第七十八話 何で!?
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「すごいっ!先生っ!」
インフルエンザの予防接種をしている山口遼の隣でナース服に身を包んだ例のモデルがいる。
…はっ!?無資格でしょ!?
モデルに褒められて意気揚々と予防接種を続ける山口遼。
…こんなんじゃ、いつ医療事故を起こしてもおかしくないわ!?典型的なバカップルね…!
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…………ビアンカ様!!…………ビアンカ様!!
…………遠くから私を呼ぶ声が聞こえる………。
……ビアンカ様!!……あっ!見つかってしまった……。
落胆したラグエル様の声と同時に、先生の怒号が響き渡る。
「ビアンカ嬢!!私の授業で寝るとは大したもんだ!!後で職員室へ来なさい!!」
…はっと気が付くと、目の前に鬼のように怒っているイル先生がおられた。
「……私、寝ていたの……?」
「まだ寝ぼけているのか!?」
「……申し訳ありませんでした……。」
…授業で寝てしまうなんて初めてだわ…!?私どうかしてしまったのかしら…!?
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「…授業で寝るなんて初めてだね?疲れているの?」
ラグエル様が心配そうな表情で尋ねてこられる。
「…いえ…。私にも分からないの…。とにかく、先生のところに行ってくるわ。」
「一緒に行くよ。何だか様子がおかしいし…。」
「……ありがとう。」
職員室までラグエル様について行ってもらった。職員室では先生に体調を心配され、思っていたより怒られなかったけれど……。
……本当に私、どうしたのかしら……?体も少しだるい気もするのよね……。
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翌朝。昨日のような倦怠感はなくなり、体が軽くなっていた。
…良かったわ!今日はしっかり授業が受けられるわ!
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……と、思っていたのに……。
「……ビアンカ嬢、起きなさい!今大事なところを説明しているから!」
はっと気がつくとチェスター先生が覗き込んでおられた。
……またやってしまった!!
……何でなの!?
読んで下さり、ありがとうございました!