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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第二章 ガレー
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第四十六話 真相

真相を知るのは、まだ早いよ。


「ケッ、言ってくれるぜ…やっぱし…ここで決着つけといてやるよ」


フフ、面白い。

流石”僕”だね!


俺は、グラムを構える。

これで・・・この世界の介入は最後にしたいな。


またあのスタンドガラスによって、七色に輝くヴァージンロードがある教会に俺たちはいた。

あいつの武器そのものは今は確認できないが、それこそ真に注意すべきものなのだろうと考える。

二度目って、案外早いんだな。


もう君は気が付いてしまったんだね。

今まで以上に早い。

…ああ、早い…いや


「早すぎたよ」


「完全完璧にわかったわけじゃない…けど、俺自身が…一度ここにいた事もわかった・・・お前は、”何人目”だ」


俺の考えがあたっているとするならば、こいつは俺自身、そして・・・ここは・・・。


「教えといてあげるよ、君が今いるここは、永続中枢世界装置…通称、輪廻回路ウロボロス


ウロ・・・ボロス・・・。

あのメリュジーヌが言ってた輪廻ってやつか


「この世界はメリュジーヌの理想だ、されど、お前が作り出した世界だ」


わけがわからない、要するに、俺がメリュジーヌの理想の世界を作り出した…?


「この輪廻回路は、要するに輸送装置なんだよ、それも・・・永久的に壊れないようにするために、作り上げたもの」


「今、俺がここを壊せば?」


俺は、その一言を、淡々と言った。

あいつの言葉通りなら、次の答えは、壊せない、いいや、壊せたとするのならば、それは一つの世界を破壊したに過ぎない。

要は、ここは一つじゃない。

そういうことだ。と。


「君の想像通り、壊せはしても、一つの世界を壊したに過ぎない、教えてあげよう、君は…一人じゃない、ロシル=フォートという名を受け継いだ言わば、僕自身でしかないんだ」


ロシル=フォート。

その名は、俺がノエルに与えられた英雄の名…。

この世界を創造したのが、俺自身とするなら・・・。


「お前は・・・誰だ」


「だから、僕は、君だ…生まれも育ちも、同じ世界で生まれた別々の存在…この世界は、パラレルワールドそのものなんだよ」


パラレルワールド・・・。

その中心に、俺やこいつがいて、その存在が・・・この世界を創造した・・・?


「信じられっかよ!てめぇが思い描く世界を、俺の信じるこの世界とおんなじにされてたまるか!」


「それが、単純なる背徳であると、何故わからないんだ!僕は、君の知ってる世界を歩んできた!その結果がこれだ!どうだ、世界はいかにシンプルに、かつ大胆に縮小された!この狭い教会が、この世界の全て、元祖なんだよ!」


俺は、もう話を聞くのはよして、グラムを構えた。

そして


「おい、よく聞けよ…この世界を、俺は信じてる、それにな…俺は、お前が気に食わない」


「だから、僕を…倒す、と?」


グラムを振るう


「もちのろんだ!」


おお振りの構え。

グラムを自分の背中あたりから大きく前振りをし、

次にその勢いを殺さずに振り上げ、そしてぐるりと回す。

その動きが、より早く動くように・・・。


「無意識の攻め、そして間合い取り…その全てが、僕と同じ」


そう、こいつもまた、グラムを同じように構えた。

それが、自分自身と瓜二つのように。


「君には、後…”3年”…月日が足りない」


そう言うと、俺の攻撃を全て…受け、


「そして、流す」


「なっ」


そう、そう、俺のおお振りを軽く鍔競り合いから弾き、俺の懐にグラムを叩き込む。

グラムは、俺の懐を軽く抉り、そして血を吸って、血しぶきをあげた。


「ぐぁっ…」


「グラムは、本来…剣を交える剣ではない…グラムは、こうやって使うんだよ!」


グラムが…めり込んで・・・来る・・・!

このままじゃあ、体が真っ二つだ。

俺は、自分の体に次元蛇穴を開けて、蛇に身を任せる。

すると、蛇は俺を包んで、蛇穴へ引き釣りこんでいく。


「次元蛇穴!」


そして、俺はそいつの後ろに蛇穴を広げ、そして攻撃を図るが、


「僕には、敵わないよ?言ったでしょ、”3年”の差があるんだって」


こいつは、そんな言葉を、何食わぬ顔で言った。

グラムを後ろに回し俺の攻撃を受け流す。

そして、俺の顔に…手を乗せ


「僕こそ、ロシル=フォートだ」


「な・・・っ」


”イールグ”と唱えた。

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