悪魔の黒笑み<ほほえみ>
この歯車はもう誰にも止められぬ…
俺は手に持っていたナイフを持ち直し
そいつは懐から刀を取り出した
「君達じゃ僕には勝てないよ」
坂井さんが指を鳴らすと数十人の部下が出てきた
俺が殺すべきは
『…はっ部下に何でもかんでもやらせて自分では何にも出来ないんだな…あんた』
馬鹿にするように鼻で笑う
「んだぁ?」
と怒るそいつに
『そうだろ?殺しは銀の化身にやらせて、段取りは部下にやらせる。自分では何も出来ない証拠じゃないか』
「うるせぇ!!やっちまえ!!」
と言うこえに部下は一人も動かなかった
「…はっ…ハハハハっ」
銀の化身は馬鹿にしたように爆笑していた
『部下はもうお前の道具にはなりたくないみたいだな?さぁ…これで形勢逆転したみたいだ…どうする坂井さん?いや、白の悪魔のボス 坂井 努!!』
その声と共に芝刑事が入ってくる
連絡入れといてよかったよ
「燐騎くんやめなさい!!ここでそいつを殺したら君だって、殺人者だぞ!!」
と武田刑事
『…殺人者…どうせ俺は堕天使…そこまで落ちぶれるのも良いかも知れない』
銀の化身と同じ所まで落ちるのも悪くないかも
「復讐を望んでいたのか!?君の家族は!?」
と芝さん
『復讐?はっ…俺はそんな物のためにこんな馬鹿げた事しない…これはおれ自身が決めた事…俺のエゴだ』
片手に光るそれを見つめて呟くように言った
『父さんも母さんも和兄だって…俺がこんなことするなんて思ってないさ…俺が一番の裏切り者さ』
と言うと
「君に人が殺せるとは思わないけどね…」
そう小さく呟いたのは銀の化身
こいつから出た声はとても柔らかく、優しかった
今まで聞いた事ないほどに人に近い声だった
「君の家族を殺した張本人である僕を殺せない君が…こいつを殺せるのかい?」
と聞く
『……たぶん…出来ない…俺は弱虫で、家族の死から一度目をそむけようとした…いや、今だって受け止めれていないさ…家族は殺され、犯人は自分とあまり代わらないような奴で、ボスは知り合いで…こんなドラマみたいな話が今俺の目の前で繰り広げられてる事さえ…信じきれていないんだ』
と言う
「僕も…同じなのかもしれない…組織の情報を持ちすぎた君は…僕とって邪魔でしかないのに…」
と言うそいつの後ろでは坂井が俺をにらんでいた
『分かったろ?俺はあいにく…お前のような奴を殺してまで…殺人者になるつもりは…はなっから無い…』
と言うと
「貴様…!?」
坂井は腰の拳銃を出し引き金を引いた
銃声と共に赤いものが俺の視界を包んだ
えっと…次ぐらいで終われたらと思っております。