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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第三章 ミシェール
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第七十五話 摩天楼

「彼がこの国にきている・・・?」


「ええ、ジャスティスからそう聞きましたが」


「そう…」


薄暗い中、二人の女性が言葉を交わしていた。

私はそれを聞き耳を立てて聞いている。


「ロシル…フォート…一度お目にかかりたいものね」


そう言ってから声は聞こえなくなった。


摩天楼…

聞いたことのないものだ。


「そこへ波状攻撃をしかけるわけだな?」


「そう、まず第一陣は摩天楼…奴らの住まう街へ向かう」


第一陣というのが、100人程度の軍勢。

第二陣というのが、50人程度。

そして俺たち第三陣…5人の部隊だ。


中央突破する第一陣は犠牲者が多い。

そして次の第二陣は第一陣の増援部隊。

第三陣で敵の大元 摩天楼の中央区に君臨する最大級のタワー…。

吸血鬼の根城、スカーレットタワー。

そこを叩く。


「そもそも、この作戦は消耗戦よ…人数を削られている以上、

これ以上の兵士の損害を受ければ次はないわ」


「要するに、今回で済ませろって事だろ?そんなの言われなくてもやるっての」


…そう、俺たちは窮地に追いやられているわけだ。

そもそも次なんてない。

そういう覚悟は…できてる


「それじゃあ…明日、決行するわよ」


「…そうだな、早いほうがいい…俺は"アレ"を慣らさないといけないしな」


「…そうね、手伝うわ」


…”アレ”…

俺の奥の手だ。


「ノエルは…無事だろうか…それに、シフォンやシェイノ…ムサイの三人も…」


「他の仲間たち?そうね…ここに漂流していたらまず間違いなくシフォンって人が狙われるわね…

男を認めぬ地だから」


「…なあ、この戦いが終わったら彼らを探すのに使ってもいいか?」


ここに来て、ひと月が経とうとしている。

だが、一向になんの知らせも入っては来ない。

一応はこちらの偵察部隊が島中を探しているらしいのだが…


「まさか、捕まっている…?」


「その可能性も0ではないわね、そういえば、ローランは?」


ローラン…ここに来て、初めて出る名前だが、俺は知っている。

この部隊…吸血鬼最終襲撃部隊の一番の腕。

その力は俺を超えてる。

それもそうだ…だって

元アルフェグラ軍だ。


「そうだな…そういえば見ない…」


と、俺が言った後に急いで兵士の一人がこちらへ来た。

偵察部隊所属の兵士だ。

何かあったのだろうか?


「ほ、報告します!我々偵察部隊…私を除いて…全員…殉職…!!!」


「な・・・」


これじゃあ計画が…。

偵察部隊は一体何にやられたんだ…?

まさかまたジャスティスか…?

あいつは奇襲における中でも、最悪の分類だからな…

だが、現実は違ったようだ


「ど、どうやら…赤目の少女にやられたようで…!!!」


「赤目の…小…」


どうやら、クリスにはわかっていたようだった。

俺も…おそらくわかっていた。

おそらく…シェイノだ…。

だが、何故だ。

なぜ…


「クリス、一度見てみよう…そうするしか」


「…いいえ、偵察部隊は…ただの無駄死に…そういう事にしておくのよ」


無駄死に…。

それが脳裏に横切った時、俺は


「…クリス…俺はあんたに従ってた…だけど…今回は従えない!俺は…シェイノに会う!」


と、言った。

何故か…それを納得しちゃダメなんだって思ったから。


「待って!今あなたに動かれては…!」


俺は…冷静さを失っていたのかもしれない。

…いや、かもではない。失っていた。


「俺は行くよ…クリス」


仲間のため…というよりかは、無駄死にっていうのが許せなかっただけだ…。

そして、俺は浮力を利用して飛ぶ。


場所は…偵察に向かった所を予め聞いていたからわかる。


「待ってろ…シェイノ!」



~~~ミシェール島西~~~


「1つ・・・2つ・・・3つ・・・」


見つからない…見つからない…。

ここまで見つからないなんて・・・どうして?

私は彷徨う。

ただ一つの…あるものを探して

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