第六十六話 サポート
「ニホン国は、お前の力がほしいそうだ…もらっていくぞ、お前の力を」
黒き腕についていた目から発光が。
その発光は紫で、周りを包んでいくかのようだった。
が、それらが俺の魔力を吸い取るようにも思えた。
「お前・・・俺の・・・まりょく・・・を」
「そうだ、お前の魔力・・・いわゆる生命力を抜き取る」
こいつも…エイピロと同じようなもんを…
「っざけんじゃねぇ…」
俺は、どう考えても届かないと頭で理解していながらも、もがき、そしてガリッツの頭を右手でつかもうとする。
左手は、ガリッツの左手を掴み、俺はもがき続けた。
「…そこまでいきがるのか…ならば」
俺は、薄れゆく意識の中、海へと落とされた。
そして、今船の上ではガリッツと戦うシフォンとシェイノが。
倒れているムサイの三人がいるのだろう。
…3年分の力でも、グラムの真価を得ても…
弱い自分が…情けない。
俺は、そう思った。
そして、現在に至る。
「…俺自身、今の状況がわかってたり、わかってなかったりだ…教えてくれ」
「…いいでしょう、ここ最近起きた出来事から話すべきね」
まず、この国はヴィアーチェからミシェールへとかわった。
この事実が、この国に女尊O卑の概念が生まれた。
…というか、卑のない国。
なんていうか、珍しい。
「この国では、今フォーミルを攻めようとしてる・・・人員の確保はできてるし、その上…私の血を使って、強化兵団を作り上げてるわ」
強化兵団…。
いったい何人いるんだ…それとも、何十、何百人規模なのか…?
…それぞれがそれぞれの目を持っていたとしたら…
「…少なくとも、シェイノだけでも相当なもんだった…それよりも上がいるのか?」
「間違いなく先鋭部隊はシェイノちゃん以上だよ」
シェイノ以上がゾロゾロいやがるのか…こりゃあ骨が折れそうだ
「この国に侵略をするとするなら、ここからは私がサポートするわ」
何故…こいつは…このシェイノの姉は俺に協力をしてくれるのだろうか…
…それを考え始めたのは…
まだ、先の話だ。
他の仲間とはぐれ、シェイノの姉クリスに助けてもらったロシル。
他の仲間がどこへ行ったのか、その行方を知るため、クリスと共にミシェールの地下工房へとむかうそこでは、元【アルフェグラ】のレビナがいた。
そこで、ミシェールの王の悪行を聞き、反ミシェール軍に加勢する事になったのだが・・・
次回 女島ミシェールの地下工房