第百二十三話 英雄と呼ばれた男
四カ国制圧を進めるため、ロクロブロンスはニホン国を使った。
それによって、ガレーが制圧された。
ガレーの戦力 百万をロクロブロンス軍に加わった。
ロクロブロンス軍 百五十万は、次にミシェールを狙っているようだ。
「六つの掟、破られてはいけない掟…」
「一人、一人が持つそれらを掲げる騎士~」
「それがボクら、六呈の騎士…ドルグレ王 直属部隊★」
「船は崩したが、あの場にいたやつらの生死は確認できてはいないんじゃな」
「ならば、我々が探し出す他ないんだよ」
「六呈を守りし者よ…さぁ、行くぞぉ?」
六呈の騎士・再始動。
今、ドルグレではパレードの真っ最中。
そんな中に一人の男がたどり着いていた。
「いつぶりか…ここへ来たのは…久しいな」
白い装束。
赤き鞘。
そして白銀の剣。
その姿を周囲の住民は、こう言った。
「騎士様だ!騎士様が来られたぞ!」
「税収にでもきやがったのか!?この祭りに、騎士様が来られるとは!」
「ふ、ふざけるなよ!ただでさえ、祭りの日のデモは禁止されてんだ!」
批判の嵐。
さて、彼はその姿を見て昔を思い出していた。
「…どちらにせよ、俺のやってきた事は間違いだったってわけだ」
そういい残し、鞘から剣を抜く。
「…報告にはなかったが…剣士がいるとは」
「六呈の騎士、か…肩慣らしには丁度いい…場所を変えようか」
六つの甲冑と一人の男はそこから姿を消した。
(---ドルグレ島 西方 グローブテナー ---)
ドルグレ島の西方に位置する荒野、グローブテナーに彼らはやってきた。
すぐさま、剣と剣が交わる音が響く。
だが、彼らの姿はない。
いいや、少なくともいるにはいるのだ。
キンッ!キンッ!
音だけが響く荒野。
だが
「ぐっ…なんて強さだよ!六対一だよ!?」
「ははっ、こりゃあ流石にふざけてる…」
「やる、ね・・・☆」
「これが伝説とは…わしらじゃあ役不足と言った所かの?」
「さぁて…どうすればいいか…」
「考えても始まらねぇ!やれるだけやる!」
六人の力を持ってしても、敵わないと理解した騎士たちは、
彼を何者か認知した。
「はぁ~、ったくおせぇな…グラム使うまでもない…拭え、ダーインスレイヴ」
ダーインスレイヴ。
それを抜いた時、生き血を吸い尽くすまで収まらぬと呼ばれ、
吸血の魔剣とも呼ばれている。
「あんなのも出すのか…」
剣の形こそ、レイピアのように細い。
だが、一振りすると
ブオンッ
という音を出して形を変える。
グネグネと変化するその剣はまるで生き物かのようだった。