表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/92

第八十話 医務室で


 「ビアンカ、どうした?具合が悪いのか?熱があるのか?」


 ダグラス先生が心配そうに私の額に手を当てられた。


 「少し体が気怠いんです。最近、午後からこうなるんです……。寝不足ではないと思うんですが、居眠りまでしてしまうようになって……お恥ずかしいですわ……。」


 「……そうか。早くベッドに横になって休みなさい。熱も測るんだよ。」


 そう言って、先生は私の頭を撫でてくれた。とても安心する手だった。


 私が横になっている間、ラグエル様とジェラルド様は先生と話されていた。もう授業も始まっているのに、また迷惑をかけてしまったわ……。本当にごめんなさい……。


 ……そして、そのまま強い睡魔に襲われ、夢の中へと入っていった……。


 ―――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――


 「他の病院ではもう手遅れだと言われました……。ううっ……ひいっく……治りますか……?もう先生だけが頼りなんです……。」


 「あー、肺癌で他臓器に転移してしまっているねぇ…。まあ、手遅れと言えば手遅れだね…。だけど、僕なら治せるかもしれない。でも今、患者が押し寄せていて今すぐには入院できないんだよ。悪いね。」


 40代位の男性は遼の手を握り、「先生、そこを何とかお願いします……!」と懇願された。だが遼は「……チッ!」と舌打ちし、患者様の手を振り解いた。


 !?


 ……まるで鬼畜ね……!!


 しかし、遼は患者様に徐に近付き、小声で何かを話し出した。


 患者様は驚き、暫く固まっておられたが、


 「……必ず用意します。ですから、助けて下さい……!」


 と頭を下げられた。


 …遼は何を言ったのだろう……?


 




 「先生、また患者様に金銭を要求されましたね!?いつか訴えられても知りませんよ?」


 「うるさいなぁ、サラは……。それくらい他の医者でももらっているよ?」


 「先生は自分から高額な現金を要求されています。これはもう犯罪に当たりますよ?院長も嘆いておられます。」


 「………もうサラ、いい加減この病院を出て行ってくれよ?お前の顔を見るだけで反吐がでる。」


 ――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 ……目が覚めると、医務室の天井が見えた。


 ……ああ、私医務室で寝ていたんだわ……。まだ体が気怠い……私の体どうなってるのかしら……?ラグエル様とジェラルド様はクッキーのことを気にされていたけれど、何か入っていたの?……変な味はしなかったわよね……?


 ……それにしても、山口遼……本当に最低……。


 


 


 


 

読んで下さり、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ