第四十二話 ロード・ウェイ
「ああ、そうか・・・オアシスでの発見は・・・それぐらいか」
「いいんじゃーないすかー?べっつにぃーウチらに関係ないっしょー?オリバー氏~?」
修復完了したフォーミル城には、イネーバ=ルシアス、オリバー=アルティーネが、帰国。
また、ロシル・シフォン・シェイノの帰りを待つノエルとラグナ。
そしてもうひとり・・・。
「イオナの言ってた、凄腕の魔術師がいるって・・・ここかな」
白い服に赤いラインが入ったズボンを履いた赤髪の男。
ロシルが、闇と戦っていた同時間。
その人物はやってきた。
「いやぁ~・・・7年の月日経ったけど、いるよねーつか、いろ」
「侵入者がいると聞いて見たんだがよーまさか、お前とはな・・・マオ」
マオ=リーディス・・・世界を震撼させた男・・・。
どす黒い性格な上に、おそらくはエドワードを除けば最強の輩だ・・・。
「オリバーさん、僕はあなたを傷つけたくはない、僕と共に来ることをオススメするよ」
「何言ってんだ・・・お前はここを抜けた身だ・・・檻に入ってもらう」
怖いねー怖い怖い、とマオは苦笑いする。
マオの能力は・・・
「残念だけど、それはできない・・・僕は、やるべきことがあるからな」
「なら・・・武力行使だ」
オリバーは、不安だったが、決心を固めていた。
己の力では、かなわぬ相手。
その相手の前に立って、少し怯えつつ、オリバーは自分のガトリングガンを構える。
「僕に歯向かうなんてね・・・教えてあげるよ・・・」
と、マオはこちらに、手を広げ、
「絶対領域」
と唱えた。
「終わったよ、ガリッツさん」
「ガッハハ!そうか!流石だぁ!」
と、いって俺の背中を思いっきり叩いてくる。
正直言って、痛い。
しかし、その親父っぽさを感じるものに、俺は・・・嬉しさを覚えていた。
「闇は、消えたか?小僧」
「ああ・・・今は、晴れてる」
「んじゃ、大丈夫だな…お前らに伝える事がある・・・ここ、フォーミルから、早く逃げろ」
ガリッツはそう言って、手紙を出した。
それにはこう書かれていた。
---我々、フォーミルは敵の手中に落ちたようだ---
そこだけを見て、俺は判断する。
「ノエルは・・・」
捕まった?あるいは・・・。
「行ってくる」
「待て、ノエルは・・・それを望んでねぇぞ」
「行く」
俺は、頑固なのだろうか、俺は一つそれを言うと、それを実行しようとしているのだ。
頑固以外の何者でもないかのような事。
しかし、今・・・それは必要なことなのだろうと、自分で判断している。
ノエル・・・!助ける!