第四十一話 からかわないで!?
「しまった!?寝過ぎてしまった!?」
ふわふわのベッドでぐっすり寝て、目が覚めるともうお昼前になっていた。
「……試験勉強しなければ!」
3連休で実施された薬草採取。明日は登園日だ。そして2日後には試験がある。
窓を開けると、とても気持ちの良い風が入ってきた。天気が良く、気温も日本の春くらい。眼下には綺麗に手入れされた庭の花々が広がっていた。
この公爵邸って本当立派ね……。
「お嬢様、お目覚めになりましたか?お体は大丈夫ですか?」
侍女のメイが入って来た。
「ええ。大丈夫よ!アラン様の煎じ薬が効いたわ!」
「もうすぐ昼食の時間になりますが、お庭で奥様と食べられませんか?」
「いいわね!ねぇ、メイ!メイも一緒に食べましょう?」
「それは承知致しかねます。私は使用人ですので……。」
このような攻防が続き、お母様に尋ねてみると「ビアンカがそうしたいのならいいわよ。」と言われ、メイとそれからいつも護衛してくれているイライジャとルーカスも一緒に昼食をとることになった。
「今日は夜から勉強しよ。」
イライジャは四十八歳の強面の男性。体格が大きく、武道に優れている。ルーカスはイライジャの息子で、二十二歳。イライジャと同じくがっしりとした体格をしており、かなり強い。学園の卒業生でもあって、魔法も優れている。一見強面だが、話しやすく、とても優しい。
「今日は賑やかで嬉しいわ。」
お母様も楽しそうだ。
私は山であった出来事を事細かく話した。皆驚いて「もう二度と行ってはなりませんよ!」と口を揃えて言っていた。でも麓の宿の食堂にはいつか行きましょうねと言ってくれたので、ほっと安心した。
「お嬢様、大事なことをお忘れですよ?護衛の騎士様方のことです!五人もいらっしゃって、皆様それはそれは美しい方々でしたよね?中でも馬車と並走されていた騎士様はきっとお嬢様のことが………ふふふっ!」
メイがにやにやしながら言ってきた。
「まあ、ビアンカ!それは本当なの?」
お母様もにこにこしながら興味深そうに尋ねてくる。
「……ええ。確かに素敵な方ばかりでしたが……。」
顔が熱い……。何でこの話をすると焦ってしまうんだろう……。
「まあまあ、ビアンカ!顔が赤いわよ!」
「お嬢様、その方に恋でもなさったのではないですか?」
皆が揶揄ってくる……。
「違います!違います!」
必死で否定するが……
「旦那様にもお話しないといけませんわね!ほほほ……。」
皆、大分面白がっているわ……。私もやり返してやるから!
「そういうメイはどうなのかしら?そうね……ルーカスが好きだったりしてー?」
「………………………………………。」
……ほんの冗談のつもりだった……それなのに……。
何でそんなに真っ赤になって黙り込むの?!
もしかして当たっちゃった?!!
「…………………………………………。」
ルーカスも赤い顔をして戸惑っている!?
二人は仲が良くてお似合いなのだけれど………。
「……もしかして両思い…………?」
「お嬢様!私の話はもうよろしいではないですか?恥ずかしいです……。」
私の言葉を遮り、メイが大きな声を出した。もう全身が真っ赤だ。
「まあまあ、若い方はよろしいですわね。」
お母様とイライジャが顔を見合わせて笑っている。
……夕食の席では、きっとお父様にも揶揄われるわ。しかもまた婚約話されるかも……。
「はぁー。」
大きな溜息が出てしまった……。
読んで下さり、ありがとうございました!




