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さよなら世界
「かなゑかな 1987」
今日は月がキレイ。
そんなことを思いながら、ベランダで大きな満月を見ていた。
昨日とても雨が降って、だから空気がとても澄んでいてきれいに見えるんだと思う。
そして、私はそこで死んだ。
あっけない死だった。
理由はわからない、でも「お父様」に対立する組織によって殺されたのだと思う。
私はもうこれで終わると思った。
黒い沼に包まれていく感触、死ぬ感触はこういったものなのかな。
のんきにその情景を見ていた。
どうせ死ぬんだし、もう俯瞰したっていいじゃない。
思い返せばとても濃い人生だったと思う。
濃すぎたのよ。だから10歳で死ぬのもありよね。
じゃあ、さよなら。世界。