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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第五章 仮面侵攻
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第百十三話 ヤギ

「今のお前を殺す価値などない、僕に大人しく従え」


「黙れ…誰がお前なんかを…!」


俺はグラムを投げつける。

が、バルディッシュで軽く弾かれる。


「まだわからねぇか?僕に敵うわけないだろう」


「甘ったれてるんじゃない!」


と、突如としてロクロブロンスの仮面付近から蒼い炎が現れた。


「くっ」


「あの炎…シェイノか!?」


「隊長格を守るのが、下っ端に役目でしょうが!あんたはそれを忘れたっていうんじゃないでしょうね!」


「っうっせ、俺はやる…あいつを、ここで…止める!」


シェイノだった。

シェイノが背後から現れ、そして俺の隣へ来る。


「ぐっ…この炎…左目エンプレス鐘猫キャットアイか」


左目の鐘猫…。

その実は、蒼き炎で悪しき魂を焼き尽くす。

仮面は悪の根源だ。

その魂を焼けば、あの肉体にボロが出るはず。


「魔術師の呪文の前に、そんなチャチな攻撃が食らうなんて、思っちゃいねぇよなぁ?」


急接近してきたロクロブロンス。

仮面についた炎は既に消えていた。

そして、シェイノを吸収しようと手を出すが…。


「それは僕には効かないよ」


仮面が吸収しようとするが、シェイノには本当に効かないらしく、吸収するどころか、はじき飛ばされていった。


「なっにっ!」


「女帝をあまり舐めない方がいいよ?」


「そうだな…僕もそろそろ本気を出してやろうと思い始めたぞ」


ロクロブロンスは仮面でない方の顔に手を被せ払う。

すると、そちらの方も仮面となり、顔全体がヤギとなった。


「メェェ…」


「なんだよ…あいつ…!今…今、仮面を半分被っただけで…数倍も力をあげちゃったわけ!?」


と、タタンッと足で地面を蹴って、一気に接近してくる。

もう人と呼べる程の速度ではない。

動物的な速度…人が見て行動に移そうとして、間に合わない程だ。


「うっ」


まず、シェイノが吹き飛ばされ、次に俺に向かってくる。

それをまともに受け、俺も吹き飛ぶ。


「ぐはっ…」


二人掛かりでどうにかなるもんじゃ…ねぇぞ…これ。


「メェェ...」


と、俺たちをそれぞれ見てその場から去った。

逃げた…?

今、殺せたはずだ…どういう事だ…。


「わからない…どうして…逃げたの…?」


「そりゃ、不可視の魔法かけたからじゃねーの」


と、いう声の主は…プライヴァイス=ノイスクランチ。

サボリ癖のあるシフォンの兄だ。

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