第二十二話 ライエン
「ノエル、準備はいいか…?」
「…ええ」
俺とノエルは、宮殿内部に侵入していた。
シフォンを倒し、城の内部には警備がまったくなく、手薄な状況であったためか、いとも簡単に王の間にたどり着くことができた。
「…よくぞ、ここまでたどり着いたものだな…なあ、シェイノ…」
「あんたが、ラグナ…」
「ククク、下種が、我が名を呼ぶでない!ライエン!」
と、ラグナが言うと、嫌悪のラグナの顔の横から、砲台の先端が出てくる。
しかし、背後には仕掛けは一切ない。
そして、次々と兵器が出てくる。
「なっ…なんだよ…それ…」
「これが、私の能力だ」
俺たちは、次に小さな女の子を見る。
彼女がシェイノだろう…。
ノエルは、その子を見て、叫ぶ。
怒りがにじみ出ているのが明白な殺気を漂わせ、彼女へ怒声を吐く。
「あなたぁ!よくも、あたしん家を何回も何回も焼いてくれたわね!今日こそ許さないんだから!」
「…」
「ふん、身に覚えのない事だそうだぞ、我が妻よ」
「うっさい!私はあなたの妻になんかならないわ!これで、キッパリと縁を切らせていただくわ!」
「っんむ!?」
と言って、ノエルはいきなり俺の唇に、自分の唇を押し付けてきた。
いきなりの事で、不意を喰らい、少しぎこちない動きで体勢を立て直し、そして俺はノエルが倒れないように両手でノエルの肩を掴んで抑える。
「い、いいいいきなり何を!?」
「ふぅ…フフ、案外弱いのね~こういうの」
「ばっ…ばか言ってんじゃねぇよ!」
「…おい、そこの下種」
「…あぁ?」
いきなり人を下種扱いたぁいい度胸じゃないか…俺決めた。こいつ殴り飛ばす!
が、ラグナは、かなり怒っていたらしく
「チリとなって、私に懺悔せよ、下種がぁああああああああああああああああああああ!」
「くっ…うわっ!」
いきなりライエンで出てきた武器の発射口から無数の銃弾が飛んでくる。
それを俺はうまく足踏みしつつかわし、避けきれないものは、全て”グラム”で弾いている。
…段々と銃弾が見えるようになって、スローになっているのだ。
「遅いぜ…見える」
「下種風情がぁあああああああああ調子に乗るな!たかが、数発の弾を見切ったまでよ!シェイノ!焼け!焼き尽くせえええええええええ!」
「…了解」
シェイノが動く。
目がこちらへ向き、俺と目が合いそうになり、俺はスッと咄嗟にしゃがむと、背後には炎が出ていた。
「や…うそ…」
「…」
無表情でやってくれるじゃない…こいつ…。
「ノエル…俺、あの王をブッ飛ばす…あの娘、任せていいか?」
「…ええ、いいわあの娘にもちょっと用事あるからね」
そして、俺たちの戦いは再び始まった。
今回は、何故か更新が早いという…あとちょいで第一章も終わるので、ササッと終わらせたいというだけですw