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私に喝を

作者: みんみん

 自然と仲良くなる、好きな作品に出会う、様々な偶然のなかで生活している。すべては偶然の産物、すべては運の問題なのだ。


「A君が気になってて…悩んでるんだよね」

「デートに誘ってみたら?」 

「最近忙しくしてるみたいで…あと、この前かわいい子と歩いててさ…それと、お互い試験近いしさあ」

「気になるなら行動しないと!」

「そうなんだよね…」

 これに似たやりとりを人生で何度繰り返したことだろう。この堂々巡り。同じところをぐるぐると回り続けるしかない、オンナ特有のけだるい会話に出口を探した。


 ひとつの答えが出た。 

 「A君に対して行動を起こさない」ことは既に決まっていた。とやかく理由をつけて行動しない自分を正当化していたのだ。揺るがない決定事項があることに無自覚で、もやがかかった頭で会話をしていた。


 第一に、A君が忙しくしていることと、私がデートに誘うことになんの関係があるか。

 行動しないために、忙しそうだと思いたいだけではないか。忙しそうな時に誘うと断られる確率が高いから怖いのか。A君が忙しいから遊べない、とでも言ったのだろうか。

 つまるところ、私が勝手に消極的な想像を広げているだけだった。忙しくしている「らしい」というところがミソだ。忙しくしている、ということも、私の妄想…?


第二に、かわいい子と歩いていたことと、私がデートに誘うこととなんの関係があるのか。

 あんなに魅力的な人が側にいたら敵わないと思ったのだろうか。彼女だったとしても、デートをしたらいけないのか。A君が人間と歩いていたことを過大解釈をしていないか。

 そもそも、A君とふたりで居たこともないのに、そのかわいい子との勝負を勝手にはじめて、ひとり相撲もいいところだ。まだ土俵にもあがっていない。


第三に、お互い試験近いことと、私がデートに誘うこととなんの関係があるのか。

 2、3時間会って話すだけで、試験が不合格になるのか。デートとはかけ離れたことを引き合いに出すから、笑ってしまう。


 自然と仲良くなるのは、「この人と仲良くなりたい」と決めるから、好意的に話すし、会話から共通点を探すし、肯定的に相手を見る。

 すきな作品に出会うのは、普段からすきなジャンルにはアンテナをはっていて、それと出会えるような環境を作り出し、そこに身を置いているからだ。

 偶然の産物や運なんかではない。自分が無意識に決めている決定事項に従って、自分は動いている。この決定事項に自覚的になることで、私は変わることができる。

 




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― 新着の感想 ―
[良い点] 大変素晴らしい話でした。 言いたい事がたっぷり伝わって来ました。 [一言] 「私に喝を」 つまり・・・ 『私に鰹!』 ですね、いや~ハッキリ言ってくれればいいのに、生臭い
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