表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第二章 ガレー
60/146

第五十一話 二人のウード

「・・・おい、まったく・・・世話かけさすな、馬鹿弟が」


「兄・・・!」


俺たち3人が出くわしたのは、メリュジーヌの血を受け継ぐ者・・・その二人組だった。

兄、弟共に名は同じウード=メリュジーヌ…。

しかし、その力は…


スカーレッド鮮血ブラッディダークネス!」


兄が詠唱を唱えた。

そのスピードは、人力を超える。

人ならざるもの、 ”メリュジーヌ”の血が見せる究極の美でもあろうか。

力及ばず、弟とはそういうものであろう。

されど、弟は動く。


にぃばっかりに、いいかっこさせてあげねぇよ…スカイ黄昏オブ・ゴールドハーツイ


彼らの行う詠唱は、共に人知を超える。

そして、はるか向こうへ、続く”世界”となる。


「こいつら…固有結界を…!」


「待って!…固有結界は同じ固有結界とは干渉を受けて弾けるはずよ!…あれは、無意味…!」


「けれど、このまま見過ごすのは嫌だよ!今すぐにでも…」


詠唱速度からして見ても、おそらくはあと数秒で完成するであろう固有結界。

もしもそれが拘束するタイプなのであれば、高速で動く特攻タイプのイユを失ってしまい、攻め込むチャンスを逃すのだと、シェイノは悟った。

こういう戦いの中では常に冷静に事を運ぶことが重要なのだ。

…しかし…。


(固有結界ならば、もう空間ができているはずよ…一体どういうことなの…?)


そう、本来の固有結界の構築は、段階を踏んでいくものであり、

1、空間調整

2、空間維持

3、空間創造

4、空間投影

と、この4つの工程を終えてようやく完成するものだが…


「…!!!ロシル!次元蛇穴を…!早く!」


「「今更気がついても遅いんだよ!」」


シェイノは、圧倒的なる絶望の声を荒々しくあげる。

気づいたのだ。

これは投影…そう、空間的なものを扱う固有結界ではなく・・・

単純なる召喚投影!


「いでよ、闇の皇帝!」


「いでよ、光の巨神兵!」


そこに現れたのは、大きな魔法陣が二つ。

そして、周囲が砂嵐に包まれる。


「シェイノ!…離れてろ…!!!」


俺は、現れた砂嵐の中に潜む影に…。

3年後の俺から受け取った"力"を使おうとする。

経験を自分に浴びせる事はできても、使った事すらないんだ。

見たことすらも。

だが…これしかないと、直感的にわかる。


「いくぞ!これが、俺の出せる本気の力だ!!!」


体中に風を纏い…そして


王者キング大嵐ビックストーム!!!!」


放った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ