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万年Cランクのおっさん冒険者、伝説の成り上がり~がきんちょを拾っただけなのに……~  作者: 赤坂しぐれ
第二章 Cランクのおっさん、親になる

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第一章&第二章 登場人物紹介

登場人物の紹介を軽く(一万二千字)しておきます。

ネタバレも含みますので、本編を読んだ後に見てね。また、本編では登場しないかもしれない背景など、補足も含みます。


【人物紹介】


 グレン

 本作の主人公の一人。第二章現在の年齢は三十八才。独身。

 サースフライの街で冒険者をしている、中年男性。冒険者ランクはもう十年以上Cランクのままであり、今後もランクが上がることはないだろうと、自他共に認める凡人。

 使える特技は身体強化と、属性魔術。属性魔術は熱に関する魔術と、水分に関する魔術、風の魔術の三つ。三属性持ちは結構珍しいのだが、如何せん魔力の底が低いグレンには持て余すものであり、基本的に火を灯したり水を出すことくらいにしか使わない。

 他の世界から転生してきた存在で、『内藤 貴史』という名の前世では幼児向け玩具メーカーに勤めていた。その営業で訪れていた児童養護施設『あすなろ園』で、建物火災に遭遇。避難中に交流のあった子ども達を発見し、逃がそうとするも共に最期を迎えた。享年三十二才。その記憶のせいで、子どもと接することにトラウマを持っていたが、ソアラとの出会いや、チルとの関わりからある程度大丈夫なようになってきた。

 『神の目』との戦いで、喪っていた記憶の一部を取り戻し、重大なナニかを忘れていることに気がつく。



 チル

 本作の主人公の一人。第二章現在の年齢は四才(自称)。

 ボルティモア大森林の奥地で暮らしていたが、異例の猛暑の為に森の浅い場所にやってきたところ、グレンと出会う。本人も何故かはわからないが、グレンと共に行きたいと本能的に感じ、行動を共にすることにした。

 自分が何故森の奥に居たのかや、どうして言葉(共用言語)を話せるかなど、まったくわかっていない。物心ついたときには、既に森で自由に生きていたので、本当の親のことなどもわからない。

 不思議な能力をもっており、魔術は使えないものの探索の魔術の様なものを使い(第十五話)、森で生きる生き物と話す事が出来る(第十話、十五話)。

 前世では自動養護施設『あすなろ園』に預けられた赤子の『日向 八千留』という女の子。まだ施設に入所したばかりであったが、他の子どもたちから可愛がられ、一番下の妹だと宝物の様に愛されていた。

 ちょうど施設に来たのが貴史が初めて『あすなろ園』に営業で訪れた時で、その縁もあって貴史は八千留のことを人一倍可愛がっていたこともあった。が、それは八千留にとって記憶として残ってはいない。


 ただ、その温もりだけは、魂に刻まれていた。



 ソアラ

 サースフライの宿屋『もみの木の小枝』の看板娘。第二章時点での年齢は二十才。

 父譲りの柔らかな癖毛のあるブロンドの髪に、母譲りの碧の瞳を持つ本作のヒロイン。おっぱいがおっきい。

 肝っ玉母さんな母親マーサとは似ずに、物腰が柔らかく、愛想の良い接客で人々を魅了する。彼女目当てに『もみの木の小枝』に泊まりにくる客は少なくない。彼女の人気は同年代の若い男衆では絶大なものであり、『君の為なら死ねる』と本気で思っている野郎は、一人二人ではない。

 ただ、彼女の目線の先は常にグレンがあることはもはや衆知の事実であり、ワンチャンスもねえよと諦めている者がほとんどだ(一部、それでも良いと慕う者もいるが)。

 五才の頃、父親が宿で使う布団の仕入れをする為と、近くの街に馬車で向かっていたところ、荷物に紛れて乗り込んで一緒に隣街まで出掛けていた。当然発見され、仕方がないと直ぐに父がサースフライへと馬車を走らせていたところ、強盗に遇い父を目の前で失った。ソアラ自身もあわや殺されそうになった所を、巡回の衛兵と偶然駆り出されたが駆け出し冒険者が駆けつけてなんとか命は助かった。しかし、自分が荷物に潜り込まなければ、父は急いで馬車を走らせず、強盗にもあわなかったのではいか?という自責の念も含め、ストレスによって塞ぎ込んでしまい、言葉も出なくなってしまった。

 そんな時に、サースフライを訪れたグレンと出会い、運命が回り始めたのであった。



 クリフ

 サースフライの冒険者。第二章時点では四十才。

 グレンの飲み友であり、冒険者仲間であり、変な事をする悪友である。実はグレンよりも長く、二十年ほど冒険者をやっているが、ずっとCランクであり、グレンと共にサースフライ冒険者の万年Cランクの名で呼ばれる。なお、本編に出てきていないが、彼らよりもCランク歴が長い者は数名存在する。

 なによりも酒を飲む事が生き甲斐であり、酒がもしもこの世から消えれば、彼は一瞬の迷いもなく自害するだろう。それほどまでに酒をこよなく愛する彼だが、そんな彼を神は祝福したかったようで、強靭な肝臓を持っている。が、それでも酔いつぶれるほどに飲んでしまうので、常に金欠状態であり、たまに変な仕事を掴んでしまってトラブルになることもある。

 そんな彼だが、グレンがまだサースフライに来たばかりの頃は、期待された若手冒険者と呼ばれていた。いまでこそ頭頂部は焼け野原になっているが、その頃はふっさふさであり、いまの酒太りでは考えられない程均整のとれた体格と、甘いマスクで人気があった。まぁなんやかんやあって、いまのクリフになっているので、人生とはそんなものなのだろう。諸行無常。

 特技は属性魔術で、熱の魔術を得意とする。その妙技は高ランク冒険者に比毛をとらないが、如何せん真面目さが足りないので、どうにもならない。真面目に上を目指せばBはいけたんじゃないか?とも言われるが、彼からすれば酒をのむ事と悪友と遊ぶこと以上の価値を見いだせなかったらしい。

 美人な妹がいる。



 マーサ

 サースフライの宿屋『もみの木の小枝』の女主人。夫を亡くし、女手ひとつでソアラを育てながら、長年宿屋を続けてきた肝っ玉母さん。第二章時点での年齢は三十七才。

 その料理の腕前はサースフライでも評判であり、宿屋に併設されている食堂のみを利用する客も多い。

 いまでこそ、豪快に笑い飛ばしながら店を経営する彼女だが、夫を喪い、娘が言葉を失った時は流石にどうすればいいのかと、途方にくれていた。

 しかし、そこに現れた冒険者が、不器用にも娘の事をなんとか笑わせようと、沢山の失敗をしながらも諦めない姿に心うたれ、一念発起。いまではサースフライでも有名な宿屋の主人として、客の心と腹を満たしている。

 得意料理はチャーハンとモツ煮込み。グレン曰く、モツ煮込みのクォリティは前世を越えるとか。



 シスター・アンナ

 サースフライの聖アグリア教教会でシスターを勤める、元Aランク冒険者。第二章時点の年齢は「余計なお世話だよ!!」才。

 幼少期に突然、異能力──『スキル』と呼ばれるモノが発言し、それまでの平和で平凡な人生を失った。スキルは神から賜りしモノであり、それ自体は祝されるものである。しかし、アンナに発現したスキルは、人の心の内を読めるモノ。歳を重ね、訓練を重ねることで、いまではある程度制御できているスキルだったが、発現した当時は近くに居る者の心の声を、無自覚に拾ってしまい、その内に秘めたるモノ……他人には決してひけらかさない部分を感じとってしまい、心を病んでしまった。

 そんな彼女は、幸運にも魔力を人よりも多くもち、身体能力にも優れていたことから、人里離れた山の中で一人過ごしていた。そこで鍛えられた彼女は、いつしかスキルも制御出来るようになり、久しぶりに人里に降りて冒険者となった。

 だが、それでも心を読むスキルは完全に防ぐことは出来ない。そんな時、酒を飲むことで、酔うことで完全に塞ぐことが出来ることに気がついた彼女は、それ以降ずっと酒を手放すことなく、いまの生活を続けている。

 何故、彼女が冒険者をやめて、シスターになったのか。それは、また後のお話で。



【冒険者関連】


 オルセン・グランベル

 元Aランク冒険者で、現サースフライ冒険者ギルド事務長。第二章時点での年齢は六十三才。

 名前に名字を持つのは、かつてその活躍を称賛され、貴族から身分を保証してもらった名残である。

 かつては【破顔のオルセン】という二つ名で呼ばれていた凄腕冒険者であり、丸太の様に太い腕から繰り出される格闘術は、魔物の強固な守りを打ち砕いて倒す。ククル王国とは別の国の出身で、そこで冒険者となった為、グレン達のような生活のための冒険者ではなく、バリバリ魔物を倒したり遺跡を踏破する、まさに冒険をする者である。

 若い頃に同じく冒険者として組んでいた女性と結婚をし、三人の子どもがいる。三人とも既にそれぞれ家庭を持っているが、まだ孫の顔が見れていない。そのせいか、グレンが連れてくるチルを孫の様に接している節がある。

 特技は剛砕破顔拳という格闘術で、その継承者。魔力をもって相手を撃ち、内部から破壊する必殺の拳である。

 なお、シスター・アンナとは知古の仲であるが、苦手意識を持っている。



 シンシア

 サースフライ冒険者ギルドの受付嬢。第二章時点の年齢は二十才。

 十五才の成人になってから、受付嬢として働いている。歳の離れた妹がおり、ギルドを訪れたチルとよく遊んでいる姿が見られる。夏に咲く花の様に明るい笑顔が特徴的で、冒険者からの人気も高い。結婚間近であり、時々街で恋人と歩いているのを目撃されるが、それでも言い寄ってくる冒険者は少なくないとか。



 ルーシア

 サースフライの冒険者ギルドの受付嬢長。二章時点の年齢は三十才。二児の母親。

 常に朗らかな笑顔を浮かべ、聞くものに安らぎを与える声と、その母性(おっぱい)に脳を焼かれた冒険者は数知れず。多少無茶な報酬の、しょっぱい塩漬け依頼でも、彼女に頼まれると受けてしまうのは、もはや仕方のないことである。

 冒険者が選ぶ嫁にしたい受付嬢No.1に十年連続受賞しており、その人気は男女問わず高い。ただ、そんな彼女でもAランク冒険者のロンドグレは少し苦手らしい。



 アルトリオ・バーベンガー

 元Aランク冒険者で、現サースフライ冒険者ギルドマスター。第二章時点の年齢は六十一才。

 ククル王国の王都出身の冒険者であり、その腕はオルセンに優らずとも劣らないと言われる凄腕冒険者だった。怪我を理由に引退し、実家の雑貨店でも受け継ぐかと考えていたが、丁度サースフライの前ギルドマスターが引退するということで、後進育成の為にギルドマスターとなった。

 バーベンガーはその際に、受け取った姓であり、歴代サースフライの冒険者ギルドマスターが名乗るものである。



 ロンドグレ

 サースフライのAランク冒険者。彼の功績を語るにはここではあまりにも狭いので、また別の機会とする。

 ただ、一言で表すならば、彼を人々はこう呼ぶ。


 『こいつ、頭がおかしい』、と。



 モーリー

 サースフライの若手冒険者。グレンと交流があり、時々飯を奢ってもらっている。おっさん受けのいい野郎……と、思いきや実は珍しい女性冒険者。



 ウェル

 領都で活動するBランク若手冒険者。第二章時点の年齢は二十四才。

 藁色の長髪をポニーテールに結んでおり、少し垂れ目気味ではあるが、それが何処か色気を感じさせる、女性受けの良い顔つきの青年。特技は探索の魔術など、斥候役。

 事情を知るアルトリオからはクロムウェルと呼ばれていたが……。



 アスター

 ウェルと共に領都で活動するBランク若手冒険者。二十二才。

 黒髪で上部以外を刈り上げた短髪の青年。眉間に深いシワが一本走っており、見る者に威圧感を与えるが、彼自身は物静かで大人しい。ただ、戦いになると途端に激しくロングソードを振り回し、非常に好戦的になる。

 一部、女性からはその渋さが人気となっているが、どちらかと言えば同姓から格好いいと言われることが多い。



 ポール

 同じく、領都で活動するBランク冒険者。二十三才。

 金髪マッシュヘヤーで、若草色のローブを纏う魔術使いの青年。元々、学者を目指していたことからその知識量は並大抵のものではなく、共に活動するなかでの頭脳役を担う。

 彼自身、その姿や立ち振舞いなど、平民の冒険者とは少し違うような……。


【サースフライ衛兵関連】


 モンド

 モンクレール領サースフライを守護する衛兵。階級は兵士長。第二章時点での年齢は四十二才。二児の父。

 モンクレール領都出身であるが、サースフライに来て二十年以上経つので、サースフライで生活して来た年数の方が多く、サースフライ出身だと思われがち。

 見た目はずんぐりむっくりな熊さんの様な体型に、アゴヒゲがちょろっと生えている。その体型から愚鈍そうなイメージを抱きそうになるが、そもそも衛兵とは身体能力が高くないと勤まらない為、その動きは素早い。

 非常に家族想いであり、一日の終わりに嫁や子どもの顔を見ることが、なによりの幸せであると感じている。

 剣の腕はククル王国の中でも指折りの実力の持ち主であり、以前ククル王国の僻地で発生した魔物災害にて、モンクレール領から派兵された際に大型の魔物を両断。その功績を称え、国王直々に褒美として、魔剣ルプス・マギナを与えられた。

 ククル王都発祥の気焔流剣術の皆伝を取得しており、時々王都にある道場本部に招かれている。

 好物は妻の作った料理と、甘いもの。



 チャック

 モンクレール領サースフライを守護する衛兵。階級は一等兵。第二章時点での年齢は三十九才。

 サースフライの衛兵として日夜平和を守っている。サースフライ出身であり、グレンとよく顔をあわせることから、時々酒場で交流することもある。

 背が高く、肉つきがあまりよくないので、一見するとひょろっとしている印象を受けるが、その実は極限まで鍛えられしぼられた結果によるもの。体重は軽いが、あおの鋼の様な筋はまさしく鉄の如く。



 ギブン

 モンクレール領サースフライを守護する衛兵。階級は一等兵。名前だけ登場(第11話)。今後で登場するかは未定。



 アントン

 モンクレール領サースフライを守護する衛兵。階級は一等兵。ボルティモア大森林の入り口及び巡回担当の兵士。



 グーグー

 モンクレール領サースフライを守護をしていた衛兵。階級は二等兵。享年二十才。

 棒術を修め、その見事な棒捌きと捕縛術から期待されていた若手衛兵のひとり。普段はそこまで仕事熱心には見えないタイプだが、いざ誰かが困っていると見過ごせない気質があり、暴れるフールを取り押さえるために奮闘した。しかし、シロッコの放った石飛礫の魔術の盾にされ、頭に直撃してしまった為、絶命した。(その後モンドの斬撃の盾にもされてしまった)



 タキモト

 モンクレール領サースフライを守護していた衛兵。階級は一等兵。享年二十八才。

 シミターを得意武器とする剣士で、魔力量や魔力操作の技量から魔術使いも兼任出来ると期待されていた。しかし、術式を脳内で構成するのが苦手で、戦闘中に魔術を使おうとすると動きが止まってしまうことから、魔術を使うのは止めとくか……となったとかなんとか。ただ、その豊富な魔力と、武器までスムーズに魔力を循環させる腕前から、前衛でもかなり評価が高く、モンドも目をかけていた。

 フールとの戦い最中で死を悟り、己の魔力を暴走させてフールを追い詰める一手とした。

 名前が日本人の様なのは、別に彼が日本から来た転生者だとかではなく、過去に転生もしくは転移してきた日本人の家系ゆえに、その名残で似た様な響きの名前がつけられているだけである。ククル王国では時々そういう名前の人もいる。(装飾店の店主カワヅも同様)



 シロッコ

 モンクレール領サースフライを守護する衛兵。階級は一等兵。第二章時点での年齢は二十九才。

 土と風の属性魔術が使える。共にかなりの練度の術式を使うことが出来るが、シロッコの場合はそれよりももっと優れた特徴がある。それは、魔術の二重発動(ダブルキャスト)である。

 二重発動とは、通常人間の脳では魔術を構築・発動するのは一度に一つである。ある程度の時間差や、種類によって例外(身体強化など)はあるが、二つ以上を同時に発動するのは脳への負担の大きさ、難しさから不可能である。右手で絵を描きながら、左手で小説を書く様なもの。しかし、希にそれが可能となる『並行思考』という異能力(スキル)をも持つものは、魔術を同時に二つ以上発動出来るのだ。ただし、三つ以上はまさに神業といって過言ではなく、現在それが可能な人間はほんの数名しか確認されていない。

 二重発動だけでもそれなりに体への負担は大きく、フール戦後にはシロッコの両腕は使いものにならなくなり、治療院での入院を余儀なくされた。(現在は完治している)



 ルード

 モンクレール領サースフライを守護する衛兵。階級は二等兵。第二章時点での年齢は十九才。

 『誰ぇ?』と思った読者も居るだろう。作者も同じ事を思った。治癒魔術を使える衛兵として、フール戦であの場に居たが、結局活躍のないままに終わってしまった、ちょっと可哀想な青年。

 そも、治癒魔術は『ケ○ル! 傷が治った!』といった様に、唱えれば瞬時に傷が治るものではない。高等なものであれば、回復速度もそれなりに早くなるが、一般的な治癒術使いはそこまでは出来ない。そのレベルの人間は治癒院で働く方が給金が数倍高いからだ。例えるのであれば、衛生兵としての役割だと思っていただければいい。

 ……決して、作者に登場を忘れられたわけではない。たぶん。



 イズマ

 モンクレール領サースフライを守護する衛兵。階級は兵士長。第二章時点での年齢は三十才。

 モンクレール領兵はいくつかの部署に分かれて構成されている。その中でも、事件などの捜査を担当するのが、イズマ達の部署である。なので、イズマの所属している部署は基本的に人間を相手にする(街中で魔物被害があった場合は別だが)ので、『神の目』の様な人外との相性はあまりよろしくない。ただ、捜査は時に武力を必要とする場面もある為、イズマたちは戦えないわけでも弱いわけでもない。ただ、構成される人員の持つ魔術や異能力の性質が、対魔物向けではないだけである。

 特技は支援魔術と、熱に関する属性魔術。魔力量、魔力操作のセンスが高く、さらに探索の魔術にも適正があったため、いまの部署に配属された。その捜査の腕を買われ、二十代で兵士長に抜擢された。



【サースフライ住人関係】


 ボー爺さん

 サースフライとボルティモア大森林の往復馬車便を担当している爺さん。第二章時点での年齢は七十才。

 元冒険者であるが、最終ランクはC。体が上手く動かなくなったのを自覚してきたあたりで、大きめの怪我をしたことから引退。それまで冒険者としてお世話になった馬車便の前任者から、やってみないか?と誘われて御者をすることになった。

 自分と同じCランクで頑張るグレンの事は応援しており、もし冒険者を引退するのであれば引き継がないか声をかけようと心に決めている。



 クレアさん

 サースフライの住人。名前だけ登場(第6話)。今後登場する機会、あると思うぅ?



 ニール&レーナ

 サースフライの南町にある商業区で飲食店を経営する夫婦。共に三十五才。成人した子どもが一人いる。

 サースフライ出身であり、古くからの縁で教会の炊き出しの手伝いをしたり、街の商工会でも若手の音頭をとったりと、精力的に活動している。

 二人は幼馴染みであり、昔から仲がいい二人で、周りからはそのうち結婚するだろうと生暖かい目で見られていたが、どうにも距離感が近すぎたのかそういう雰囲気にならず、お互い成人をしてしまった。

 まぁ、それならそれで、生涯の友としてというのもありかとニールは考えていたが、周囲から『ニールの嫁』認定されていたレーナにとっては、それが原因で誰も手を出してこない事から焦りがきて、ニールにこっそり強い酒を飲ませ、なんやらかんやらで勢いのまま結ばれた。

 グレンには酒の失敗とは言ったが、結婚自体は失敗したとは思っていないので、ヨシッ!!



 フィン&ミレ

 ニールの弟、フィンとその妻のミレ。教会の炊き出しの際に、名前だけ登場。(第20話)



 ウーム

 サースフライ出身の工務店を営むゴブリン。第二章時点での年齢は三十二才。

 本編でも語ったが、ゴブリンはモンスターではない。考える知能あり、常識を弁える知性がある、歴とした人類種だ。肌の色が若干緑がかった者が多いが、茶色がかった者や白い肌の者もいる。ヒューム(大陸で最も多く見られる人類種)にも肌が茶色、黒、黄、白などがいる。種族の特徴として、耳の上部が尖っていたり、鼻が大きいなどもあるが、ヒュームにだって耳たぶが長い種族や、首を長くする矯正をする種族だっている。

 そう、見た目など些事なのだ。そこに知能があり、知性があり、社会に溶け込めるのであれば、ククル王国はそれを人類と認めている。ただし、他の国ではまた常識が違うので注意。

 ゴブリンはその種族特性か、手先が器用な者が『多い』。苦手な者も当然いる。ウームは御多分に漏れず手先が器用であったが。その器用さから、室内の装飾などに定評があるウーム工務店は、サースフライの中でも繁盛している店だ。従業員も三十名を越え、若手の中には独立を認めても良い者出てきたことに喜びを感じている。



 ホーホ・ベル・ジャガグリンド・ウッデン・マクロマイア

 ウーム工務店で働くジャイアントフットの青年。第二章時点での年齢は二十一才。

 北大陸出身で、訳ありでククル王国へとやってきた。行き場のない彼を不憫に思った王都のとある大親方が、弟子のいるサースフライの商工会にかけあったところ、ウーム工務店へ紹介されて働くことになった。

 元々、ジャイアントフットは寡黙な者が多い種族だ。雪が多く吹雪く北に住んでおり、口を開けば体温をもっていかれることから、彼らは目線や小さなジェスチャーを含めた言語を用いるのだ。また、特徴として全身を覆う長い体毛があるが、例年と比べ夏の暑さが厳しいククル王国では熱中症になると、全身刈り上げられているので、現在は素顔を見ることが出来る。また、その巨躯からわかる通り、力が非常に高く、重量物を取り扱うこともある工務店では重宝されている。

 現在、公用語を勉強中。なお、名前が長すぎるので皆からはホーホと呼ばれている。



 カワヅ

 サースフライの南町にある商業区で装飾店を営む商人。二章終了時点の年齢は四十才。

 領都出身の平民として生まれ、『血沸き肉踊る方の冒険者』に憧れるも、魔力器官の獲得が出来なかった為、夢破れた過去を持つ。ただ、憧れる冒険者を調べていくうちに、この世には様々な素材が存在する事を知り、それらの美しさに魅了されていく。そうして、素材を加工した装飾品というものにも興味を持ち、自らも装飾工となって生計をたてるようになった。

 その腕前は領都でも有名なもので、モンクレール伯爵御用達として知られている。が、出来るだけよい素材をと追求していくなかで、ボルティモア大森林の近くのサースフライの冒険者は非常に品質の良い納品をしてくれると知り、自らの店をサースフライに出すことにした。

 現在では店の経営の方に力を入れているので、加工はあまりしなくなったが、仕入れで各地を巡りながら才能の原石たる若手の作品を仕入れて、支援することが趣味のようなものになっている。



 オースティア・エルム・オクレイマン

 モンクレール領サースフライを治める偉い人。爵位は男爵。第二章時点での年齢は四十三才。

 モンクレール伯爵の実弟であり、元々は王都で文官を勤めていた。先代モンクレール伯爵が引退するにあたり、現モンクレール伯爵が領都の運営に力を入れたいと、サースフライをお前に任せた!と半ば無理矢理に連れてきた。王国としても優秀な文官が……とは思ったが、ボルティモア大森林が近くにあるサースフライは重要な街でもあるし、ほなこいつら兄弟仲も良いし、ちょうどええかぁ……と、伯爵の案に乗ることにした。

 オクレイマンは妻の姓であり、婿殿。が、妻の実家は領地無し貴族なので、名前を残す程度の意味合いが大きい。

 『文官の自分がなぜこんな過酷な森の近くの街を……』と、日々胃と頭皮にダメージをくらっているとかなんとか。



 コーウェン・エルム・モンクレール

 現モンクレール伯爵家当主。第二章時点での年齢は四十六才。

 いまでこそでっぷりとした見た目をしているが、かつては辺境の鷹と呼ばれる程に精悍な顔つきと肉体で女性を魅了していた。クリフとキャラが被るなぁ!?

 武に優れ、ボルティモア大森林が近いサースフライで陣頭指揮をとったり、街の運営をしていたが……少しばかり脳筋すぎたというか、少し大雑把だったというか。冒険者などの腕っぷしに自信ニキたちにとっては過ごしやすい街になったが、治安がちょっとばかし悪くなってしまったのもあり、先代は悩んだ末に引退し、コーウェンを領都に置いて自分が補佐をし、サースフライを次男のオースティアに任せ、なんとかバランスを取ろうとしたそうな。結果が良い方に向かったことで、もう本当に引退が出来ると安堵しているとか。




【ボルティモア大森林関係】


 時次郎&清美

 児童養護施設『あすなろ園』で生活をしていた小学五年生コンビ。幼い頃にほぼ同時期に施設に入所した為、兄妹の様に

暮らしてきていたが、思春期を迎えお互いを意識するようになっていた。しかし、素直になれない二人のことを周囲はやきもきしながら見ており、いつくっつくのかとおやつを賭けていたくらいである。

 しかし、そんな中で大規模火災が発生。その短い生涯を、お互いの気持ちを確かめることなく終えてしまった。

 だが、その後大いなる存在と呼ばれる者たちに拾い上げられ、『延長戦』を貰った事で再び生を授かり、未練は解消されることとなった。

 二人がスケイルグリズリーとして転生したのは、様々な要因が重なっての事だったが、それはいずれ本編で語られるだろう。大いなる存在から産み出された個体ゆえ、二人は特殊な体の造りをなされている。魔力を持つのは、大いなる存在によってスマイリー呼吸法に似た訓練を積まされ、魔力器官を得たからである。これは、子どもにも継承された。

 ちなみに、登場時にウェルたちを追いかけたのは、子どもを助けてもらいたいからであり、決して襲う為ではない。ただ、知らない人間からすれば、魔力を持つスケイルグリズリーという化け物に追いかけられたと、逃げるのは当たり前である。



 子熊三兄妹

 三つ子として生まれたが、一番最後に生まれた妹だけ体が小さく、成長が遅いことから、スケイルグリズリーの特徴である鱗状の体毛が発生するのが遅れて、体温調整が不十分になってしまった。それと異例の猛暑により、熱中症で危険な状態になってしまった。

 なお、名前はまだ本編で登場していないが、長男がアルタイル、次男がアルデバラン、長女がスピカ。清美の趣味であった天体に由来する。(時次郎は日本人らしい名前にしようとしたが、異世界だし、外国人っぽくていいじゃないと押しきられた)



 アニキ

 ボルティモア大森林に存在する精霊の一種。人々からは『森の妖精』と呼ばれているが、妖精は人類種のひとつであるのに対し、アニキは肉体を持たない精霊と呼ばれる存在である。主にキノコを好み、ニッポリタケの周りでその姿がよく見られる。謎の言葉を発するが、基本的に精霊の言語は人間には理解できない為、人間にとって聞こえている言葉は言葉っぽい何かである。



 ボルティモア大森林の司教

 体長1m50cm~2m程の猿の魔物。顔は酒に酔って赤らんだ老人の様な顔をしており、その頭頂部には司祭帽を思わせる突起がある。腕が特に発達しており、時には腕を使って高速移動をする姿が確認されている。また、魔力を豊富に持つ個体が多く、身体強化による能力の向上はかなり高い。

 いたずら好きで、面白いものや楽しいものに興味が行くとそればかり目がいってしまい、周囲を見られなくなる特徴がある。基本的にボルティモア大森林の最奥と呼ばれる区画に縄張りをもつが、時々獲物を追って浅い場所に出てきてしまう個体が数年に一度程度の頻度で確認されている。

 頭頂部の突起には巨大な魔石が内包されており、それを媒体として作られた魔導倶は数十年単位で稼働する。

 司教と名がついているが、別に聖アグリア教で崇められているわけではない。



【その他】


 フール

 ククル王国の東側に位置する、ベルシッチイという田舎街出身の若者。

 農家の次男として生まれ、将来は農業を継ぐ兄の補助と周囲は考えていたが、本人はそれを嫌っていた。そんな中で、人並み外れた魔力(田舎街にしては)を持ち、体格にも恵まれてしまったが故に、腕っぷしで人を従えること覚えてしまった。

 ただ、暴れん坊ながら一度懐に入った者は仲間として切り捨てないところがあり、度々暴力で言うことを聞かせていたが皆逆らうことはなかった。

 特技は幼い頃から習っていた町道場の剣術と身体強化。それ一本で上位冒険者を目指していたあたり、世間の広さを知らぬがゆえの蛮勇であった。

 世間知らずが原因でサースフライで仕事ができなくなり、正常な判断が出来なくなったところを、『神の使徒』を名乗る者に惑わされ、『神の目』を植え付けられてしまった。享年十九才。



 フレッド

 ベルシッチイ出身の若者冒険者。十九才。

 フールの幼馴染みで、大工の一人息子であったが、家業を継ぎたくないと冒険者になり、フールに付いていく形で街を飛び出した。

 度々暴力を振るってくるフールの事を怖いと思いながらも、昔仲良く遊んだ思い出が結局離れられない原因となった。

 特技は幼い頃から習っていた町道場の剣術。冒険者ランクはE。



 ミック

 ベルシッチイ出身の若者冒険者。十九才。

 フールの幼馴染みで、早くに父親を亡くし、家計を支える為にも冒険者の道を選んでいた。だが、才能もなければ知識などの光るものもなく、それでもどうにかしたいとフールに付いていく形で街を飛び出した。

 フレッドと同様に、度々暴力を振るってくるフールの事を怖いと思いながらも、昔仲良く遊んだ思い出から見捨てることもできなかった。

 特技は幼い頃から習っていた町道場の剣術。冒険者ランクはE。



 アリス&ルグレン

 若気のいたりで生家を飛び出し、冒険者となった兄ルグレンと、それがが歌劇『ボルティモアの三英傑』に登場するその身を犠牲にして散った男、グレンと勘違いしてサースフライを訪れた妹アリスの兄妹。

 その後、両親とも再会し、ルグレンの清掃の仕事にいたく感銘を受けた父親は、喜んでルグレンを許したお話はどこかその内に。

登場人物紹介を溜めてはいけない(戒め)

明日以降、第三章始まります。収穫祭だ!!

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