第四十五話 試験結果に一喜一憂
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3日間に及ぶ試験は無事終了した。
試験結果は、
1位ジェラルド・フィロスト
2位ラグエル・スターレン
3位リアム・ディヴィス
4位メイソン・スミス
5位エマ・ディヴィス
……………………………
33位アラン・リーチェット
……………………………
36位フロレス・ワイマール
……………………………
48位マーガレット・ストーン
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50位ビアンカ・マクレイン
……………………………
175位ミッシェル・クライム
……………………………
239位ショーン・クライン
240位マリア・ミラー
「やったー!50位!」
自信がなかったけど、直前に聞いたジェラルド様の予想もドンピシャで良い点が取れたわー!
嬉しくて、顔を綻ばせながら掲示板を見ていると、ふいに右手をそっと握られた。振り向くと、ジェラルド様が立っておられた。
「ビアンカ、残念だったね……。」と、哀れむような表情でこちらを見られる。
……………え?残念?私は思ったより良くて喜んでいるんですけど……………………?
「………そうですか?私は思ったより良くて良かったなと思っているんですが……?」
………50位って良いよね……………?
「ビアンカ、体調が悪かったんだろ?だって、国政と外国語の成績が悪すぎるじゃないか?!8歳で婚約してから妃教育を受けていて、それもかなり優秀だったから、これらは僕でも負けてしまうのではないかと思っていたのに……?中でも外国語は前回1位だったろう……?」
……………………………は?
…………ビアンカって、そんなに優秀だったの?!以前、ラグエル様が『君が本読んでるの初めて見た』とか言っておられたから、もしかしてビアンカは勉強嫌い?と思っていたのだけど……。しかも変な化粧してるし……。
帰って自慢しようと思っていたのに出来ないじゃない?!ハードル上げないでよ……。
ジェラルド様は溜息をつき、「……簡単なことまで聞いてくるからおかしいなとは思っていたんだよ……。体調が悪かったり、何か悩み事があるなら僕を頼って。」と、じっと見つめられる。
……確かに悩み事はありますが、絶対に言えませんって!
「はいはい、また近いですよー!」
そこに割って入られたのはラグエル様だった。
「……今回は順位を落としてしまったみたいだけど、また挽回できるよ。……色々嫌なことがあって、ビアンカ様も悩んでいたからね………?」と、ラグエル様はジェラルド様を睨まれた。
「こんなやつに負けるなんて………!」
ラグエル様はかなり悔しがられている。
「でも1位も2位も本当にすごいです。さすがですわ!アラン様もすごいですし、驚いたのはマーガレット様よ!?勉強していなさそうで、されていたのね!?」
マーガレット様に負けるなんて……ショック。
そこへ、当のマーガレット様が意気揚々と現れた。
「前回はかなり差をつけられましたが、今回は勝たせてもらいましたわよ!」
ほほほほ………っ!と得意気な彼女がまた腹立たしい……。
次は絶対に勝ってみせるから!……それに家族の期待を裏切らない為にも、ビアンカのレベルにまで追いつかないといけないしね……。
「マーガレット様!?次は負けませんわよ?!」
「次も返り討ちにして差し上げますわ!」
マーガレット様は仁王立ちして私を扇子で指された。
……絶対に負けませんわ!
「うわっ!」
突然、ラグエル様が悲鳴を上げられた為、振り向くと、ミッシェル様がラグエル様にもたれかかっておられた。
「ラグエル様、さすがですわ……。」
うっとりとしながら、呟かれているミッシェル様は、表情や仕草に色気があるので、見ていて艶かしい。
「まあ、学校でイチャイチャするのやめて下さる!?」
……………マーガレット様?貴方がそれ言われますか………?
「イチャイチャ?!とんでもない!?離れてくれよ!」
ラグエル様はミッシェル様を引き離そうと必死だが、ピッタリ引っ付かれたミッシェル様はびくともされない。
……すごい力ね……。あんなに細いのに……。
「あの、エマ・ディヴィス様は女子生徒よね?5位ってすごいですね。」
「あの子は3位のリアル・ディヴィス様と双子だよ。家は王都で紡績業をされているんだけど、魔法を編み込んでそれは美しい糸を作られるから、とても人気があって、かなり稼いでいるらしいよ。2人とも優秀で、特に魔法に長けているんだ。」
遅れてやってきたアラン様が教えて下さった。
……へぇ…。魔法が編み込まれた糸。是非見てみたいわ……。
「って、アラン様!私、アラン様に負けてしまいましたわ……。」
「えっ!?あっ、勉強会の賜物かな?誘ってくれてありがとう……。」
「次は負けませんわよ?」
「うん。僕も頑張るよ!」
……それより、1番気になるのが 239位のショーン・クライン様……。わんこみたいな子よね?泣いていないかしら……?
「…………………………………。」
「……どうしたの?ビアンカ?」
「………………………………………。」
「………ショーン様……大丈夫かしら……?」
「えっ?ショーン?誰それ……?」
ジェラルド様は顎に手を当てて考え込まれる。
「以前、医務室に来られたんだけど…。」
「あっ!あいつか!」
いまだミッシェル様にくっつかれているラグエル様が声を上げられた。
「ええ…。泣いておられなければいいけど……。」
……次、勉強会する時は絶対誘ってあげよう!
ちなみに最下位のマリア様は急遽ご結婚が早まり、準備が忙しい為、試験を受けられなかったらしい……。
読んで下さり、ありがとうございました!