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俺様日記~1学期~  作者: 清野詠一
49/53

ファイヤーワークス


★7月17日(日)


惰眠を貪れる日曜日。

の筈が、朝早くから電話で起こされた。

リーンと鳴る電話の受話器を乱暴に掴み、俺はことさら陽気な声で、

「やぁ、神代洸一だよ♪日曜の朝っぱらからお電話ありがとうッ!!くだらない用件だったら速攻で殺すから、そのつもりでいてね♪」


『す、すまんな洸一。こんなに朝早く』


ふにゃ?

この声は……

「ンだよぅ、金ちゃんかぁ。どこぞのセールスかと思ったぜ」

俺はいつもの声色に戻した。

「んで、どうしたんだ、こんなに朝早く?何か重大事件でも起こったか?穂波が笑顔で多嶋を刺しちゃったとか、そーゆー事件を希望するぞよ」


『そんな事件を希望されても困るんだけど……それに榊さんの場合は、刺しても罪にならないだろ?』


「本物だからな、あれは。がはははははは♪」

と俺は一頻り笑った後、コホンと咳払いを一つ。

「で、金ちゃん。本当の用件は?」


『その事なんだけど……洸一。今日は何があるか知ってるか?』


「今日?」

俺の脳裏にキュピーンと閃光が走る。

「もしかして、隣町でやる花火大会のことか?」


『御名答。漠然とした質問から、よく分かったな』


「ったり前だぜ。何しろな、昨日……」

それは昨夜のことだった。

飯を食ってゴロゴロしていると、いきなり榊さん家のアカン子から

『洸一っちゃん洸一っちゃん。明日は待望の花火大会だよぅ。一緒に行こうね。ね。ね。お昼過ぎに迎えに行くからね。ね。ねッ』

と言う一方的お電話。

しかもだ、受話器を置いた瞬間に又けたたましく電話が鳴り出し、取ると今度は智香の馬鹿。

さらに置くとまた鳴り、取ると今度は委員長。

そして委員長が終わると真咲しゃん。

次に優チャン、姫乃っチ、のどかさんにセレスにラピスと続き、挙句の果てには、

「何で電話が繋がらないのよーーーーッ!!」

と、まどかの馬鹿は家にまで押し掛けて来たのだ。


「ってな訳で、本日は大所帯で花火見物なのだ。俺様、今からもうストマックが痛いのだ」


『そ、そうか。さすが洸一だな。いつもモテモテだな』


「当たり前だ。ご近所でもファーザーと呼ばれた男だぞ。ってゆーか、どうせなら俺はもっと普通の女の子にモテたい……」

おっと、思わず本音を吐露してしまったわい。

「んで、花火大会がどーした?もしかして金ちゃんも一緒に行きたいのか?この際だから、別に良いぞよ」


『ありがとう。でもさ、その……実は跡部さんと一緒に行きたいって言うか……』


おいおい……

「なんだ、まだ諦めてなかったのかよ」


『諦めきれないよ、僕は』


「……」

あの天然記念物をか?

何でだ?

珍しいからか?

「あ~分かった分かった。まぁ、跡部一人ぐらいなら、ウチの委員長もそれほどお怒りにならねぇーだろ。彼女も誘って一緒に行こうぜ」


『益々ありがとう。ついでにさ、その……出来れば洸一から、跡部さんを誘って欲しいんだけど……』


「小生がですかっ!?」


『た、頼むよぅ』

受話器の向こうからヘタレた金ちゃんの声が聞こえる。

『彼女に電話を掛ける勇気なんて、僕にはないんだよ』


「職員室に盗聴機を仕掛ける度胸はあるのにか?」


『それは別だ。と言うわけで洸一。頼むッ』


「何がと言うわけかサッパリだが……ま、金ちゃんの頼みならしゃーねーか」

俺は乾いた笑いを溢した。

「OK。取り敢えず今から電話してやるよ。ただしだ、跡部は跡部で既に小山田達と約束しているかも知れねぇーからな。そん時は金ちゃん、俺様をあてにするなよ?」


『……小山田さん達も一緒で良いじゃないか』


「馬鹿野郎。トリプルナックル勢揃いで連れて来てみろ。僕ちゃん、美佳心チンに三尺玉と共に夜空へ打ち上げられちゃうわい」



夕方、俺はいつもの駅前に来ていた。

今日はここから電車で3駅の所にある港近くの街で、夏の風物詩、花火大会があるのだ。

本日の参加メンバーは、俺といつもの10人の暴れはっちゃくな乙女達。

プラス、金ちゃんに幸か不幸か小山田達と約束していなかった跡部と、まどかが連れて来たみなもチャンを含めた14人の大所帯。

美少女率がかなり高い面子ではあるが、中身は全員が全員、何か得たいの知れない黒い物を持っているので、洸一チンとしては猛烈に胃が痛いのです。


……やれやれ。

花火大会のような夏のドキドキイベント。女の子と二人っきり、お手々繋いでトキメキたいぜ……

なんて硬派らしかぬ事を考えつつ、チラリと皆に目を向けると、

ぬぅ……

優チャンが「ガルルルゥ」と唸りながら、みなもチャンを睨んでいるではないか。

全く以って困ったもんである。


本当に、ヤレヤレだぜぃ。

俺は溜息一つ。

と、クイクイッと服の裾を引っ張られ、振り返ると、

「ん?どうしたミカチン?」


「ミカチンって言うなやッ!!」

浴衣姿の委員長様が、メガネの奥の目を細め、俺を睨み付けた。

「まったく……洸一君や」


「なんでしょう?」


「なんでアレがここにおるねん」

委員長はクイッと親指で、穂波と喋っている跡部を指差し、

「陰険(小山田)やゲス(長坂)がおらんのは当然として、何であのアホ(松本)だけおるねん?なぁ、何で呼んだねん?もしかして殺るんか?なぁ、殺るんやろ?って言うか、殺れや」

俺に殺人を教唆した。


「ん?美佳心チンには言ってなかったか?」


「何がやねん。あん?」

委員長様は仏頂面だった。

やはり跡部がいるのが気に食わないらしい。


「い、いやその……実はよぅ……」

俺は彼女の耳元に顔を近づけ、囁くように金ちゃんと跡部について説明した。

「……ちゅーわけで俺は、友の願いを叶えてやる為、跡部を呼んだわけでして……」


「……なるほどな」

美佳心チンは頷いた。

「せやけど、あのアホのどこがエエねん?」


「さ、さぁ?」


「多嶋君もそうやけど、これからの時代、キーワードはアホなんか?アホが来ると言うんか?特殊学級がトレンドなんか?」


「いや、あの二人が特殊なだけだと思うぞよ」



電車に揺られること約20分。

俺達は花火大会が行われる港近くの街に到着。

この辺りで一番規模の大きな花火大会と言うこともあってか、駅を降りてから花火の打ち上げ会場までは、かなりの数の屋台が並び、子供の心を忘れない俺様としては、何だか少しワクワクしてしまう。


「さて…」

駅からブラブラと歩き、花火が間近で見れる河川敷にビニールシートを並べて前線基地を設置。

陽はまだ西に傾いたばかりで、花火が始まるまでまだ大分あると言うのに、既に会場周辺は老若男女、大勢の人で賑わっている。

一体、何万人ぐらい見に来ているのだろうか?

「よっしゃ。取り敢えず場所も確保したし、花火が始まるまで自由行動な。結構人が出ているから迷子にならないよーに。迷った奴はここへ戻ってくること。以上である。何か質問は?」


「_洸一さん」


「ん?何かなセレス?」


「_既にラピスさんが迷子でいませんが……」


「……OK。屋台をぶらつきながら探すとしよう。他に何かあるかね?」


「こ、洸一」


「ふにゃ?何だまどか?」


「姉さん、さっきから変な本広げて何かブツブツ言ってるんだけど……」


「……のどか先輩。人混みが苦手だからって、いつぞやの大津波的なマジックはめっですよ。大惨事を引き起こしたら、花火どころじゃないですからね。さて、他には何か……」


「師匠…」


「ん?どうしたみなもチャン?」


「お腹減った」


「……OK。では諸君、今から祭りを楽しもうではないか」



「あ、あれれれぇ?」

人混みの中、俺は少し途方に暮れていた。

立ち並ぶ屋台にカラフルな服や浴衣に身を包んだ老若男女の群れ。

その中で何故か俺様ちゃんだけ独りぼっち。


「む、むぅ……」

もちろん、最初は違っていた。

皆と一緒だった。

だが、ふと気付く度に一人、また一人と、まるでサスペンスばりに消えて行き、気が付けばついに誰もいなくなっちゃったのだ。


本当にまぁ、皆さん独立精神が旺盛と言うか我侭さんと言うか主体チュチェ思想というか……

どうしてちゃんと団体行動が取れないのだろうか?

「ったく、あの無差別行動型終末兵器どもめ……」

俺はブツブツと溢しながら180度回頭。

もしも迷子になっているのが野郎だったら、そのまま無視して俺も自由に祭りを楽しんじゃうのだが……

如何せん、現在行方不明になっているのは、可憐な乙女の皮を被ったサーベルタイガーどもだ。

あまり放置しておくと、他人様に迷惑が掛かるかもしれない。

ここは保護監察官として、可及的速やかに彼女達の身柄を確保しなくては。


「そう言えば、金ちゃんと跡部の姿も見えんが……ま、アイツ等はアイツ等で上手くやって……いねぇーだろうなぁ」

俺は独り乾いた笑いを溢しながら、来た道をブラブラと戻る。

通りの両側に並ぶ、全国共通スタイルな屋台からは鼻腔を擽り郷愁を誘うような良い匂いが漂っており、それだけで何だか身も心もウキウキだ。

「腹も減ってきたし、何か俺も買って食おうかなぁ……って、いるし」

早くも一人発見。

桃色の浴衣に身を包み、わたあめの屋台の前でジーッとオッサンが作るのを見つめているのは、みなもチャンだった。

割り箸で器用にわたあめを巻き取って行くその匠な動きを、ただ無言で見つめているその姿は、まるで養護学校の生徒のようである。


うぬぅ……

どう見ても、高一には見えねぇーよなぁ……

「みなもチャン?」

と、俺が声を掛けると、彼女はクルッと振り向き、

「あ、師匠」

あどけない笑みを溢す。

それだけでもう、俺の中に眠る兄魂が刺激されそうだ。


「みなもチャン。はぐれちゃダメじゃないかぁ」


「……お腹減った」


「おや?全然聞いてないね?」

洸一チン、苦笑いだ。

「ま、確かに時間も時間だし、俺も少し小腹が減ってきたが……」


「……お好み焼き」

みなもチャンは唐突に呟き、そして唐突にわたあめ屋の3つ隣にある、『お好み焼き』と書かれた屋台の前へトテテテと駆けて行く。

もちろん、俺様も一緒だ。


「ほぅ、広島風お好み焼きか」

うむ、ソースの匂いが香ばしいですなぁ。

「どれ、みなもチャン……食うか?偉大な兄である俺様が奢っちゃるぞ」


「ありがとう、師匠」

みなもチャンは顔を綻ばせ、

「おじさん、お好み焼き五枚」


「ぬぉーーーーーーいッ!!?」


「?」


「いや、そんな不思議そうな顔されてもなぁ」

なんて育ち盛りなんだ、この子は……

「みなもチャン。いきなり五枚は多いだろう……一枚で充分ですよぅ」


「……お腹減った」


「いや、それは分かるが……ほら、他にも色々屋台があるだろ?だからさ、お好み焼きだけじゃなく、色んな物を食べた方が楽しめるんじゃないかなぁ?」


「……リンゴ飴」


「おう、リンゴ飴も買うちゃるぞ」


「……イカ焼き」


「うんうん、イカ焼きも美味いよな」


「……ヤキソバにトウモロコシにフランクフルト」


「OKOK、俺様に任しておけって」


「金魚も……」


「金魚まで食べようって思っちゃダメだよぅ。わはははは」

俺は笑いながら、取り敢えずお好み焼きを二枚ゲット。

その内の一枚をみなもチャンに渡し、二人してパクつく。

うむ、中々に美味い……

こうして屋台で買って外で食うって言うのは、それだけで美味しく感じるから摩訶不思議だ。

「しっかし、他の奴らはどこかいのぅ」


「師匠…」

と、みなもチャンが俺の服の裾を引っ張り、

「チョコバナナ」


「も、もう食べたのか?早いなぁ」

俺は彼女に引っ張られ、甘い香りが漂うチョコバナナの屋台の前へ。

そしてちょっぴり頭がパープーそうな売り子の若い姉ちゃんに、チョコバナナを注文していると、

「どないなっとるんやーーーーッ!!」

背後から聞き慣れた声。

振り返ると、通路を挟んだ向こう側、射的の屋台の前で美佳心チンが荒ぶっており、洸一チン、いきなり食欲が失せてしまいましたとさ。



我がクラスの委員長にして学年首席。容姿端麗でボインちゃんな伏原美佳心女史は、射的場の前で銃を片手に因縁を付けていた。

今日も六甲の赤い稲妻のソウルは熱く滾っているようだ。


「や、やれやれですな」

俺はチョコバナナをみなもチャンに手渡し、トホホな溜息を漏らしながら彼女の元へと重い足取りで向かい、

「あ、あのぅ……ミカチン?」


「誰がミカチンやねんッ!!って、なんや……洸一クンかいな」


「う、うん。その洸一クンなんだけど……一体、何がどうした?」


「どうしたもこうしたもあるかーーッ!!」

美佳心チンは銃を片手に怒りの形相で吼えた。

さすが、関西ヤクザだ。

「聞けや洸一クンッ!!」


「聞くよ美佳心チン。だけど僕ちゃんに銃口を向けないで欲しいんだけど……」


「この銃が悪いんやッ!!」

美佳心チンはキッと射的場の店主を睨み付ける。

その余りの迫力に、百戦錬磨のテキ屋の大将も、思わず顔を背けてしまった。


「この銃、まがい物やないけッ!!全然、真っ直ぐ飛ばないやないけッ!!詐欺やッ!!これは詐欺やでーーーーッ!!」


「お、落ち着けチョ・スンヒ。じゃなかった美佳心チン」

俺は今にも銃を片手に暴れ出しそうな委員長様を、冷静に宥める。

「なんちゅうか……こーゆー射的の銃に、精度を求める方が酷だと思うんだけど……」


「なんやーッ!!洸一君、ウチにヘタ売らす気か?あぁん?」


何を言ってるんでしょうか?

「だ、だからその……」


「……まぁエエわ」

美佳心ちゃんはフンッと大きく鼻を鳴らした。

「弾が真っ直ぐ飛ばんのは、まぁ……商売やから仕方ないわ。せやけどな、当たっても倒れんっちゅーのは、どないなっとるんやーーッ!!」


「ど、どうどうどうどう……落ち着け美佳心チン」


「落ち着けるかダボがぁッ!!」


あひっ!!?

「え、えと……その……倒れないって、何が?どの商品を狙っていたのかなぁ?」


「あれやッ!!」

美佳心チンは銃でビシッと、射的台の一番上に置いてある的を指す。

そこには、最新据え置きゲーム機の大きな箱が……


「あ~……ありゃ倒れんわな」


「せやろ?こんなコルクの弾じゃ、当たっても絶対に倒れへんわッ!!これは明らかに詐欺やでッ!!洸一クンもそう思うやろ?な?思うやろーーがッ!!」


「お、思うけど……あーゆーのは客寄せって言うか、洒落みたいなモンで……実際、あれを狙って取ろうって言うのは、ちと反則じゃないかと……」


「あん?なんや?洸一クンはどっちの味方やーーーッ!!」

美佳心チン、大絶叫。

あまりの剣幕に、周りのお客様もドン引き。

まるで大潮だ。


「お、俺は別に、どっちの味方ってワケでもないけど……」

強いて言えば、正義の味方だ。

ちなみにこの場合、美佳心チンに正義はなかったりする。

「ともかく、射的はもう止めて次行こうよ、美佳心ちゃん。あ、向こうで美味そうなリング焼きが売ってるぞよ?俺様が奢ってやるから……ほら、早く行こうよぅ」


「なんや?食べ物でウチを釣ろうと言うんか?」


「そ、そーゆーワケじゃないけど……」


「釣られてやろうやないけッ!!」


「……どっちなんですか?」


「行くっちゅーとるんや」

美佳心チンはそう言って、手にした銃を放り投げた。

もちろん、そのまま立ち去るなんて大人しい事をしないのが六甲の赤い稲妻だ。

射的屋の大将をギロリと睨み付けながら、

「自分、次に会うたら容赦せーへんで?その目と鼻にコルクの弾詰めて海に沈めたるさかい……憶えときーやッ!!」

と、勇ましい捨て台詞を投げ付ける。

みなもチャンとは全然違う意味で、とても女子高生には思えない女の子だ。


とほほほ……

俺は泣きたくなる気持ちを抑えながら、委員長とみなもチャンを連れて小型お好み焼きとも言うべきリング焼きのお店へ。

そこで「3つ下さい…」と注文を出していると、またもや背後から、

「クマちゃんだよーーーーーーーーッ♪」

今度は基地外の大声。

「あぅぅぅぅ」

俺は猛烈に胃が痛くなり、

「すんません、やっぱ2つにして下さい」

食欲は限りなくゼロになっていたのだった。



振り返ると、そこに奴がいた。

お面売り場で奇声を発し、世間の注目一身に集めている。

そしてそんな危ない彼女を、智香の馬鹿が必死になって止めているという過酷な状況が、目の前で展開している真っ最中だった。


俺は熱々のリング焼きをみなもチャンと委員長に手渡し、ヤレヤレなため息を吐きながら異常世界の深淵へと近づく。

「よ、よぅ…」


「あ、コーイチ」

穂波を羽交い締めにしている智香が、ホッと安堵の表情を零した。


「智香。聞きたくねぇーけど、聞いてやる。一体、何してるんだ?」


「穂波を止めてるのよ」

智香が暴れる穂波の背後で、情けない溜息を漏らした。

「なんか……ここに売ってるお面を全部買うんだって言って、言うことを聞かないのよ」


「……馬鹿か?」


「なによぅ」

穂波がクルリと振り向き、プゥ~と可愛らしく頬を膨らませた。

「クマちゃんのお面は全部私のモノだよぅぅぅぅぅぅ」

だけど言ってることは可愛くなかった。


「あのなぁ。そんなに大量のクマのお面を買って、貴様は何を企んでいる?」


「これは使命なんだよッ!!」

穂波は吼えた。

「いたいけな熊を救出するミッションなんだよッ!!」


「お、落ち着け分裂症」


「そしてそして、洸一っちゃんの部屋に飾るんだよッ!!壁一面、熊ちゃんのお面でいっぱいなんだよッ!!」


くっ……この、あんぽんたんめッ!!

「あのなぁ、そんな猟奇的な光景、この俺が望むと思うか?」


「望むよッ!!」


「望まねぇーよ」

俺は冷静に言い返してやる。

「ともかく、そーゆー無駄遣いはするな。お面が欲しかったら、一個ぐらいなら俺様が買ってやるから」


「え…?」

穂波がキョトンとした表情を浮かべた。

「洸一っちゃんが……買ってくれるの?」


「ま、今日は特別にな」

ってゆーか、この場合は仕方がないだろうに。

ま、お面一つで穂波が大人しくなるんなら、安いものだ。

・・・

高校生になってお面を欲しがること自体、ちょっとどうかと思うけどな。

「ちゅーわけで……おっちゃん、このクマ公のお面を一つくれぃ」

俺は店の片隅で、穂波の奇行に戦々恐々としていたテキ屋のおっさんに金を手渡し、飾ってあった嫌な笑みを浮かべているクマのお面をもぎ取った。

「ほれ…」

そしてそれを、穂波にくれてやる。


「洸一っちゃん……」

穂波はクマのお面を大事そうに両手で抱え、

「ありがとう、洸一っちゃん」

ちょこざいにも、可愛い笑顔を零す。


ぬぅ……

「そ、そんなモン、別に大した事じゃねぇーし……」


「洸一っちゃんからのプレゼントなんて、久しぶりだよぅ」


「そうか?」


「うん。だからこのお面は……家宝にするよッ!!」

言って穂波は、おもむろにお面を装着。

「もう一生、これは外さないよッ!!」


「ぬぉいっ!?」


「ガォガォガォウッ!!」

お面を被った穂波は、両の手を大きく掲げ、いきなり周りの祭り客を威嚇し始めた。

どうやら何時も通り、榊穂波のB面が表に出て来てしまったようだ。

こうなったら最早打つ手なし。

自然に落ち着くまで、生暖かく見守るしかないのだ。


「取り敢えず智香。穂波の面倒を頼むな」


「ちょ、ちょっと待ってよコーイチっ!?」


「嫌だ」

智香の手を振り解き、俺は委員長とみなもチャンと連れて逃げ出す。

が、

「金魚…」

いきなりみなもチャンの足が止まった。


「ど、どうした?」

見ると、そこは祭りの定番、金魚掬いの屋台。

そしてそこには、ラピスとセレスの姿があったのだった。



こりゃ奇遇と言うか運命というか、嫌なイベントフラグが立っていると言うか……

俺はポリポリと頭を掻きながら、屋台の前で座り込んでいる浴衣姿のメイドロボ達の元へと歩いて行き、

「よぅ…」

と声を掛ける。


「あ、洸一しゃん♪」

ラピスが嬉しそうな顔で振り返った。


「何してるんだ?……って、金魚掬いかぁ」

彼女の手には、モナカで出来た掬い網と、銀のアルマイトのお椀。

そしてそのお椀の中には、溢れんばかりの金魚達が苦しみもがいていた。


「ほぅ……中々に上手いものだな」


「えへへへ~♪さすがはラピスでしゅよ♪」

笑顔のラピスは、そのまま手にした網を金魚の群れに突っ込み、瞬く間にお椀の中へ活きの良い金魚を掬い入れる。

まさに掬うこと風の如し……

実に見事な手際だ。

こんなメイドロボにとって全く必要の無いスキルがラピスに備わっていようとは、夢にも思わなかった。

きっと仕様書にも書いてないだろう。


「金魚掬いなんて、簡単でしゅよぅ」

ラピスはウヒウヒと笑った。

「それに引き換え、セレスしゃんと来たら」


ん?

見るとセレスのお椀の中には、何も無かった。

水が入っているだけだ。


「セレスしゃん、一匹もゲット出来ないんでしゅ。しかも網だって、既に5つ目なんでしゅよぅ。……うひひひ」


ほ、ほぅ……

「なんだ、セレスは全然なのか?」


「_……これからです」

言ってセレスは、慎重に網を水槽に沈めるが……モナカで出来た網は、あっという間にフニャフニャのグチャグチャになってしまった。

「_くっ……」


「おや?おやおやぁ?セレスしゃん、またでしゅかぁ?」


「_お黙りなさい」

セレスはキッとラピスを睨み付けた。

対してラピスは笑みを浮かべ、ちょいといい気になっている。

なんちゅうか、いつもとは逆の絵が展開しており、僕ちゃん少しドキドキだ。


「_ま、まだまだこれからです。店主、網を寄越しなさい」

セレスは網を受け取り、水槽の中へ再突入を図るが……

「_っ!!?」


「やれやれでしゅ」

ラピスはクックックッ……と笑みを零した。

「セレスしゃん、いい加減に降参した方が良いでしゅよぅ」


「_お、お黙りなさい」


「優しいラピスは、金魚を一匹も掬えないセレスしゃんを馬鹿にしたりはしないでしゅよぅ。……うひひひ」


「_お、お黙りと言いました。そもそも、このような他愛の無い遊戯でお互いの優劣を競うなど……」


「今度は弁解でしゅかぁ?」

ラピスは見下すような笑みで、セレスの顔を覗き込み、

「知ってましゅか?金魚掬いには、繊細な動きが必要なんでしゅよぅ?」


「_くっ…」


「どうやらガサツな機動しか出来ないセレスしゃんには、無理だったみたいでしゅねぇ」


「_こ、この私を……愚弄する気ですか、ラピスさん」


「愚弄なんか、しませんよぅ。ね、洸一しゃん?」


「……へ?」

なぜ俺に振る?


「ただ、ラピスのボディの方が、セレスしゃんのボディより遥かに性能が良い……緻密な動きが出来ると、しょーゆー事でしゅよ。……うひゃひゃひゃひゃ」


「_お……お黙りと言いましたッ!!」

セレスが叫んだ瞬間、彼女の瞳がピカリと光り、

――ジュゥゥゥゥゥウッ!!!

巨大な水蒸気と共に、金魚達で溢れ返っていた大きな水槽の水が一瞬で枯渇した。

更に元気に泳いでいた金魚達も、全て黒ずんだ骨だけの状態になっている。

いきなりジェノサイドだ。

「_おや?私としたことが、怒りの余りうっかりレーザーを照射してしまったようです」

セレスは事も無げに言う。


「お……おいおい」


「_金魚が全ていなくなってしまったようですね。と言う事はこの勝負は無効と……そうですね、ラピスさん?」


……そーゆー問題か?


「仕方ないでしゅぅぅぅ」


そして何故、納得する?


「_おや?どうかなさいましたか、洸一さん?」


「いや、どうしたもこうしたも……金魚屋の大将、座ったまま気絶しちゃってるんだが……」


「_ならば今の内に、逃げるとしましょう」

セレスは淡々とした声でそう言うと、俺の手を取り、駆け出したのだった。



フリーズしたPCよろしく、沈黙した金魚掬いの大将を置き去りにしたまま駆けていると、

「お、おや?」

目の前に人だかり。

大道芸でもやっているのかな?とか思いながら首を伸ばすと、

いやぁ~ん……

まどかと真咲が、今にもお互い掴み掛からんばかりにメンチを切り合っているではないか。


くっ……

胃が……胃が猛烈に痛くなってきた。


「_おやおや、またですか」

と、セレス。

「_洸一さん。早く二人を仲裁して下さい」


「え?な、何で俺がわざわざ死地に……」


「_いつもの事です。それにこのままですと、周りの見物客に迷惑が掛かります」


「ぬ、ぬぅ…」

確かに、セレスの言う通りだ。

このままでは、彼女達をグランド・ゼロとして、局地的大災害が巻き起こってしまうだろう。

が、金魚屋を一瞬で壊滅させた彼女に言われると、なんかちょっと……どうよ?とか思ってしまう。


「_どうしたのですか、洸一さん?」


「いや、その……なんかこのまま、スルーしてもエエんでないかい?」


「_駄目です」

言ってセレスは片手で俺を掴み上げ、ポイッと軽やかに放り投げた。


「ぬぉうッ!!?」

俺は野次馬連中の頭上を通過し、


「洸一っ!!?」

「洸一……?」


殺気がムンムンの鬼達の間に、見事に着地してしまった。

くっ……

「あ~~……取り敢えず、落ち着け汝ら。あまねく天下に平和を求めん。BY光武帝」


「だってぇ……聞いてよ洸一」

と、まどかが唇を尖らせるが、

「断る」

俺はアッサリと拒絶した。

「どーせまた、下らない事で言い争ってたんだろうに……」


「下らなくはないぞッ!!」

と真咲姐さん。

「そーよっ!!」

そして共闘するまどか。


くっ……こんな時だけ……何かズルイねッ!!

「わ、分かった分かった。んで、何が喧嘩の原因なんだ?ん?」


「別に……喧嘩じゃないわよ。ただね、真咲がタコ焼きにマヨネーズを付けるって言うから……」

「ふんっ、お好み焼きには付けるだろ。タコ焼きに付けて何が悪いッ!!」


「ぎゃふん」

予想以上に下らない事だよ、ちくしょーーーーーッ!!


洸一チン、猛烈に泣きたい気分だ。

が、ある意味、こんな事で言い争えるなんて、日本はまだまだ平和だなぁ……とも思ってしまう。

「まぁまぁ、取り敢えず、たまの取り合いみたいに殺気を漲らせるな。なんちゅうか、もう少しお互い建設的に話し合いを……」


「勝負よ真咲ッ!!」

「上等だまどかッ!!」


「全然聞いてねぇーよ……」


「種目はあそこにある輪投げ。勝った方がタコ焼きを奢るのよッ!!」

「もちろん、マヨネーズを付けてなッ!!」

言って二人は、ズンズンと足音を響かせ、輪投げの屋台へ。


「な、何だかなぁ」

ま、殴り合いじゃなくて、輪投げって所が一安心なんだが……


「いっくわよぅぅぅ」

輪投げ屋のおっさんから、プラスチックではなく針金と竹紐で出来た安っぽいリングを受け取ったまどかは、それを高らかに頭上に掲げるや、

「……ハッ!!!」

気合と共に投げる。


――ヒュンッ!!


いびつな形をしたリングは物凄い速さで飛んで行き、カンッ!!と高らかな音を立てて景品であろう変な人形にぶち当たるや、まるでアイスラッガーのように再び彼女の手元に戻った。


「ふっ、どうよ真咲ッ!!」

「やるな、まどか」


「いや、なーんにもやってないと思うんだけど……」


「では、次は私だ」

俺の言葉を全く聞いてないのか、真咲姐さんは腰を落としてリングを構えるや、

「……やッ!!」


――キュルルルルル……


スローモーな速度ながら、高速回転で飛んで行くリングは、スパンッ!!と景品の変な人形を真っ二つに切断した。


「ふふふ……5点先取だな、まどか」

「まだまだ、勝負はこれからよ」


「あ、あのぅ……君達?なんか勝手に自分ルールを作っちゃってるんだけど……これ、輪投げですよ?」

理解しているのか、この野蛮人たちは?



「あふぅぅぅ……疲れた」

俺は皆を引き連れながら、溜息を吐く。


本当にまぁ、疲れました。

精神的にかなり重い状態。

そしてそれに半比例して、懐は軽くなる一方。

何故なら皆さん、屋台を見てはアレが欲しいだのコレがやりたいだの……

しかも奢ると言うか、なんかタカられている感じで……俺様の大海のような甲斐性も、少しピンチである。


しっかし、残るは優チャンに姫乃ッチに魔女様かぁ……

どれも一人にしておくと危険極まりない女の子達ばかりだ。

もっとも、それはここにいる全員にも言える事なのだが……


俺はチラリと皆を見やり、また溜息を吐く。

と、いきなり前方から、ドッカーン……と巨大な破壊音。


ぬぅ……考えている端から何やらアクシデンツが……

俺はしょんぼりしながら、音のした方に歩いて行くと、

「……ぬぅ」

そこには空爆されたかのように大破した屋台と姫乃っチの姿が。

やはり予想通り、何かしでかしてしまったようだ。


「よ、よぅ、姫乃ッチ……」


「あ、神代さん」

姫乃ちゃんはフニャッと可愛らしい笑みで駆け寄ってきた。

「何処に行ってたんですか?ずっと、探していたんですよ?」


「はっはっは……そりゃすまない」

俺は頭を掻きながら、轟沈した屋台を見やる。

「……で、アレは一体……どーゆー事かな?」


「あそこでヒヨコが売ってたんです」

姫乃っチはプゥ~と頬を膨らませながら言った。

「しかも変な色を付けて売ってたりしたんです。それを見てたら、段々と可哀相になってきて……」


「なるほど。それで思わず、力が暴走しちゃったのかぁ」


「はい……」


「……ぬぅ」

確かに、動物愛護の精神から言えば、この御時世にカラーヒヨコを売るのはどうかと思う。

それでも、屋台ごと粉微塵にするのはちょっと……米の国辺りの過激な動物愛護団体と同じではないか。

それに元気でいたであろうヒヨコ達も、何かいきなり終末の日を迎えた状態になっちゃっているのがニンともカンとも……本末転倒で号泣もので御座る。


「ま、まぁ、いいや。……って、何が良いのかサッパリ分からんが……もうすぐ花火が始まるぞよ。さ、行こうではないか」

と、俺は新たに破壊大帝・姫乃ッチをパーティーに加え、河川敷方面へと歩き出すと……またもやドッカーンと嫌な破壊音と共に、今度はどこぞの野郎が数人、ペトリオット地対空ミサイルのように夜空へ向かって吹っ飛んでいくのが目に入った。

「ぐ、ぐぬぅ……」

なんかちょっと気分が悪くなり、胃の辺りを押さえていると、

「センパ~イ」

と優チャンが手を振り振り、駆け寄ってきた。


「よ、よぅ…」


「今までどこに行ってたんですか?」


「俺は普通に歩いていただけだ。それよりも優チャン、付かぬ事をお尋ねしますが……今、見知らぬ男達が夜空を飾る夏の大三角に吸い込まれるように垂直発進しちゃって行ったんだが……何かしたのかい?」


「叩きのめしました」

優チャンは素直に殺人を告白した。

「だって……あの人達、しつこく声を掛けてきたんです」


「……そっか」

なるほど。優チャンはナンパ野郎どもを撃退したって事だね。

その圧倒的武力で民間人を粉微塵。星の世界へと放逐したんだね。

だったら仕方ないか、わはははは……

「くっ……い、胃が痛い」


「ど、どうしたんですか先輩?」


「な、何でも御座らん。それよりも、早く花火を見に行こう……」

俺は局地戦仕様乙女の優チャンを仲間に加え、更に来た道を戻っていると、

「おや?」

いきなり、人混みが消えていた。

俺達の前方約20メートルの空間だけ、ポッカリと空くように、忽然と人の姿が消えていた。

しかも屋台のおっちゃんの姿も無い。

作り掛けのお好み焼きやタコ焼きをそのままに消えている、マリー・セレスト状況がそこには展開していた。


「ど、どーゆー事?何でこの場所だけ誰もいないんだ?向こうの方は賑わっているのに……」

俺は首を捻りながら独りごちていると、

「……洸一さん」


「ぬぉうっ!?」

気配も感じさせず、喜連川の魔女様がすぐ側におわした。

「の、のどか先輩。一体、どこに行ってたんですかぁ」


「見世物小屋はないかと……探していました。小人とか凄い片輪がいると聞いて……」


「……今のご時世、そーゆーのは人道的に存在しないです。かなりアウトです」

やれやれ、このお人は……

「ところでのどか先輩。この辺り、突然人の流れが途絶えちゃってるんですが……もしかして、何かしでかしました?」


「……消しました」

魔女様は淡々とした声で、絶滅を宣言した。

まるで神のようだ。


「け、消したって……」


「あまりに多かったので、異次元へ飛ばしました。……人混みは苦手です」

素敵な笑顔でのどかさんはのたまい、俺は……

「うふふ♪花火が楽しみだなぁー♪」

現実から逃避したのだった。



精神的にも肉体的にも疲れ切った体を引き摺る様にして河川敷に設けた前線基地へと戻ると、

「おや?金ちゃん」

我が友が一人、ぽつねんとビニールシートの上に体操座りでおるではないか。


「よぅ、洸一」


「お、おいおい。何でまた一人なんだよ?跡部はどーした?」

俺が問い掛けると、金ちゃんは遠い目で夜空を見やり、

「跡部さん。なんかさ、ヨーヨー釣りに浪漫を感じるって言って、ずーっとそこに……」


「……」


「僕は……ちっとも寂しくないよ」


「傍で見てる俺が寂しいわッ!!」

俺はよっこらせと、金ちゃんの隣に腰掛けた。

「ったく……ま、花火が始まれば、アイツも戻ってくるだろ」


「そうだな」

金ちゃんは頷いた。

「ところで洸一。皆は……どうしたんだ?」


「は?どうしたって……」

俺は振り返り、

「いねぇーーーーーーーッ!!?」

全員確保した筈なのに、誰一人付いて来てなかった。

「お、おいおい……冗談じゃねぇーぞ。また一から探すのかよ……」

キリキリと、胃に激痛が走る。


「も、もういい。俺は知らんッ!!」

とか言いながらも、ゆっくりと腰を上げる俺。

何故なら、このまま放置しておくと人的被害が大き過ぎるからだ。

「ちくしょぅぅぅ……本気で泣くぞ、俺はッ!!」

って、既に号泣しているんだけどね。



PS……

皆を探している内に、何時の間にか花火は終わっており、もう何がなんだか……

一体、俺は何しにここまで来たのだろうか?と暫し放心。

ま、それはともかく……

散財した結果、実に小遣いが無い。

非常に拙いと言うか、既に国家非常事態宣言だ。


うぅ~む……

予選会に向けての練習も大切だが、何かバイトをしないと飯も食えなくなり、このままでは夏が終わる頃には局地的飢饉に見舞われてしまうだろう。

あ~……

何か割りの良いバイトでも、ありゃせんかのぅ。








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