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見習い魔術師の100の呪文  作者: ユキカゴ
第四章 二週目フォーミル
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第九十一話 アナザー

街に蔓延る事件があった。

化け物を召還させ、街を荒らすというものだ。

その事件に、いつもいる影。

それが赤いフードを着た人物。

大魔術師 ノエル=フォート。

それが正体といわれている。

王家親衛隊と呼ばれるフォーミル最強部隊。

筆頭 シフォン=ノイスクランチ。

彼の元に身を引き取られ、俺はフォーミル軍服を着ている。

…というのも、事情聴取も兼ねて、だ。

シフォンは赤いフードを着た人物を追っている。

そこで、偶然居合わせたこの被害者である俺にどこへ向かったのか、

などの事を聞こうというのだろう。


「それで、おめぇ…あの魔術師と、どういう関係だ?」


ここは、フォーミル城地下の尋問室。

そこで俺は質問攻めにあっていた。


「俺は、街の外から来て、ここへ偶然たどりついた旅人だ…ここの街の事は知らないし、

第一にその赤いフードの人も知らない」


「…証言者、黙秘…と…どうしやすー?こいつ、殺っちゃいます?」


奥でスープをすする男はそういった。

えらく整った髪に、灰色の紳士服に、白いカッターシャツが見えた。

ネクタイもしており、それこそビジネスマンというのがお似合いだった。

そいつが…あぁーなんだって?殺っちゃいます?なんて言い出したらそりゃあ…


「なんでだ!俺がなんかしたかよ!?」


と叫ぶ俺。

当たり前だ。

俺はいきなり気絶させられ、そいつに関わっている~なんて事を言われて、

無実の罪を着せられて存在を消されるわけだ。

生存戦略開始しちゃうわけだ。


「あぁー・・・それはまずいだろぉ…はぁ、おめぇ確かこの街の事、知らないって言ったな?」


と、俺にさっきから問いかけてくるオーバーヘッドのヤンキーな男が言ってきたので、


「あぁ、知らない…そもそも、記憶がないんだ、自分の名前も」


と、返す。


「そうか…とりあえず、被害者Aって言うのもなんかちげーからよ?なんかいい名前でもつけてやるよ」


そういって、最初は”被害者A略してヒーエー”なんていうネーミングセンス皆無な事を言ってきやがった。

ふざけんなって返したら、今度は”加害者Aの被害者A略してAA”なんて返してきやがったから、

人の名前にしろってつっこんだ。


そして、最後に決まったのは


「んー・・・じゃあ、お前は、”アナザー”だ、意味はもう一つとかそういう意味だが、

何せこの世界で、お前そっくりな奴もいるし…な」


俺そっくり?

なんだそりゃ?

と、思った。

だけど


「わかった、それでいい…俺は”アナザー”だ」


そういった。

だって、これ以上ひどい名前は嫌だったしな。

…それに、その俺そっくりと同じ名前ってのも、なんかムカつく。


「おし、アナザー…まずは、おめぇがいう潔白の証明をする…お前は本当に記憶喪失なのか、否か」


「だからわかんねぇよ!元々俺自身おきたら、草原にいた…その後、宛もなく歩いていたら、土の化け物に…」


そこで、俺は言葉を発するのを止めた。

土の化け物…いや、それを俺は”ゴーレム”という名である事を知っている。

なんだ…?

それは…


「ん?どうした?土の化け物にどうされた」


「襲われた 少なくとも、敵意は最初からあったんだ…俺は本能のままにこの剣を振り回した…けど、意味なく、俺は間一髪になって、その土の化け物をよじ登って抜け、助かったんだ」


普通に考えたら、どう思うのだろうか?

土の化け物 というだけでもなんだか違う気もする。

…なんだろう。

俺、もしかして…ば…


「そうかぁ・・・お前・・・災難だったなぁ・・・」


案外信じてくれてる!!

これ、いける!?


「・・・先輩、土の化け物っていうとやっぱり・・・」


「だろうなぁ…こりゃあノエル=フォートが関わってるな」


大魔術師。

名前出てきたな。

名前だけ聞くと、そんな化け物なんて軽々しく出しそうだな。


と、そんな時


「ま、まただ!シフォン!また街に化け物が現れた!」


「またか…行くぞ、エイピロ!…お前はどうする?アナザー」


どうする?

いや、ここにいても仕方ないだろう。

俺が言って、役に立たない。


「行く」


「男はそうでなくちゃな、行くぞ…!」


シフォン、エイピロ、俺は、化け物退治に、一度城を出た。

アナザー:太刀という武器を使う。

     容姿そっくりな男がいて、その”もう一人”という事から

     名前の由来が着ている

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