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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第一章 フォーミル
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第二話 ロシル

「お嬢が戻られる…か」


「フフ、うれしそうね?」


「そうか?」


豪華なシャンデリアに、金の椅子…。

そして、ホワイトタイガーの皮膚で作られたシート…。

まるで、豪邸のようなそこは、分厚い本の本棚で囲まれていた。


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「しかし、ここは一体どこなんだ・・・」


「ここは…そうねぇ、強いて言うなら草原?」


「そんな事わかってるよ!」


一面に広がっている草原。

かつて、自分が記憶のある時に、ここにいたのか…?そんな疑問を自分にぶつけていた。

ノエルと名乗るこの魔術師はアテにできるのか…?

まあ、そんなたぐいを想像していた。


「…ところで、さっきの風…あれ、どうやったんだ?」


「え?ああ…‘イールグ‘ね」


彼女が、言葉と言葉の間に何かを発すると、風が手から目に見えるぐらいに激しく螺旋を描いた。


「それ、どうやるの?」


「これは、呪文スペルよ」


「呪文?なんだ、それ」


俺は、彼女にまとっている風をみつつ、彼女に質問をした。

回答としては、呪文は魔術師の根本にして、魔力源であり、それが魔術師の証明でもある。

とか、なんとか…俺には難しくてよくわからなかった。


「あ、ねぇ君…私の弟子にならない?」


「で、弟子?俺が?魔術師の?」


「そう、別にいいでしょ?」


「…」


彼女の目は、キラキラと輝き、若干俺よりも背の低い彼女は、上目で俺を見る。

それに耐えきれず、俺は目をそらすが、すぐに彼女はそれを追った。


「とりあえず、これから君は、魔術師の弟子…見習い魔術師として生きていくことにケッテー!」


「ちょ、ちょっとまてぇえええええ!!!」


こうして、俺は…見習い魔術師となった。


----------------------------------------------------


「とりあえず、聞きたいことがあるが…」


「なんだ?」


「俺をどうしてここへと呼んだ?」


そこには、二人の男がいた。

迷彩服をきた男。

軍事服を着た男。

そうして…後輪月下こうりんがっかと掲げられた旗。

後輪月下とは、一度後退し、敗北からの勝利を掲げる言わば、下克上のようなもの。

旗揚げは、これを上げるのだ。


「さて…どうしてだと思う?」


「…」


「ククク…」


迷彩服を着た男は、不気味笑いを溢した…。


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「たっだいまぁ~!」


そこは、二階建ての家。

広い草原にちょこんとある家。

まるで、砂漠の中のオアシスかのようである。


「まったく…なんて所に家建ててんだ…」


「おかえりなさい、ノエル…あら、その子は?」


「帰ったか、ノエル!」


扉を開けるとそこには、グルグルメガネをかけ、オカッパ頭の女性とボサボサ頭のスーツの男がいた。


「紹介しよう、この子は…えと…うん、ロシル!」


「おい、ちょ…」


「よろしく~ロシルくん」


「…お嬢、こいつ…」


俺は、色々と混乱していた。

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