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第八十六話 


 自分の教室へ戻り、教科書を開きながら溜息をついた。その様子を見た隣席のラグエル様が「どうしたの?やっぱりまだしんどい?」と覗き込まれた。ラグエル様は私が休んでいる間何度かお見舞いにも来て下さっていた。


 先程あった出来事をラグエル様に話すと、


 「えっ!?信じられない‥‥!?やっぱりマーガレット様おかしいよ!」と声を荒げられた。そして、机に視線を落として考え込まれ、「…何考えているんだろう…?調べる必要があるな…。」と呟かれた。


 ―――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 お昼休み、ジェラルド様も来られると言われていたが来られないので一人でお弁当を食べていると、マーガレット様が同じクラスの御令嬢とともにやって来られた。


 「お一人ですか?寂しいですわね。私達もご一緒させて頂いてよろしいですかぁ?」


 2人は私を見てクスクス笑っている。


 「いいですけど……何かおかしいですか?」


 …何か腹立つ…。


 2人はベンチに腰掛けると、カフェの持ち帰りサンドイッチを広げた。


 「ビアンカ様はいつもお弁当を持って来ていらっしゃいますわねぇ?その中にお薬を混ぜていらっしゃるのかしらぁ?」


 2人は顔を見合わせて吹き出し笑いをした。


 「そんなもの入れるわけないでしょう?」


 「そうなんですかぁ?お薬を混ぜて体調を崩して、また殿方に優しくしてもらおうと思われているのではなくて?」


 …………………………は?


 「色んな殿方と仲良くしていらっしゃいますものねぇ?」


 2人は顔を見合わせて頷いた。


 「私のジェラルド様もたぶらかして…。ビアンカ様、婚約破棄されたのにジェラルド様に付き纏うなんて図々しいですわぁ。恥ずかしくないのですかぁ?」


 2人は私を睨んでいる。


 「別にたぶらかしているつもりは……。」


 …でも確かに仲良くしているのはおかしいのかもしれないわ…。


 「ジェラルド様には今後一切近付かないで!」


 マーガレット様は怒りに満ち溢れた表情をしておられる。…あれ?でも一時期、ヘンリー副団長様にお熱を上げられていた時期があったような…?


 「マーガレット様?ヘンリー副団長様をお慕いされていたのではなかったですか?」


 「えっ!?あっ、あの方はもうすぐ隣国の姫君とご婚約されますから……って、私はジェラルド様一筋ですぅ!何言ってるんですかぁ!?」


 「ラグエル・スターレン様やジョスト・ワイマール様にも近付かないで下さい。あの方々をお慕いしている御令嬢も沢山いるのですから!」


 隣の御令嬢も怒りに満ちた表情をしている。


 「ビアンカ様はアラン様がお似合いよ。色んな殿方に擦り寄るのはやめて下さい。はしたないですわ!他の御令嬢方もビアンカ様の破廉恥な行動に呆れておられますわよ?」


 …私、もしかしてとんでもないビッチと思われてる?


 …ショック…


 そこにジェラルド様が走って来られた。


 「ここにいたの!?カフェに来ると聞いてずっと待っていたんだけど…。」


 すかさずマーガレット様がジェラルド様の腕をとる。


 「ジェラルド様ぁ!探していたんですぅ!先生がお呼びでしたわよ?行きましょー!」


 「えっ!?」


 ジェラルド様は2人の御令嬢に腕を掴まれ、引きずられるように行ってしまわれた…。


 …ジェラルド様、頼りないわね…。


 …マーガレット様…皆にどんな風にふれ回っておられるのかしら…?皆に誤解をといて回りたいけど、元引きこもり気味でコミュ障気味だった喪女にはハードル高いわ…。この世界に来てからはこれでもかなり頑張っているのよ?何故こんなことになったのかしら…。


 …学園生活、あと二年と少し…長いわ…。


 

 


 


 


 


 


 


 

読んで下さりありがとうございました。

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