ユキノ) (カナデ)


必要経験値/規定経験値:265/5500


能力(スキル):【戦舞技(センブギ)補正:強】【鈍感:大】

【剣豪:Ⅰ】【体力補正:強】【筋力補正:中】

解析の眼(アナライズ・アイズ)】【弱点解析ウィクネス・アナライズ】【縛りの咆哮(バインド・ロア)

竜種の咆哮(ドラゴ・ロア)

野生の本能ワイルド・インセィティクト】【下克上】

隠密(スパイ)】【暗視(ナイトヴィジョン)】【魅了(チャーム)

【砂塵の爪甲】【思考加速(アクセラブレイン)

【並列思考】

瞬間移動(ワープ)】【予測の眼(ヴィジョン)】【血分体(ブラッド)】【下位従属】

超回復(ハイ・リカバリ)】【粘糸精製】【識字】

色素調整ピグメント・アジャストメント】【剥ぎ取り補正:弱】

異次元収納(アイテムボックス)】【毒耐性:弱】【麻痺耐性:弱】

【雷耐性:弱】【炎耐性:弱】【氷耐性:弱】

【武器作成:Ⅰ】【格闘術補正:弱】

【幸運補正:弱】【虐殺者(スローター)

----------【祖なる魔導師:Ⅰ】----------

全属性魔法オール・アトリビュート・マジック

【魔法威力補正:強】【魔法命中率:強】

【魔法操作:強】【魔力量増大:強】

【魔力探知:強】【消費魔力半減】

---------------------------------------


残存Point:[32]


所持金:[1103万1千9百エル]


称号:【魂を鎮める者(クロムソウル)

英雄の国の者カントリーキングダムパーソン



[!]経験値を265手に入れました!





半人族(デミヒューマン)[lv:4]』 :【短剣使い】


雪埜(ユキノ) 空葉(ウツハ)


必要経験値/規定経験値:175/500


能力(スキル):

戦舞技(センブギ)補正.強】



称号:なし






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