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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第三章 ミシェール
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第六十四話 突破

「シェイノ、真上だ真上に火を放て!」


俺は、シェイノに指示をする。

四方向から現れた手は、それぞれ出てきた所へと引っ込んだ。

シェイノは上を向く。


そして、そこに蒼き炎が散りばめられる。


「どう?これで満足?」


「ああ!そこに…イールグをブチ込む!」


手のひらに風をまとわせる。

そして


「シフォン!俺を上へ飛ばしてくれ!」


俺は、シフォンに抱えられ


「うぉおおおりゃあああ!」


俺は、上へ投げられた。

蒼い炎へ向かって、"イールグ"を放つと、蒼い炎がその風に吸収され始める。


「これでもくらえ!」


俺は、空中で作った風を纏った蒼き炎を、下へと投げ飛ばす。

と言っても、あの黒い煙ではなく、その外側…船の操縦室へだ。

その攻撃をした直後、操縦室に魔法陣が生まれ、攻撃が吸収されてしまう。

だが


「思いのほか、他に当てる魔力もねぇみたいだな!このまま、グラムで切りつけてやる!こい!グラムッ!」



俺は、両手でグラムを掴み、大きく振るう。

そこに衝撃波のようなものが波紋に広がっていき、操縦室へと一気に近づいていく。


「いっけええええええええ!」


俺は、衝撃波を放った後、そのまま急落下し始める体を回転させ、”イールグ”

でホバーリングを始めた。

案外風って便利だなって思う。


波紋状に広がっていく衝撃波は、魔法陣にぶつかると、そのまま貫通して操縦室へと突き進み、そして操縦室を粉々にし始める。


物理的な”イールグ”や炎とは違い、俺の放った衝撃波は、グラムの作り出す次元蛇穴の影響からか、

魔力効果を受け付けない。

よって、そのまま魔法陣の影響はなく、突き進めたのだ。


スタッという音と共に、船へと降り立った俺は、シフォン、シェイノと顔を合わせる。

操縦室からは爆音が響いた。

そして、同時に船の揺れは止まり、黒い煙も晴れてきた。


「さて・・・と、これであとは本体を叩くだけだ」


黒い煙、あのでかい手。

そして、魔法陣…3つともなくなったという事は、魔力の底が空っぽに違いない。

トドメを刺すにはちょうどよかった。


「ロシル、シェイノ、そしてシフォン…貴様らの力…見せてもらった」


「ガリッツ…か…一体どこに」


「ここだよ」


「!?」


俺たちは、揃って凝視する。

そして、シフォンの喉元を片手で掴みあげる姿を、見て武器を構えた。


「シフォンを離せ!」


「ぐっ…は…」


シフォンは苦しそうに声を漏らす。

ガリッツは離す気配がない。

それどころか首をへし折ろうとすらしている。


「おっと、シェイノ、ロシル…動くなよ…動けば、こいつの首をへし折る」


「ロシル!シェ・・・イノ!俺に構わず、こいつを!はっうぐぁ!」


シフォンは苦しむ。

ガリッツはまだ首を絞め、そしてさらに強くしている。


このままでは、息が・・・。

どうすれば・・・いい・・・どうすれば!

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