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第七十九話 居眠りの原因は?I


 ―――――――――――――――――――――


 ――――――――――――


 「…このままでは明日の実力テストの結果が悪くなるだけでなく、学園にもいられなくなるんじゃないかしら…?」


 「大丈夫ですわ!ビアンカ様、休暇明けで疲れていらっしゃるだけですわ!」


 今はお昼休み。中庭でマーガレット様とお弁当を食べている。マーガレット様は「大丈夫!大丈夫!」と笑顔で励ましてくれている。最近、毎日授業中に居眠りするものだから、皆から冷たい視線を向けられるのよね…。マーガレット様がこんなに優しい方だとは思わなかったわ…。


 「さあ、今日もクッキーを持って来たのよ!これを食べて元気を出して!」


 …何だか食欲ないわ…。


 「マーガレット様、ありがとう…でも食欲がないの…。マーガレット様がお食べになって…?」


 私は溜息をつき、項垂れた。


 「駄目よ!食べないと元気が出ないんだから!せっかく作って来たのよ!?」


 「それじゃあ、後で頂くわ。」


 「今、食べて下さい!食べないと倒れてしまうわ!私、ビアンカ様が心配なのよ!」


 マーガレット様は私の両手を握りしめ、じっと目を見つめられた。相変わらず、目ヂカラが凄いわね…。

 

 「……それじゃあ、頂くわ。」


 あまり食べたくは無かったが、好意を無碍には出来ないので頂いた。食欲が無かったので、味も分からず、砂を噛んでいるようだった……。


 マーガレット様は私が食べる様子を見て、にっこり笑われていた。


 …本当に私、どうしたのかしら…?毎晩だけでなく、ちょっとした居眠りの時にまで観るあの夢のせいで寝不足になっているのかしら?モリス先生に会って相談したいわ…。


 ――――――――――――――――――――――


 ――――――――――――


 教室へ戻ると、ラグエル様とジェラルド様が話しておられた。


 「ビアンカ、最近居眠りしてるらしいね?疲れているの?顔色も悪いよ?」


 「いつも朝は元気だよね?昼から様子がおかしくなるけど、何か思い当たることはないの?」


 二人は心配そうに私を見つめておられる。


 「…最近、よく夢をみるから、寝不足になっているのかしら…?」


 「…夢か…。悪い夢なの?」


 「…悪いような…悪くないような…?」


 「「何それ?」」


 …夢の内容が話せたら楽になるのになぁ…。


 「お昼に変なもの食べていないよね?」


 ジェラルド様が唐突に尋ねられた。


 「変なものなんて食べていないわ!家から持参したお弁当を食べているわ。……あっ、それからマーガレット様が毎日作られるクッキーも食べているわ……。」


 「クッキー!?あのマーガレットがそんなもの焼くの!?」


 ジェラルド様が驚かれている。


 「……ええ。甘くて美味しいわよ?」


 「……………………………………。」


 「………お昼休みに食べているの?」


 「……ええ。」


 「マーガレットも食べているの?」


 「……いいえ。私の為に作っているからと言われて、私にだけくれるのよ?マーガレット様、最近とてもお優しいのよ。」


 「…………………………。」


 「そのクッキー、今日も食べたの?」


 「……えっ?ええ、食べたわ。」


 二人は顔を見合わせて頷き、午後の授業は休んで医務室へ行くよう言われた。そして二人に強制的に医務室へと運ばれた。


 ……まさか!?あのクッキーに何か原因があるの……!?


 


 

 

読んで下さり、ありがとうございました!

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