第五十五話 飴玉の誓い
アルフェグラ。
飴袋の名前を、国の名にも出したそれ。
俺は、アルフェグラ軍を集める…そういう意味で、ガレーに頼んだ。
アルフェグラ軍。それを作る理由は、ノエルを襲ったというマオ…。
あいつの軍を…あいつを倒すためだ。
「シェイノ、イユ、ガリッツ、サユ、ムユ…そして、シフォン」
「わぁーてる!ここから先は…俺たちは【軍】として動く」
全員の意見をシフォンが代表して答えた。
…軍。
それが、どういう意味を示すのか…。
今の俺に、理解はできていないだろう。
主導者であるという事の自覚もないんだ。
そこに目的があり、それと同じ目的を持つ者たちが集い…
それが集まって、軍となった、それだけの話なんだ。
「…さあ、まずはどこへ行く?」
数日後に、ここを旅立つ。
…少なくとも、ここへはもう戻らないだろう。
ガレーに。
支配者の国…。
そういわれた国があった。
それこそが、ニホン国というものだ。
今は名の無き国だが、後に突如として拡大する勢力ニホン軍…。
それが今…動き出す。
「…さて…諸君らに尋ねる…戦争とは!」
「己の命をかけ、勝ち抜くものです!」
「勝利とは!」
「そのままの意味でございます!我々ニホン軍の勝利でございます!」
「勝利以外はあるのか!」
「ございません!」
…洗脳国家。
そうとも呼ばれた。
「…俺たちは…戦士…」
「どうした、ロシル」
俺は不意に話しかけられ、肩をビクッとさせてから、シフォンの方へ向く。
脳裏に浮かぶ声。
…なんだったんだ。
「いや、なんでもない」
「そうか」
シフォンは、不満気に返す。
…これは、俺の記憶…なんだろうか。
3年後の俺と融合した今、記憶も共有してしまうのであれば…。
いや、それはいい。
…それはいいんだ…。
「そんな事より、ガレー…あんたエドワード=フォートに会ったことがあると言ったな、あいつはどんな男なんだ?」
ガレー王…伝説、英雄とも言えるその人物を知る人物。
語りが好きなのか、それを聞くと、ニコッとして、話し始めた。
ツルツルな頭が太陽光によってキラリと光り、何故かメカニックの体が透けて見えた。
…。
「エドワードってのは…バカ正直で、頼りがいのある奴だ…そうだな…容姿は、お前にそっくりだ」
と、言って…俺を指さす。
俺と…?
「ある日、一国を落した後にあいつは…指導者の座を降り、野に下った」
俺たち…軍を見捨てた裏切り者さ