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ヒトリムシ 2  作者: おかずシステム
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よその子供

私はただ純粋にこの家族のことは好きじゃなかった。

一目見て、あ、この人たちとは仲良くやっていけない、そんな気持ちにさせていった。

なぜならこの家族は、確かに私に 全ての事を与えてくれた 全ての物も与えてくれた。

やはりどうしても、よその子供であるという事実は、私に壁のようなものを作ってしまったのかもしれない。

私はシャワーを浴びて、そして、出た。

この借りている部屋は私だけの部屋。私だけの空間。

だから本当は この場所で何でも行っても良いのである。

でも私は何をすればいいのかわからなかった。

たいていは私は組織の人たちと一緒に何かをしていた。掃除でもいいし、本当に何でも。忙しいのが好きだったのかもしれない。

でもそれは他の人がいたから。一人の私は何をすればいいのかわからなかった。

最初に会った時お父さんは 私がその家族の娘になるということだけを言っていて、私はそれ以上何をすべきなのかわからなかった。

忙しさは作らなきゃいけないんだ、ポツリとがらんとした部屋の中でこぼした。

私はきれいなベッドに転がり、天井を見た。

白い白い天井 何も描かれていないキャンバスのよう。

私と一緒だ 裸のまま天井を見るのも 少し良いのかもしれないが。

風邪をひくといけないので 服に着替える。

服もかなゑ家の家族が用意してくれた。

以前の服は私服で 何も華美装飾がない。

そういった服であった 私はそれでもいいと思ってた。

それ以外にいつもと違う服を着るという、情報もなかった。

服はものすごく、絵本に出てくるような綺麗な服だった。

本屋さんで立ち読みした雑誌みたい。

私がそれを身につけるなんて、最初は戸惑った。

でもそれを切ることが できるということに 心の底から喜んでいたのかもしれない。

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