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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第四章 二週目フォーミル
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第九十二話 グラム

投稿遅れて申し訳ない。

街は、化け物が攻めてきて、崩壊の一途を辿っていた。


「さて…お仕事だ、おいエイピロ、逃がすなよ」


「ああ、任せてもらおう…」


エイピロは一瞬で消えた。

もう化け物の所へ向かったのだろう。

シフォンは腕を振るう。

すると、その手にはいつの間にか槍が握られていた。


「俺たちも行く、アナザー…おそらくだが、奴もいる」


「ああ・・・わかってるつもりだ・・・シフォン、俺は俺の分身を潰して、俺は奴の名を継ぐ

それが、俺の最初の目標だ」


こうして、俺たちは、防衛へと向かった。


(--- 城下街 ---)


街の影に隠れた場所で、一人不適に微笑む人物がいた。


「…さて、はじめましょうか…輪廻ウロボロス輪舞曲ロンドを!」


その人物は、手のひらを自分に甲が見えるように前へ突き出した。

キラキラと光る粉が、地に着く瞬間、そこに光の柱が生まれ、

魔方陣が描かれる。

紫色の眩い光が、歩く民を襲い、直後その周辺の建物は崩れ始める。


「あっはは!全部ぶっ壊しちゃえ!」


その人物は、闇に消える。

そして、その場所もまた崩壊する。

それからエイピロがそこへ到着する。


「…確かにそこに気配がしたんだが…一足遅かったか…ったく、面倒なもの残してよ…

ここは、アレ使うしかねぇよな?来い、グラム!」


エイピロは手を横へ振るう。

直後、その周囲は渦を巻くように風が巻き上がる。

そして、いつの間にか、エイピロの手には剣が握られていた。


エイピロの足元に大きく影ができる。

頭上には、巨大な足が迫っていた。

それを先ほど出したグラムで受ける。


「この程度か、モード:ツヴァイ・アクセル!」


そう発した後、グラムは突如として煙を噴射し始め、巨大な足を押しのけてしまう。

そして形状を変えたグラム…剣の形が、先ほどよりも開けたと言ったほうが良いだろうか、

鍔から切り先にかけてまでが四つに分かれ、渦を巻いているようになっている。

それがグルグルと回っている。

風がそこに吸い込まれるように流れていく。


押しのけられた巨大な足の持ち主は、そのまま周辺の建物を崩しながら倒れる。

20m程度のそれは、驚き足元を見る。

そこには、真っ直ぐに巨人に刃先を向けるエイピロがいた。

腰を下げ、グラムを握った手を後ろのほうへとやり、勢いをつけるように


「おうおう、そんな所に寝てるからよぉ、通行人の邪魔になってんじゃねーか

こりゃ、お仕置きが必要だよな?」


突いた。

ほとんど一瞬の出来事だった。

残ったのは風だけ。

もう巨人の姿もない。

粉々になったその街の一部。

真っ直ぐに空いたその大きな玉でも転がったようにできた線以外。


「…このエドワード=フォートを前にしたよぉ、

台風、暴風注意ってな、よく言ったもんだよなぁ?

てめぇが怠ったのはそれだったわけだ…メリュジーヌ」


これは、闇に逃げたあの人物に向けて言っているのだ。

エドワード=フォート。

それが、エイピロの正体。

外見こそ、エドワードのそれではないが、

魂はエドワードだ。


そして、エドワードの横に、黒い空間が開き、そこから現れた

赤い服に黒い線が入った暑苦しい服を着た女だった。


「へぇ、エドワードさんが私に逆らう世界線があったなんてね」


「このエドワード=フォートをそう易々と操れると思ったか?」


エドワードは、グラムを向ける。

メリュジーヌは、それを見て微笑む。


「面白い世界線だわ…実に面白い…今日はこの辺で下がるとするわ」


「逃がすわけにゃあいかねぇ…牢屋に入ってもらうぜ」


エドワードはグラムを大きく振るう。

しかし、メリュジーヌは体勢を低くしてかわす。

次にエドワードは手のひらをメリュジーヌに向ける。

そこに風の渦ができていく。


メリュジーヌは、エドワードに足払いをかけ、エドワードは体勢を崩す。


「残念、やっぱり私の勝ちね」


「いや、俺の勝ちだな、シフォン!今だ!」


「なに!?」


エドワードは、そう声をかける。

すると、どこからか鎌が飛んできて、それが回転しながらメリュジーヌの体を押しのける。

丁度メリュジーヌが壁にたたきつけられた所で、シフォンとアナザーがやってきた。


「おいおい、こりゃあどういう状況だ」


まず口を開いたのはシフォンだ。

街はかなり崩壊しており、元の原型もわからぬ程だった。


「なんつったって、こりゃあ見たとおりさ」


そう、答えた。

エドワード、シフォン、アナザーの三人は、メリュジーヌを見る。

だが、そこには何匹もの蛇が蠢いただけだった。

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