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Sky

再投稿です。

ここは、天使と魔族の世界。どこかの世界では、テノールの世界と呼ばれているようだけどそんなこと関係ない。

その世界の天使達の国ミリア、聖王国ミリアと悪魔達の国ヴァルビス、ヴァルビス帝国の二国は常に対立していた。

この世界の歴史はすなわち対立する二つの戦いの歴史。

先の戦いの英雄、リル・シェルド。シェルド将軍は聖王国ミリアの将軍だった男。

──そして、私、ソフィアの父だった人。


ぼーっと湖を見て黄昏ていた。夕闇に沈み行く湖に私以外にいやしない。

湖に私の姿が映る。金色の髪が湖に吹く風になびいていた。短いショートカットの髪に、三つ編みの髪。女性的な顔つき。

私は、自分の顔があまり好きではない。戦いを経験したことのないしまりの悪い顔。

父さんはそれでいいと言った。分かっている。とんでもないわがままであることが分かっている。それでも私は自分が戦場に出る日を夢見て今日も一人、剣を振るう。

「7999、8000」

素振りをしていた。戦いに出ても負けないくらいに強くなるために。

「このくらいで良いかな」

さすがに今日はやり過ぎたかもしれない。腕が痛む。

ふと、遠くにいる親友を思い出す。エーデル・カルド、私の幼なじみの男の子。そして、生前の父から銃剣の扱いを学んだ銃剣の名手である。今は練兵学校の遠征授業で王都まで行っているらしい。私も練兵学校に志願しているのだが、母も今は亡き父も反対し続けいまだに入学できていない。

ふと、空を見上げると真っ白な鳥が優雅に舞っていた。

「あ、珍しい、ホワイティアバードね」

ホワイティアバードは、聖王国ミリアの王都スカイの近くの森に生息しているとても白い鳥だ。

良くみると、嘴に紙を咥えている。手紙だろうか?

「どれどれ……」

手紙にはこう書いてあった。

エーデル・カルド 王都スカイでの魔族襲撃により、生死不明。

「……これって」

手紙の差出人を確認した。聖王国練兵学校からだった。カルドは、戦争孤児の為父が引き取った私にとっては親友であり、血の繋がらない兄だ。なのでこのような連絡は、父亡き今は、母か私に届くようになっている。

「カルド……どうか無事で……」

私はそう祈ると真っ先に家に駆け出した。その時空には星が浮かび、流れ星が一筋流れた。


「母さん!カルドが生死不明だって!」

「ホントなの!?」

「とにかくこの手紙を」

母にこの手紙を渡す。

「ホントなのね」

私は、家の二階にある自分の部屋のベットの下から、白い剣を取り出した。白銀に輝く刃が鞘を抜いた瞬間に顔を出した。

シェスティモ、私の剣。使ったことは無いけれど、役に立つはず。

目的のものを取り出して、一階に降りる。

「ソフィア、あんたそんなもの持ち出してどうするつもり?」

優しく、そして激しい怒りを含めた声で言う。

「カルドを助けに行く」

「バカなこと言わないで、相手は魔族よ」

「そんな事承知のうえだよ!」

母さんが私を心配しているのは分かる。けど私だって、ここは退けない。

「母さん、私は強いもの、そこらの魔族なんかに負けないわ」

母さんはその言葉を聞き影を落とす。

「父さんもそう言って戦死した」

思わずその言葉に足を止めてしまう。

「どうしても、行くのなら、これを」

そう言って渡してきたのは、服だった。

「これって、練兵学校の制服?」

「もう、あんたを止められないから志願書、送っといた。シェルド将軍の娘だって言えば試験もなく受かった」

それって、練兵学校に通えってこと?

「せめて、もっと強くなって行きなさい。カルドはそう簡単に負けないから」

「うん、いってきます。必ずカルドと帰ってくるから」

「いってらっしゃい」

私は、翼を広げ飛び出した。練兵学校のある町。シエラへ……

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