第八十九話 土の化け物
俺は歩み、そして…そこで街と思える場所が見える位置まできた。
「街だ!」
俺はすぐさま駆けた。
…だが
直後、俺は何かによって吹き飛ばされた。
それを宙返りして体制を立て直す。
…なんだ、この身軽な…経験を得て動いたような…
感覚とも言うべき何かにしたがって動いた結果、こうなった。
「な、なんだ…こいつ…」
そこに現れたのは…土の体をした化け物だ。
もう、そうとしか説明がつかず、俺はただ逃げようと後ろを見る。
すると、既にそこにも土の化け物が迫っており、
俺は何か対策はないかと模索した。
と、そこで手に持っていた片方にしか刃がない剣を振り回す。
だが、それに動じず化け物は迫る。
最初は2体だけだったが、気がつけば6,7…と増えてきている。
「万事休す…か、くそ…なんなんだよぉおおおお!」
俺は…叫んだ…直後、
一筋の風が吹く。
それは段々と強く吹き…
そして、土の化け物は徐々に崩れていく。
「な、なんだ!?風!?」
土でできたこいつらは、風に体を飛ばされる。
そうだ、脆いんだ、こいつらの体は!
俺は先ほどの自分の身体能力を信じて、こいつらの体を踏みつけてこいつらの肩まで昇り、
そこから向こう側へと行って、包囲網を抜けてやる!
脆い体のこいつらは、おそらく踏みつけるとすぐにそこが沈んでしまうだろうが、一歩あればどうにかなるはずだ。
俺はすぐに体を動かして、地面を大きく踏みつけて飛んだ。
その時だ。
俺は土の化け物を越えようと思って飛んだのが予想外に飛び、そのまま余裕で
土の化け物を超えてしまった。
「嘘だろ!?俺、どんだけ跳躍力あんだよ!」
飛び、そして回転して着地する。
後ろにはこちらを見る土の化け物。
俺は…あの風を手のひらに包もうとする。
すると、そこに風が集まり…
「これは…」
風の球体ができあがる。
かなりの圧縮度だ。
俺はそれを土の化け物に放つようにして手を広げる。
すると、ものすごい勢いで風が放出され、そこの直線は、まるで何か大きなものが通ったように、
草が倒れ、土が撒き散らされていた。
「はぁ…はぁ…や、やった…やってやったぞ!」
俺は言い放つ。
そして俺は街のほうへ向き歩こうとした時、くらっと目眩がして倒れた。