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第八十二話 犯人は!?


 公爵邸で過ごすようになってからも、相変わらずサラの夢はみるが、体は頗る元気になった。やはり睡眠薬を飲まされていたのは間違いないようだ。


 このまま気付かず許容量以上の睡眠薬を飲み続けていたとしたら、廃人になっていたかもしれない…否、命だって危なかったかも…。


 急に怖くなって、体が震えた。


 「お嬢様、お茶をお持ちしました。」


 庭の花々をしゃがみ見ていると、メイがお茶とお菓子を持って来てくれた。


 …私に睡眠薬を入れたのはマーガレット様しか考えられない。あれ程私に敵対しておいて、新学期になってから急に仲良くしだして…。…確かにマーガレット様のクッキーを食べてから調子がおかしくなったわ。かなり痩せてもおられたけど、精神的におかしくなられたのかしら!?


 「…お嬢様、やはりまだ体が本調子でないんですね?険しい顔をしていらっしゃいます…。」


 マーガレット様のことを考え怒りに燃えていると、メイが覗き込んで心配してくれていた。


 「ありがとう、メイ。大丈夫よ。」


 ――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――


 ――そして、学園から容疑者を拘束したという知らせが入った。


 「ビアンカ、やっと犯人と目ぼしき人物が見つかったそうだよ。ビアンカが飲まされていた睡眠薬と同じ物を所持していたそうだ。だが、その者は否認しているらしい。同じ学年の男子学生だそうだ。」


 !?


 「男子学生ですか!?マーガレット様ではなくて!?何ていうお名前ですか?」


 「アラン・リーチェット伯爵令息だ。」


 !?


 ……………………は!?


 ……………………ものすごい冤罪じゃない!?


 ――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 ――事情を聞くために、父と護衛と共に学園へと向かった。


 学園の一室には拘束されたアラン様の姿があった。


 「ビアンカ!?僕は何もしていないよ!?」


 「それじゃあ、何故君の部屋に睡眠薬があったんだ?」


 イル先生が険しい顔で追及している。


 「……………それは、分かりません…………。」


 「先生、アラン様は絶対にしていないと思います。怪しいのはマーガレット様です!マーガレット様を調べてみて下さい!」


 私はイル先生に懇願した。だってアラン様がそんなことする訳ないし!?第一、アラン様とは新学期になってから一度しか出会ってないし!?


 「マーガレット嬢にも事情聴取をしたが、泣きながら私はしていない、名誉毀損だと言い張るんだ。状況から見ればマーガレット嬢が怪しいんだが……。彼女が男子寮に入るのは不可能だしな……。」


 「取り敢えず、アラン様は解放してあげて下さい。アラン様が私に睡眠薬を盛る機会はなかったですし、何より動機がありません!!」


 私は必死で懇願した。


 「……まあ、状況から見ればアランは無実かもしれないが……。」


 「それと、お父様。そろそろ私も学園に戻りたいです。」


 「こんな中途半端な状態で戻るのか!?学園は危険だぞ!?」


 お父様の発言にイル先生の表情が曇る。


 「あのような事件があったので今は警備を増員しております。ビアンカ嬢も勉強に遅れが出ることを気にしているようですし、どうでしょうか?」


 お父様はしばらく険しい顔で考えておられたが徐に顔を上げられた。


 「それじゃあ、ビアンカは復学させよう。しかしまたビアンカが危ない目に遭うことになったら、学園を訴えさせて頂く。それと、アラン・リーチェット殿。状況的にみて君には犯行は困難だったろう。君も学園に通って、ビアンカの友人ならビアンカを守ってやってくれ。真犯人も追うのだぞ?」


 「はい!」


 アラン様は気合の入った返事をされた。


 ――こうして私は明日から復学することになったのだった。


 




 


 



 

読んで下さりありがとうございました。

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