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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第三章 ミシェール
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第七十八話 本屋ノブ子

ノエル=フォートの突然のメリュジーヌ宣言。

しかし、ノエルは捕まっていたはず!

何故、今そこにいる!?

私は本屋ノブ子。

物知りというだけで、本屋と名付けられたわ。

つまりは、ノブ子というのが私の名前なわけね。

そして加えて言うと、ノブ子も自分の本当の名前ではない。

ここまで見れば、私の真名がメリュジーヌであるというのは、もうわかっているはずよね?

けれどそうではない。

本当の私はノブ子であって、メリュジーヌではないし、

私はメリュジーヌであって、ノブ子ではないの。

要するに、ノブ子というのもメリュジーヌというのも、付けられた名前よ。

メリュジーヌというのは、蛇の魔女の名前。

その名が私に付けられちゃったってわけ。

そして、メリュジーヌには、夫である人がいたの。

それが、ポワトゥーという人物。

私は、メリュジーヌになりきるため、フォーミルの王に仕えた。

まあ、私の魅力に惹かれ、彼が私をそういう目で見てしまった事は、

本当に都合がよかった。

では、何故なりきる事が必要なのか、それは私がメリュジーヌとしての力を得るためだった。


人としてではなく、伝説として名を残したものを、偉人だとか英雄だとか、神様だとか、

そういう類に入れて、人を越えた存在の力は絶大だったわけ。

要するに税金ね、勝手に魔力が湧いてくるの。

ただし、その名が続く限りの魔力。

だからこそ、メリュジーヌを継ぐ者がいる。


「それが私…今では、メリュジーヌを超える魔力の持ち主…

メリュジーヌという仮想の存在の恐れからの力と、

私自身のこの魔術師の力さえあれば…恐れなき完璧な大魔女…メリュジーヌとなれる」


そうさ、本屋ノブ子は、ノエル=フォートであり、本屋ノブ子を装ったメリュジーヌは、

ノエル=フォートだったのさ!


「ロシル…今、あなたの横にいるのは、本当のメリュジーヌではないわ…そいつは、元なんとかさんよ」


「…」


私の隣で、エイピロ…いえ、エドワードの抜け殻は沈黙する。

理解が追いつけないのだろう。

無理もない、けれど


「教えてほしいですね…どうして、メリュジーヌ様は、ノエル=フォートとして、ロシルくんを育て、

そして魔術師としようとしているのか…目的は輪廻でしょうに」


輪廻…そう、それがメリュジーヌ卿の目的だったわね…

なりきるために、輪廻を達成しなくてはいけないとすれば…

そうね…では、


「アウルゲルミルを生み出す…それを目標としましょうか」


アウルゲルミル…そいつは、生命を生み出す兵器。

いや、それ以上のものね。


「アウルゲルミル…原初の生命ですか…」


「そうよ、それなら、私をメリュジーヌを、また恐ろしくなり、

さらに加えて多大なる魔力を手に入れられるわ」


この時、エイピロは思った。

アウルゲルミルを出したノエルを、彼はどう止められるか、と。

エイピロは知っていたが、ひとつも口には出さない。

その結果、結論を。


「そういえば、エイピロ、あなたは”どこで”戻ってきたの?」


「…」


エイピロは少し身を引いた。

危険視と言っても過言ではない。

ノエル=フォートを舐めていた節もある。


「…それをあなたに伝える義理はありません、我々の関係は単に協力関係であって、

主従関係ではありませんから」


エイピロは少なくとも恐ろしく感じていたのだろう。

メリュジーヌを名乗るだけあって…かなりの事を周知している事に。


---そろそろ、本当に動かなければ…アウルゲルミルは手に負えないぞ…

琴葉…早く、目覚めろ---




*。:.゜アケマシテヽ(´∀`)ノオメデトウ゜.:。+゜

僕は元気です。


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