番外編3
『出所したらなんか奢ってやるよ』
あの約束から五年
俺は22歳になった
「井上行くぞ!!」
武田さんは警部に昇進した
芝さんはついこの間引退したんだ
『はい!!』
僕はあの事件をきっかけに刑事になった…
まだ巡査だけどね
急いで車に乗り込むが
『どこに行くんですか?』
と聞くと
「君の約束を果しにだよ」
数十分車を走らせると刑務所に付いた
そこには
昔より少しだけ短くなった銀色が輝いていた
『銀士!!』
「燐騎」
『今日だったのか』
「あぁ…元気だったかい?」
『あぁ…当たり前さ』
たわいも無い話を続けていると
「銀士くん君にお願いがあるんだ」
と武田刑事
「燐騎クンは本日付で巡査部長になる。そこで君に巡査として燐騎クンを支えて欲しいんだ」
『「えぇーー」』
俺が巡査部長!?
銀士が巡査!?
「僕がなってもいいんですか?」
銀士は落ち着きを取り戻したかのように武田さんに聞いた
「大丈夫だよ…燐騎くんと相棒になれるのは君だけだと芝さんがよく言ってたから」
芝さんがそんなことを
「いやなら断ってもいいんだ…君の好きなようにしなさい」
後ろから聞こえてきたのは芝さんの声
「いえ喜んで受けさしていただきます」
『よろしくな!!相棒』
「うん!!」
熱く握手を交わし
俺のよく行く居酒屋で
銀士と話し込んだ
刑務所はどうだったかとか
警察学校はどうだったかとか
お互いに知らないことは全部しゃべった
『やっぱお前を待ってて正解だったな…お帰り銀士』
と言うといつか見た悲しそうな笑顔ではなく
明るい笑顔で
「ただいま、燐斗」
と入った
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ー数年後ー
「燐騎一丁目で殺人だ」
『よし!!行くぞ銀士』
駆け出した二人の背中を見ながら
「あいつら若いのにスピード出世したんだとよ」
「へぇーなんで?」
「なんでも、上が生きず待ってた難解な事件をすらすら解決しちまったらしいぜ」
「まじで」
「まじ!まじ!それにうわさではあの武田さんと知り合いらしいぜ」
「うそだろ!?いまや所長にまで上り詰めた刑事の鏡といわれるあの武田さんと!?」
とある部署の人が喋っていると
「俺がどうかしたか?」
と武田さんが登場
「所長!?」
「あ、あの1課にいる井上 燐騎と櫻田 銀士と知り合いってほんとうですか?」
ときく
「あぁ…もう何年になるかな…」
その言葉にうわさが本物だと知り
「こね?」
と一人が呟くと
「そんな馬鹿げた事言う暇在ったら仕事をしろ」
といわれた
『あっ!!ちょうどいいところに居た。武田さんじゃないや所長』
「今までどうりでいいと言ってるだろう」
その会話にさっきまで喋ってた二人は黙り込んだ
「それよりどうしたんだい?」
『あぁ…上司に言っても俺の話なんて聞かないから、飛ばして報告書もってきた…事件は解決犯人は自主していま銀士が取調べしてる。ま、間違いないよ』
報告書をさしだして
『じゃまた今度』
とさらうとする井上を武田さんは止めた
「君の上司は今警部補だったね」
『はい』
「よし今日から君は警部だ」
『えぇーー!!』
「武田さんそんなんでいいんですか?」
といいながら部屋にはいってきた
『銀士』
「確かに上司が僕たちの話を聞いてくれないせいで解決が先送りになるのはいやですけど」
「だったらいいじゃないか。所長命令だ。井上 燐騎は本日付で警部とし櫻田 銀士は警部補と昇進だ」
『二階級昇進って殉職じゃないんだから』
「異論は?」
『「いいえ、その命ありがたく受けさしていただきます」』
この声に小さく笑った武田さんは部屋に帰っていった
そして、燐騎と銀士の相棒は次々と難事件を解決する刑事となった。
『銀士事件だ!!行くぞ』
「おう」
(END)