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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第三章 ミシェール
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第七十九話 キーン=フォート

メリュジーヌと共に、森の拠点へと向かった。

その途中、僕たちはあるものに遭遇した。


「…これは…血?」


血痕だ。

木にべっとりと…周りの木々からして、ここで争ったようだが


「どうやらここで争いがあったようね…拠点とやらは大丈夫なのかしらね?」


このすったような後が拠点の方へ向かっている。

どうやら負傷者は傷を負いつつ、拠点の方向へと向かったようだ。

…となると、負傷者と負傷させた加害者が、拠点へと向かった事になるな…。

おそらくそのことだろう。


「となると、クリスたちが危ない!早く行かないと!」


俺たちは、急ぎ拠点へと向かった。



(ーーー森の拠点ーーー)



俺たちは森の拠点に辿りついたが


「一足…遅かったか」


「けれど、皆ここでやられたわけではないようね、どこか別の所へ送られたのかしら」


「何故そう言い切れるんだ?」


俺はそう質問した。

するとメリュジーヌは


「だって、そこにあるのは、吸血鬼の旗…それも破れてる」


という事は・・・敗者は吸血鬼・・・?

反吸血鬼派が勝ったって事か。

という事は拠点は移動した…のか。


「俺たちもそこへ向かうか?」


「いや、私たちは吸血鬼との戦いを外側からサポートするわ、それなら動きやすい」


そうか、メリュジーヌはフォーミルの件で・・・


「メリュジーヌ…名前長いな…短縮してジーヌとかでいいか?」


メリュジーヌっていう文字数は稼げるが、どうも長いのは気に食わない。


「名前…ね…それなら、キーン…キーン=フォートとでも名乗りましょうか」


キーン…?

それにフォートって…。


「ええ、私自身、元々フォートという名だったからね」


メリュジーヌの本当の名…か。

俺も…本当の名すらも思い出せずに、かれこれ数ヶ月がたった。

俺の記憶はいつ戻るって言うんだ…その欠片すらも見つけられず。

ただ彷徨うだけ。

…だった。

今はその記憶の一部を知るであろうメリュジーヌがいる。

いつだって記憶の一部を知る事だってできる。

…けれど、俺は記憶が戻ったらどうするつもりなんだ…?

元の世界に戻りたいと願うのか?

わからない、けれど…それも段々と薄くなりつつあるのも事実だ。

本当はその世界に戻るより、この世界に留まる事を望んでいるんじゃないのか?

…だとすれば、俺はこのまま記憶がないままの方がいいのかもしれないな。


ロシル=フォートとして。

フォート…砦や城壁という意味がある。

この世界でフォートとは、守護者と言われる事もある。


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