表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第五章 仮面侵攻
129/146

第百十七話 船上決戦

魔導師と騎士との戦い。

その戦いは、熾烈を極めた。


「プライヴァス、諦めろ…お前は血を流しすぎた」


力の出せないプライヴァス。

その隣で、コトハは先ほどの騎士と対峙する。


「このままじゃあ、船が耐えられねぇ!」


「くそっ、沈没するってのか!銃を持て!応戦するんだ!」


他の船員も、戦いに加勢しようとするが、


「邪魔は、させないよん★」


銃を持った船員の体が海へと吹き飛ばされる。


「うわあぁぁあ!なんだ、てめぇ!どっから現れた!」


そいつは、船員たちの気がつかぬ間に彼らの銃を奪い取り、全て海へと捨てた。


「これで、フォーミル軍の先鋭隊とやらは戦力を失ったっ★」


銃を奪われ、船員たちは慌てた。

が、そこで一人銃を奪った者へ立ち向かう船員が一人。


「ドルグレの騎士だろうが、なんだろうが知ったこっちゃあねぇ!相手は人間だぞ!俺たちだって人間だ!

やれない事はない!まずは戦ってから判断しろ!」


その言葉に、船員たちは我を取り戻す。

そして…


「行くぞ!」


船員たちが立ち上がる。

武器もなしに、彼らはただ突進し、そして


「フフ、騎士に丸腰…そんなにボクに殺されたいんだね!いいよ、全員丸焼きだ」


船員たちの背後から、巨大な火球が襲い掛かる。


その火球を激しい光が弾き返す。


「ボクを忘れないでほしいな?ここからは、ボクも加勢するよ」


その光を出したのは、シェイノだった。

シェイノの片目が黄金に光っている。


「一人称が被って、わかりづらいんだよん!★」


「それは、こっちのセリフ」


互いの間にいる船員たちが見守る中、彼らの頭上で炎の戦いは続く。


「こ、こいつぁ俺たちの手には負えねぇ!一旦任せるぞ!」


「言われなくとも、それでいいよ」


シェイノは、目の力をフルに活用して応戦するが、

騎士には余裕があるようだ。


「なあ、名前を教えてくれよ、お嬢さん」


「…名前を名乗るなら、まず自分からじゃないの?」


と、冷たく返す。

騎士は微笑み


「ジェスター…皆は、ボクをそう呼ぶよ★」


「道化師…そう、ボクはシェイノ・チャル」


互いの力は互角と言ったところだろうか。

だが、ここまで炎の戦いがあっている中、船はというと


「あんのバカ野郎共!船の上だっつうのに、あんなに火を撒き散らしてたら、この船が…あ!」


火が燃え広がって、帆が焼け焦げていった。

当然、船の上にも炎が燃え広がり、段々と崩れていく。


「足場が悪い!ここは海へ逃げ込むぞ!」


「ちぃ!シェイノ!」


コトハはシェイノの方を見る。

シェイノは、目の前の敵ジェスターと対峙したままだ。

コトハの声も聞こえていないように思えた。


そして、後頭部に何かが当たり、そこから世界が視界から消えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ