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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第三章 ミシェール
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第八十話 玉璽

「ここが…摩天楼とかがある街…か」


「おそらく反吸血鬼派の部隊もここへきているはずよ」


そこらじゅうにパイプやらが通っている…まるで工場だな。

俺たちは、吸血鬼の根城スカーレットタワーへ向かっていた。

そこを叩けば、この国の吸血鬼を征伐する事に繋がるからだ。

吸血鬼…吸血目という自分以外の血を吸う事により能力を得る人間の事を指す。

その根源となったクリス=チャルは、反吸血鬼派の特別指揮官として、軍を動かしている。

俺はその軍と同盟を組み、仲間を探すと共に、吸血鬼を倒すという事にしたわけだが…。

はぐれてしまい、今合流に向けて動いている所だ。

そして、俺の仲間となったメリュジーヌ。

何を考えているのか、いや俺が引き入れたわけだが、全く考えがわからない奴だ。

そういえば、メリュジーヌはあそこで軍を殲滅していたが…その目的はなんなのだろうか


「そういえば聞きたい事がある、キーン…お前はあそこで何をしていたんだ?」


「…玉を探していたの」


「玉?」


「そう…この世には、3つの玉が存在している…」


玉璽ぎょくじ…。

それらは、璽、章、印というもので、それらが王の証明となるらしい。

王…四カ国…フォーミル、ガレー、ミシェール、アルグレ。

それらの王が持つ玉璽。

だが、現実王としての権限を失ったフォーミル王は玉璽を持たない。

つまり、ガレー、ミシェール、アルグレに玉璽がある…と。


「そもそも、玉璽が王の証明ってのはわかったけれど、

どうしてそれがこんな所にあるんだ…?」


「…気がつかない?このミシェールは、

元はヴィアーチェ王のもの…つまり」


「つまりは…ヴィアーチェ王の遺産ってわけだ…その玉は」


王の証明があれば、王となれる…だが、何故それをこいつが求める?

…いや、おそらくは…。


「キーン、最後まで協力してもらうぞ、ノエルを救出するまで」


「ノエル=フォート…そうね、確か今はニホン国へ輸送され…」


輸送!?


「どういう事だ!ノエルは…どうして輸送され…そうか、本拠地へ行ったわけだな…」


俺は、3年分の記憶を得た…が、何故かノエルに関しての情報が出てこない。

無論、自分の情報もだ。

ただし、このメリュジーヌの情報だけは出てくる。

なぜだかわからないが…


「…そうなるわね…ニホン国、あそこへ攻め込むのは容易いけれど、今のあなたじゃ…」


自分でもわかっている。

メリュジーヌで苦戦しているようではダメというわけだろう。

だが、進むしかない。


カーン…カーン…。


その時、どこかで聞いた事のある音が聞こえた。

俺は、目を瞑る。

わかった事がある…。


「俺がお前らに襲われる理由っていうのが、わかった気がする」


「随分と強くなったようだけれど、僕との差はどれぐらいだろうね」


一人称が僕、私、俺、それぞれ分かれているが、俺自身という事には違いない。

それぞれがそれぞれに歩んできた道の中で、学んできたものが違うってだけだろう。


「御託はいい、さっさとはじめよう」



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