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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第三章 ミシェール
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第五十九話 リーン

俺と手を組む・・・か。


「残念だが、それには及ばない」


俺は手をかざす。

自分についた花を千切る。


「俺に、幻惑で勝とうなんて、思わないことだ」


俺は睨む。

すると、固有結界にひびが入る。


「なに・・・!?」


「次元蛇穴は、相手の魔力を奪う・・・そして、次元琥牢じげんころうは、固有結界を無効化にする・・・お前の魔力は、気づかぬ内に0に近づいているんだ」


その場に、オーヴィルは膝をついて倒れる。

魔力の限界は、体の限界だ。


「終わりだ」


パリリン・・・

寂しく響く固有結界の破れる音。

そして、オーヴィルの体には黒蛇が。

ロシルの横に白虎がいた。


「くっ…一体…何が・・・」


そこに、倒れていたシフォンが体を起こす。


「…お前…エドワード…?」


「え?」


シフォンは、目を疑っていた。

圧倒的存在感。

白いもやと黒いもやがあり、

その靄が虎と蛇の形をしていた覚えがある…。

シフォンはバルディッシュを構える。


「構えろ…エドワード…リーンの敵討ちに付き合ってもらう」


シフォンは速度をあげて、走る。

それを、ロシルはグラムを振るってバルディッシュを弾くが、

シフォンの見えない武器によって、自身の頬に傷を負う。


「おい、シフォン、やめろ!」


「うるさい!お前が…お前があの時、リーンを見捨てなかったら…!」


見えない武器が、どんどんロシルの体を傷つけていく。

ロシルは、呪文を自分にかける。


「シフォン、もう…やめてくれ」


「黙れ!この…人殺し野郎がぁあああああぁああああぁぁあああ!」


シフォンの顔には、水滴が散らばっていた。

自分にかけた呪文は、"ペーグ"という相手の攻撃動作を読み取って強制的に回避動作を取る呪文。

シフォンを傷つけたくはない。


「俺は、エドワードじゃない」


そういうが、シフォンは聞かず、見えない武器を振るう。

俺は”ペーグ”の影響を受けて全てかわす。


「うそだ!性懲りもなく、同じ言葉を繰り返すのか!」


シフォンの攻撃は止まない。

俺は次の攻撃動作を予測し、”ペーグ”を解き、そして攻撃を受けた。


「いい加減にしろ…シフォン!俺は、俺はロシルだ!」


「ロ…シル…?…ハッ」


シフォンは俺から離れる。

距離を取る様にして、俺をじっと見ると、すぐに謝ってきた。


「…すまない」


「いいさ」


俺は、シフォンのいうリーン…リーン=ノイスクランチを知っている。

シフォンの姉だ。

そして、エドワードが見捨てたという話…。

それは、今から数年前…ノエルが投影武装を奪われた時の話…

エドワード、ノエル、シフォンが最初にして最後のミッションをしていたときのことだ。

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