よその子供
私はただ純粋にこの家族のことは好きじゃなかった。
一目見て、あ、この人たちとは仲良くやっていけない、そんな気持ちにさせていった。
なぜならこの家族は、確かに私に 全ての事を与えてくれた 全ての物も与えてくれた。
やはりどうしても、よその子供であるという事実は、私に壁のようなものを作ってしまったのかもしれない。
私はシャワーを浴びて、そして、出た。
この借りている部屋は私だけの部屋。私だけの空間。
だから本当は この場所で何でも行っても良いのである。
でも私は何をすればいいのかわからなかった。
たいていは私は組織の人たちと一緒に何かをしていた。掃除でもいいし、本当に何でも。忙しいのが好きだったのかもしれない。
でもそれは他の人がいたから。一人の私は何をすればいいのかわからなかった。
最初に会った時お父さんは 私がその家族の娘になるということだけを言っていて、私はそれ以上何をすべきなのかわからなかった。
忙しさは作らなきゃいけないんだ、ポツリとがらんとした部屋の中でこぼした。
私はきれいなベッドに転がり、天井を見た。
白い白い天井 何も描かれていないキャンバスのよう。
私と一緒だ 裸のまま天井を見るのも 少し良いのかもしれないが。
風邪をひくといけないので 服に着替える。
服もかなゑ家の家族が用意してくれた。
以前の服は私服で 何も華美装飾がない。
そういった服であった 私はそれでもいいと思ってた。
それ以外にいつもと違う服を着るという、情報もなかった。
服はものすごく、絵本に出てくるような綺麗な服だった。
本屋さんで立ち読みした雑誌みたい。
私がそれを身につけるなんて、最初は戸惑った。
でもそれを切ることが できるということに 心の底から喜んでいたのかもしれない。