第八十九話 夢で
第八十八話の後半を書きかえています。すみません‥
ーーー夢の中でーーー
院長室でサラと院長である遼の父がソファーに座って話している。
「……愚息は……こんなに上手くいっているのは全て君のお陰なのに、そんなことも分からず情けない………。君がいなければ、医療事故で大変なことになっていただろうに……。何で君の価値が分からないんだ!?あんな見目だけが良い女と結婚すると言い出すなんて!まだ結婚するだけならいい。何故、君を追い出そうとするんだ!?君があの女に意地悪をしているから君からあの女を守りたいだとか、サラはいつも偉そうだとか色々訳の分からぬことを言っておったが、自分がどれだけ馬鹿でどれだけ助けてもらっているか、何故分からない!?」
院長は震えるほど拳を握りしめ憤っている。
「……私の至らぬせいでございます。」
「いや、君は悪くない……いつも助けてくれるんだ。君の不思議な癒しの力と、真面目で丁寧な君に何度助けられたか……。」
「……いえ、院長には私が記憶喪失で困っているところを助けていただいたご恩があります。あのまま院長に出会わず総合病院にいればどうなっていたか……引き抜いて、手元に置いて下さったことは、感謝してもしきれません。」
「そんなことはいいよ。週一回外来で行っている附属病院で愚息の幼馴染の君に再会した時は驚いたよ。それにしても本当に綺麗で聡明になった。君がうちの愚息と結婚してくれたら、安心なのだが……。」
……ビアンカは総合病院で働いていた私に転生したのね……。それにしても遼のお父さんは本当に素敵な方だわ。遼と大違いだわ。
「仕方ありません。山口先生にお慕いする方が出来たのですから……。……でもあの女性は害しかありませんわね。あの方は改心させるか排除するしかありませんわ。
それより、私の医学部への進学に対して援助を申し出て下さりありがとうございます。」
……………え!?医学部!?
「いや、君には恩返しがしたいと思っていたんだよ。君の夢が聞けて本当に嬉しいんだ。私を父親のように思ってほしい。私も君を娘のように思っているよ。……本当の娘になってほしかったのに……遼の奴め……。」
「私はこれからも院長のお役に立ちたいと思っております。あの女性のことはお任せ下さい。改心しなければ警察へ突き出しますから。」
………サラ(ビアンカ)は強いわ………。それに比べて私は………情けないわ………。溜息が出る。はぁーっ。
………あれ!?あの紙は何かしら?
診察室の台の上に置いてある白い紙。
!? ………あれは………異世界の文字だわ!
『私はこの世界で頑張るわ。マーガレットには負けないで。アランには感謝しかないわ。アランをよろしくね。自信を持って。夢で文通しましょう。』
…………サラ(ビアンカ)からのメッセージだわ!
………アランをよろしくねって、何かあったのかしら……?アランは何も知ってはいないようだったけど……転生した時に記憶が消されたとか……??うーん…。そうね…小説ではビアンカは処刑されて、アランも巻き込まれて亡くなっていたけど、二人とも生きておられるしね……。
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―――――目を開けると、医務室のダグラス先生をはじめ先生方と、ラグエル様、殿下、フロレス様、ジョスト様、ジョージア様など沢山の方の心配そうな顔が目に入ってきた。
……何だか安心するわ……。
「ビアンカ様!良かった!」
「大丈夫ですか!?」
……あれ……?私……どうしたのかしら………?
……あっ!?そうだったわ!!アラン様!!
「アラン様は!!?」
ガバッと起き上がり、辺りを見回した。
「……ビアンカ様、アラン様はここよ……。」
ーーーアラン様は医務室の奥の部屋におられた。上半身を包帯で覆われ、痛々しい姿で眠られていた。
読んで下さり、ありがとうございました。




