第百二十二話 六呈の掟
突然だが、4つの国にあるそれぞれの兵隊について説明をしよう。
まず、フォーミル。
魔法という極めて珍しい物を扱う事に特化した国だ。
だが、内戦が多く魔術師と魔導師の間に亀裂がある。
魔導師・魔術師はそれぞれ別々の魔法を扱う。
魔導師は自分の武器を生み出し、
魔術師は自分の想像した物を生み出す。
では、魔法とはなんなのか?
その正体は、生命力を使った超能力。
その超能力も人工的に作られており、適応した者が今の魔導師や魔術師となっている。
そんなフォーミルの兵隊は魔導師部隊。
武力行使に特化した国王直属の護衛部隊だ。
時に戦略戦にも現れ、個々の強さは1つの軍隊レベルだともいわれている。
次に、ガレー。
軍艦島と呼ばれる機械に特化した国を建国した王クェイが支配する独裁国家だ。
クェイ以外に人間はおらず、代わりに人間を改造し作り上げられた機甲兵がいる。
彼らは魔法に弱く、フォーミルに劣る戦力だといわれているが、
その実魔法以外の面でフォーミルに圧倒的な強さを誇っている。
というのが、機甲兵には物理攻撃がほとんど効かない。
表面に薄い膜が張られており、それによって物理の衝撃を和らげている。
次に、ミシェール。
その国では男はいないとされている。
そして特化している技術は混血による能力変化。
能力変化には個人差があり、混血量によっても変化する。
吸血鬼とよばれた彼女らの強さは、底を知られておらず、
無限大の可能性を秘めた強さと言って間違いないだろう。
彼女らは兵隊を持たない。
その代わり、一人一人の強さが異常で、魔法・物理共に勝てる保障がない。
最後に、ドルグレ。
ドルグレは剣術に特化した国。
剣に関しては右に出る国はなく、騎士の国や剣士の国とも呼ばれていたりする。
そんなドルグレの兵隊は六呈の騎士。
六つの理を差し出した騎士たち。
彼らの強さは、剣術。
唯一無二のその剣術にだけに全てを捧げていた彼らはたった六人で一国を支えている。
これら四カ国を全て制圧する事が、ニホン国の役目だ。
「さぁて、あいつらがどう動くのか、見物だ…なぁ?ロシル?」
シブヤにいたロクロブロンスは、自らの力で平行世界にいたロシルをつれてきていた。
「ああ、俺が誰なのか、これでハッキリできる」
ロシルはロクロブロンスの言葉を鵜呑みにしていた。
「来い、アルバトロス」
双子の剣。
それらが風からロシルの手のひらに生まれた。
そして、飛び立った。
呪文、”エアル”だ。
「俺はこのままあいつらの所へ行く!お前はどうするんだ」
「フフ、まだ仕事があるんでね…そちらを終わらせるとする」
それを聞くとロシルは飛んでいった。
見届けたロクロブロンスは一人
「これで…四人。コトハ、ロシル、エドワード、そして…マオ。
平行世界にそれぞれいた四人を同じ世界線に集め、矛盾を生み出す…
矛盾によって引き起きたブラックホールでこの世界を…破壊する」
そう、それこそがロクロブロンスの真の目的。
コトハたちは未だそれに気がつかず…。
終わりは、刻一刻と迫っていた。