第八十五話 何で!?
園舎に入るとすれ違う生徒達が皆「大丈夫ですか?」「大変でしたわね。」等と声をかけてくれる。その中には「アランなんて早く退学すればいいのに…」といった声も聞かれ、アラン様が心配になった。
…アラン様に会いに行こう!アラン様も今日から授業に入られる筈だから…。アラン様は3組のフロレス様と同じクラスよね。
3組の教室に入ると、アラン様は自席に座っておられた。
アラン様の机には「学園から出て行け」等と落書きされており、アラン様は何も言わず落書きを消されているところだった。
周囲の生徒達はアラン様を見ながらコソコソと陰口を言っている。
!?
…何てひどいことするの!?
私が教室に入ると、騒めきが一層大きくなった。
「アラン様、おはようございます。」
「あっ、ビアンカ様…ジェラルド様も…おはようございます。」
アラン様はバツの悪そうな顔をして挨拶された。そしてすぐに視線を落とされる。
「…こんなことして…!」
ジェラルド様はすぐさま魔法で落書きを消され、「こんな悪質な悪戯をしたのは誰だ!?」と、辺りを見渡された。周囲の生徒達は皆静まり、お互いに顔を見合わせている。
そこに甲高い声が響き渡った。
マーガレット様だ。
「でも仕方がないですわぁ。アラン様がビアンカ様に睡眠薬を盛られたのでしょう?アラン様は製薬がお得意ですし、睡眠薬を作るのなんて簡単でしょう?」
マーガレット様の発言を皮切りに教室に騒めきが戻った。犯罪者と一緒に学園生活を送るのは不安だ。退学してほしい等と次々に声が上がる。
「やめて下さい!アラン様はそんなことされる方ではございませんわ!」
私は必死に反論した。
「何故アラン様を庇われるのですかぁ?ビアンカ様は被害に遭われたのでしょう?」
「そうですけどっ!犯人はアラン様ではありませんっ!動機もありませんわ!」
「……おかしいですわね……ビアンカ様……もしかして共犯なんじゃないですかぁ?」
マーガレット様はくすりと笑われる。
周囲の生徒達も「確かにおかしいですわ」等と騒ぎ出し始めた。
「何でビアンカが共犯なんだよ!?自分で薬を飲む奴なんていないだろ!?」
ジェラルド様も声を上げられるが、マーガレット様はさらに口撃をされる。
「……こんなこと言いたくはないんですけどぉ、自作自演する方もいらっしゃいますしねぇ……。」
!?
……………は!?
あまりにぶっ飛んだ発言に絶句してしまった……。
こんなぶっ飛び発言、誰も信じるわけがないと思ったのに……?
…………………??
…………何だか私に注がれる視線が冷たい??
…………何で!?
「マーガレット様!言いがかりはやめて下さい!私、そんなことしていませんっ!」
「ビアンカがそんなことするわけがないだろう!?」
そこにフロレス様が来られ、「証拠もないのにそんなこと言うものではないですわ!?」と援護して下さる。
「そうですかぁ?試験が嫌だったとかではないですかぁ?ビアンカ様、急に学力が落ちられましたもんねぇ?」
マーガレット様は勝ち誇ったかのような顔でニヤリと笑われている。生徒達は五分五分の反応だ。
…何で五分五分の反応!?こんなこと信じる人が半数もいるなんて……!
腹が立ち、さらに言い返そうとしたが、予鈴が鳴った為、自身の教室へと戻らざるを得なくなった…。
「さあ、授業が始まりますわよ?お騒がせの公爵令嬢様?…うふふっ!」
…何なの!?マーガレット様!!それに皆も最低!!
読んで下さり、ありがとうございました。




