10話≫〔統合版〕
修正版。
エピソードを増やしたとかではなく、肉付けしているだけですが。
展開おそくてすいません
よろしくお願いします。
28〜30話の統合。
俺はキウイモドキを…齧った!
ってキウイモドキしか食べてないな…
そろそろ肉が食べたくなってきた。
栄養的に今のままだとやばそうだしな…
かれこれ2週間近くキウイモドキで生活してるからな。
シチューはキウイモドキ2週間分くらい食べたから大丈夫だけど…
それにしてもどんだけ栄養価高いんだろうこのキウイモドキ。
凄い画期的な果物だったりして…
だけど肉を食べようと思った時、肉がとれる魔物といえばこの辺りでは
[斧角兎]か
[剣角獣]しかいないんだよな。
俺はどちらかと言うと熊肉はあまり美味しそうな感じはしないから兎肉を食べたいのだけど、
ここら辺の生態系本当に微妙だよな…
強いのが強いの同士で争ってんだもんな、誰かゴブリン減らせよ、と思う。
本当にどうなってんだ…?
これもファンタジーってやつかな。
【異世界wiki(笑)】にあった豆知識に、
気になる事があった場合の対処法の記述ってのがあったけど気に入らない事や納得のいかない事は取り敢えずファンタジーって書いてあったしな…
それとルーデンスの家で出してもらったプロータムと呼ばれる平原に生息する大きめのネズミのような齧歯類の肉、要するにネズミ肉だな。
あればネズミって思わなければかなり美味しかったけど生息数が今は減ってきているみたいで村でも高級品らしいんだよな。
ルーデンスの母親も父親も出血大サービスだな。
取り敢えずアックスホーンラビットを探しながら、ブレイドホーンベアーの希少種だけしか会ってないから普通の個体を見つける事が出来たらステータスを覗いて見るとするか。
そう思いながらアックスホーンラビットと、
ブレイドホーンベアーが棲息する【迷いの大森林】手前まで足を進める事にした。
そしてかれこれ20分が経ち、
俺は2匹のアックスホーンラビットに挟み撃ちにされていた。
なぜ?
と言いたいところだけど、多分アックスホーンラビットの嗅覚だろう。
気がついたら挟まれていたのだからやはり俺の探知範囲よりも僅かに広いと思われる。
最近よく囲まれたり挟まれたりそればっかな気がするが気のせいと信じたい。
ステータスを解析スキルを使い覗いた所、
左に居るアックスホーンラビットは13レベル、右に居るアックスホーンラビットは15レベルと前回遭遇したアックスホーンラビットのレベルがずば抜けていたのかは不明だが、この2匹のアックスホーンラビットのレベルが低い事には感謝するしか無い。
俺は先に僅かにレベルの高い右側のアックスホーンラビットを倒す事にした。
左のアックスホーンラビットに向けて牽制を兼ねて戦舞技ー【一投刹那】を放つ。
どうやら戦舞技は慣れてくると声に出さなくても発動出来る様になるらしい。
今までの自分が恥ずかしいとは思うが知らなかったのだから仕方が無い。
いや、まあ最初の内は声に出さないと無理らしいし、新しく覚えた戦舞技とかも声に出さなければ発動できないらしいけどね。
青い閃光を纏った短剣が懐から放たれ、
それは回避の遅れたアックスホーンの眉間にざっくりと刺さった。
これまた見事なざっくり具合で。
よし、今の攻撃は手応えがあった。
ひるんでいるうちに右を倒さなければと思い右側を振り向いた瞬間、
ドスゥゥゥン
左側で大きな音がした。
え?
右側のアックスホーンラビットから視線を外さない様にしながら少しづつ下がり視界を確保すれば、
左側で大きく仰向けに倒れ泡を吹きながら、
赤い目を裏返しても赤目だが、なんか裏返してる様にしか見えない目を晒しているアックスホーンラビットがいた。
(まさか、【戦舞技補正:強】の効果で強化された戦舞技モロに効いたか?
いや、でも前は効く事は無かった…
となるとレベルの上昇と【下克上】の可能性が出てくる…
いや。どっちもか…)
取り敢えず左側は思わぬ幸運、もとい俺の確認ミスによってあっけなく倒せたようなので、
直ぐに右側に全身を向けて、未だ2本の足で地面に立つ15レベルのアックスホーンラビットを正面に捉える。
ここで魔法をためしてみる事にした。
イメージもとい妄想は俺の病室での暇回避手段の1つであった。
つまり必須スキルだというわけだ。
ぬかりはない。
火とか炎を使うとテンプレみたいに森ごと焦がしたり肉を墨にしてしまったりしてダメそうなので有機物にはダメ!絶対!的な便利属性、雷を使ってみる。
しよっぱなから粋がってミスとか出来ないからまずはアックスホーンラビットに下位の雷属性魔法を使う。
【全属性魔法】
雷属性下位槍魔法発動
取り敢えず1本だけ槍を発動しようと思う。
イメージするのは地に降り注ぐ一柱、稲妻。
頭の中に出来上がったイメージの塊を体内から溢れ出る魔力と共に放出させる。
パチッ…ババババババチバチバチバチッ!!!
俺の周囲に雷属性に染まった魔力が拡散してゆく。
静電気で髪が逆立ち辺り一面の空気が変わった。
魔法は声に出した方が発動しやすい。
俺は発動のキーを唱えた。
「【雷の槍】!!」
眼前に2m程の雷の槍が顕現した。
地上の理を無視し、空中に固定された雷は内部に爆発的な質量を秘め、
槍の形を保っていた。
それはやがてドリルの様に回転し始め、貫通性を増して行き、高速でアックスホーンラビット目掛けて放たれた。
所詮は魔力によって顕現した雷は光の早さとまではいかなかったが半端なかった。
アックスホーンラビットは接近する雷の槍にハッとし咄嗟に左に大きく飛び回避した。
アックスホーンラビットに避けられた雷の槍は後方の木を5本砕き、やがて空気中に雷を拡散させ消滅した。
「【雷の槍】!」
俺は直ぐに2発目のキーを唱え、
再び雷の槍は顕現。
高速で発射されアックスホーンラビットに迫った。
着弾した雷の槍は周囲に弾け、
2発目も辛うじて避けたアックスホーンラビットは倒れこみ身体を痙攣させていた。
(まさか…麻痺…?)
すぐステータス解析してをみると、名前とレベルの横に雷のマークが点滅していた。
やはりこのアックスホーンラビットは麻痺を受けているようだ、どうやら雷属性魔法にはランダムで麻痺を付与する効果がある様だな。
俺はトドメを指すもとい今日の晩御飯を得る為に
「【雷の槍】!」
本日3本目の雷の槍を放った。
雷の槍は肉体を焦がしながら突き進み、地面に消えて行った。
レベルが上がった気がしたが、やはり嬉しいとはあまり思えない。
だが短剣を使い肉を切り取っていくうちにその感情はスキルが消して行き、
今日は焼肉だぁ!
となった。
その日、肉を焼くために火属性魔法を使い、
加減を間違え結局は焦げた塊が出来上がった。
少し残った肉は後日頑張る事にする。
【SideOut】
『半人族[lv:12]』 :【剣士】/【戦舞技師】
雪埜 奏
必要経験値/規定経験値:853/1300
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:中】
new!【剣術補正:強】【魔力探知:中】
mew!【体力補正:強】【解析の眼】
【弱点解析】new!【縛りの咆哮】
new!【下克上】new!【全属性魔法】
残存Point:[1]
加護:なし
称号:【魂を鎮める者】
経験値750を手に入れました
[!]格上打倒により経験値ボーナスが入ります。
150GET!
1Point獲得
※規定経験値を超えました。
Levelupします。
必要経験値がresetされます。
××××××××××××××××××××××××××××××××××
俺がこの世界で目を覚ましてから14日目が経った日の朝。
目を覚まし、なんとなしにステータスを覗いた時に事件が起きた。
初っ端から意味不明な出だしになってしまったが、説明しよう。
先程、寝ぼけ眼でステータスをみたら、
とっても変態的かつ強力なスキルが追加されていた事に気がついた。
多分あれだ、剣を持ち戦えば【剣士】のジョブと稀に【剣術補正】のスキルが手にはいるのと同じ容量だろう。
【野生の本能】
名前無駄にかっこいいけど意味不明だから造語と言うやつか、だけど発音はしやすそうだな。
そして効果はまさに野生と言っていい位、
無駄によかった。
【野生の本能】
[解説]
本能で危機を察知する。
スキル【第六感】の一部分特化版のスキル。
危機感知能力[超]上昇。
超上昇、これは始めてみる上昇率であり、かなり有難い。
そしてスキル【第六感】は色んな事に満遍なくというのだろうが、
スキル【野生の本能】は危機を感知する能力にずば抜けていて他の事に関してはまぁまぁと言った所なのだろう。
多分俺が野生的な生活を続けていたせいで
スキルを獲得したのだろう、多分そうだと思う。
地上にいる時ほどではないけれど、たまに木の上で寝ている時にゴブリンとか芋虫が登ってきて襲われかけたからな。
魔力探知があるからなそこら辺は問題なかったし襲われたのも今までで2回程度だけどな。
でも登ってくるゴブリンや芋虫をいちいち起きて叩き落とすのは面倒だったなぁ…
俺は少しふけっていたが直ぐに正気に戻った。
だけどこれは素直に嬉しいスキルだ。
これでぼけっとしてても敵の攻撃に反応出来る様になるのだからな!
これに【魔力探知:中】を併用して常時発動すればかなりの確率で敵を発見出来そうだ。
野生万歳。
そういえば野生で思い出したが、今日は焼肉を作る続きをする事に決めていた。
朝から焼肉とかお腹に重いと思うかもしれないけれどもやらなければ腐るし、慣れないで失敗したら只の墨になるんだし。
あまり気しないで練習も兼ねて魔法を使う事にした。
【全属性魔法】
火属性下位弾魔法発動
手元に出てきた火の弾を固定した状態にする。
詠唱のキーを言ってしまうと発射されてしまうからキーを唱える事なく、
発射せずに手の前に留めて肉を焼く作戦に出る事にした。
先日は発射してしまい炎は肉を爆破し、火は肉を墨にしてくれた。
今回の策は我ながら名案だと思うし、これは多分天才的な案だとおもう。
岩の上に置かれた肉に固定した火の弾を近づけ炙る、じゅわじゅわと肉から溢れ出た肉汁が岩を伝い地面に垂れていく。
辺りに充満する香ばしい肉の香りが鼻腔をくすぐり腹がなる。
俺のヨダレはダラダラと垂れていく。
ゴブリンのヨダレも…ってゴブリン!?
「【火の弾】!!!」
気が付けば俺の隣には1匹のゴブリンの魔力反応があった。
急いで振り向きざまに火の弾をお見舞いする事によって難を逃れたが…
「…グガ!!ギャァー!、…」
肉を焼くのに夢中で【野生の本能】の警告に全く気がつかなかったし魔力探知も目の前の肉のせいで気がついていたが忘れていた。
先にゴブリンがこんがりとしてきてしまったが気を取り直して肉を焼く事に集中する、
もちろん今度はしっかりと【野生の本能】にも気がつけるように集中して警鐘に気がつけるようにする。
久しぶりに食べた肉は、味こそ肉のまんまだったが肉質は柔らかく油が乗っていてそして野性味に溢れていてとても美味しかった。
【SideOut】
『半人族[lv:12]』 :【剣士】/【戦舞技師】
雪埜 奏
必要経験値/規定経験値:914/1300
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:中】
【剣術補正:強】【魔力探知:中】
【体力補正:強】【解析の眼】
【弱点解析】【縛りの咆哮】
【下克上】【全属性魔法】
new!【野生の本能】
残存Point:[1]
加護:なし
称号:【魂を鎮める者】
経験値61を獲得しました。
××××××××××××××××××××××××××××××××××
【エミリーSide】
アーミーの墜落した場所でゴブリン達に襲われてから4日が経ち、あたしは未だ森から抜ける事が出来ないでいた。
先は暗くなっていて見えなくて、地面は根っこのせいでボコボコ。
そんな森の中を歩くのは足腰に想像以上に疲労がたまり、ふくらはぎや足の裏はパンパンに腫れてしまった。
ふくらはぎにも草で切ったのか傷が出来ている。
そして夜は特に魔物が活性化する。
勿論そんな中を進む事は出来ず、夜は行動するのをやめなければならない。
灯りとなる照明石はポーチの中には入っていない。
照明石とは拳大の鉱石で硬い物に叩きつけると鉱石の大きさ分の光を放つ。
光が消えても日中太陽の元に置いておけば半日程は光っていられる便利鉱石なのだ、たしか名前は…トリスタライト鉱石だったっけな…
王国で産出される事が多い為かいつからかそう呼ばれている。
あたしは朝の巡回の任務で上空を巡回していたし、空中で照明石なんか使ったらそれこそ敵に見つけてくださいとでも言っている様な物だから使えない。
だから持ち歩いていなかった。
それに携帯食糧も少量しか持ってきていない。
3時間程で帰還する予定だったし、持ってきた荷物は最低限だ…
携帯食糧をどっさり持ってくる奴なんてそれこそ物好きくらいしか持って来ないだろう。
もちろんあたしは物好きではなく、僅かに数日分の携帯食糧をポーチに入れていただけだった。
そうやってこの4日の間はずっと"if"の事ばかりを考えてしまう…
考えたって自己嫌悪になるだけでどうしようもないって言うのに。
もちろんゴブリンや芋虫などの魔物は極力避けて通っている。
あたしが視認出来た瞬間に木に登ったり、
木の影に隠れたりしてやり過ごしているのだ。
魔物と会うたんびに戦うのは戦闘狂か、頭の悪い奴か、自殺願望のある奴か、何処か抜けている奴くらいなのだから。
常に戦闘に身をおく冒険者であれ連続の戦闘は避けて通る危険な選択と言われている。
理由は、レベルの高い冒険者でさえ、集中が切れてしまい魔物に殺されるケースが何件もあるからだ。
要するにいちいち戦闘する方がバカと言う事。
そうこうしているうちに視界の先の方に開けた場所があるのが見えた。
(あれ?…もしかして森から出れるのかな?)
否応無くあたしの胸は期待に高まっていく。
次第に足の疲れなど忘れて小走りになり、
時々足を木の根っこに取られるがそんな事気にせずにひた走る。
だが、視界が開けるとそこにあったのは風化してボロボロに崩れた集落跡だった。
跡と言うより滅ぼされた集落跡に見える。
もちろん風化しているし人間が居たのではなくゴブリンが居たのだろうが。
家は人間が作ったようで綺麗に立てられているが既に半分風化している
周りに立てられた柵はゴブリンが組み立てたのだろう、子供の工作みたいに拙い作りに見える、かなりの雑に作られていて、芋虫でも数匹で突進したら崩れそうに見える。
多分あたしが作ってもこれよりマシにはなるわね。
そんな事を思いつつ隠しきれない落胆の気持ちを和らげようとしていると、集落跡の所々に赤黒く変色した肉塊が転がっているのが見えた。
辺りには虫がブンブンと唸りを上げていて、正直気持ち悪い…
だけど状況の認識は軍人としては常識。
あたしはゆっくりと近寄り、
その赤黒く変色した肉塊を上から距離をとって覗き込んだ。
そして辺りに漂う強烈な腐敗臭に思わず鼻を摘まみ、
目にはいるピリピリとした異臭に涙を流しながらも観察した。
その死体と思われる物は死後1週間前後たっているであろう。
既に日に当たった表面が干からびていて、
肉塊は変色していて、日に当たっていなかったら腐敗臭は更に酷かったと思われる。
かろうじてゴブリンと分かる胴体は鋭利な刃物で両断されていて、犯人は…
冒険者かアックスホーンラビットか、それともブレイドホーンベアーか…
だが建物が破壊されていない所を見ると冒険者辺りの仕業だろう。
ここ一帯に棲息するゴブリンを殺せる程の力を持つ魔物はぜんぶ身体が大きいのだ。
この集落跡を襲うとすれば確実に何処か破壊されていて木材が散乱している筈なのに。
だけど、柵の内側に見える家はどれも自然と風化しているようにしか見えない。
あたしは集落跡に溜まった強烈な死臭を我慢しながら早足で家々を回った。
見て回った家々はどれもゴブリンたちの死体があって、道にも死体が転がっていた。
そして最後に訪れた7軒目の家の横の庭で、
真新しい土を被せたお墓みたいな物を見つけた。
盛り上がった土に薄めの木材が1枚、墓標の様に刺さっていた。
それが2つたっていて、多分ゴブリンの性奴隷にされていた女性たちの物だろうと当たりをつけた。
ゴブリンの集落から救出される女性は大体の人が精神が壊れてしまっていたり、精神に異常をきたしてまっていたり、いくら話しかけても反応がなかったりする。
だからここにきてゴブリンを殲滅した"誰か"はここに囚われていた女性を殺してあげたのだろう。
もしかしたら頼まれたのかもしれないし、
見てていたたまれなくなったのかもしれやい。
普通の冒険者はこんな事しないと聞く。
ゴブリンの集落を殲滅してもそこにいる壊れた女性達は放置か、ゴブリンと同じ様に犯して、犯して飽きたら殺してそのままに放置したりする。
この"誰か"は冒険者じゃない人なのかもしれない。
じゃあそんな人が何故こんな森の奥に?
しかも殺してしまえばその後なんて別に関係ないのにわざわざお墓を作ってあげるなんて、
あたしはその"誰か"は凄いお人よしな人だなと思った。
そう思っていると疲れか少し和らいで自然と笑が出ていた。
「よーし!頑張って森から出るぞぉ!」
【SideOut】
『人族[lv:20]』:軽剣士/※巨鳥操士
エミリー・アーミアル
必要経験値/規定経験値:92/2100
能力:【剣術補正:弱】【巨鳥通心】使用不可!
加護:火神フライオヌの加護
※巨鳥操士のジョブは現在使用不可状態となっております