【もがく様に生き、輝く命の灯火】
◆◆ 2023年7月23日追記 ◆◆
すみません。本文中、記憶違いして書いている箇所がありますご注意下さい。
※主人公マヒトの漢字を「真人」と本文に記載しましたが、正しくは「眞人」です。
※「物語の終盤、若き日の母、ヒミは、火は綺麗だから火事で死んでも構わないというようなことを言います。」と、本文に書きましたが、誤りです。物語の終盤、ヒミは死んでも構わないというニュアンスで、「火は平気だ。素敵じゃないか、眞人を産むなんて」というような感じのことを言うのです。
冒頭は、主人公の真人が鳴り響く警鐘で目覚め、火事になった母の病院へと駆けるシーンで始まります。
戦時中の病院の火事、鳴り響く警鐘はまるで空襲にあったかのようでした。
『目が覚めたら戦争の真っ只中で、今この瞬間に大切な人が死んでしまうかもしれない。』
それは、物語の主人公、真人に限った話ではなく、現代日本で平和を謳歌している私たちにも言えることです。いえ、日本だけじゃありません。世界中の人に言えます。
もしかしたら、寝ている間にミサイルが飛んでくるかもしれないし、遠い国同士の戦争が飛び火して近い未来、世界大戦の最中に身を置くことになるかもしれない。
そう思わせる映画の冒頭でした。
母の安否を想い、懸命に、必死の形相で、もがく様に駆ける真人。
彼を照らすように舞い散る火の粉がとても綺麗でした。
物語の終盤、若き日の母、ヒミは、火は綺麗だから火事で死んでも構わないというようなことを言います。
私は、この映画の中で、「火」は「命の輝き」を象徴しているのではないかと思いました。
舞い散る火の粉は、「散り逝く母の命」であり、「母と過ごした真人の輝くような思い出のひとつひとつ」なのではないかと思うのです。