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俺様日記~1学期~  作者: 清野詠一
34/53

淑女達の午後



★7月2日(土) 


土曜日は半ドン。

授業が終わり、家に帰り昼飯を食らい、暫くゴロゴロしていると、ピンポーンとチャイムの音と共に、続々と皆さんがやって来る。

榊さん家の可哀相な子に風早さん家の馬鹿。

神戸から来た稲妻に北海道から来た異能力者。

そして格闘技に青春を捧げちゃっているしょんぼりな師弟に、人様の役に立つどころか災いを振り撒く禍神のようなメイドロボ2体。

極め付けは喜連川財閥が誇る魔法使いとその究極召還獣などなど……

そんな彼女達にみなもチャンをプラスして、総勢11名が狭い俺様の家にやって来たから、もう大変なのだ。

普通、これだけ平均値を上回る可愛い女の子達が集まると、男としてはウハウハで羨ましいと思うかもしれないが……ンなぁ事は無い。

何しろ彼女達は色々と特殊なのだ。

一般人のカテゴリーには絶対に当て嵌まらないのだ。

だからもう、なんちゅうかねぇ……

気分は、我侭なお姫様(×10)に仕える下男って感じなんだよ。


「さて、来週はテストだし……面倒臭いが、張り切って勉強でもしますかな」

ソファーなどを片付けて広くなった居間に集まった乙女達に、俺はそう言うが、

……ぬぅ、聞いてねぇ……

皆さん、和気藹々としているのだが、なんかテキトーだった。

しかも今日の晩飯がどうだの、新しい寝巻きを持って来ただの、と話している。

飯食うどころか泊まる気満々だ。


「しっかし、エエのかなぁ」

俺は呟く。

と、美佳心チンが教科書を鞄から出しながら、

「何がやねん?」


「いや、何て言うのかさ、年頃な女の子が、同級生の男の家に泊まるなんて……よく親御さんが了承したものだと思ってな」


「今更なに言うてねん」

美佳心チンはキシシシシと笑う。

「もしも洸一君と二人っきりやったら大問題やけど……これだけ他に女の子がおるんやで?女の子同士のお泊り会みたいなモンや。むしろ洸一君が邪魔やねん」


「じ、邪魔者扱いですか?」


「そや。せやから洸一君は、誰か友達の家にでも泊まりに行きーや」


「う、うあわぁぁーーーん……ここ僕の家なのにぃ」


「冗談や。ほなボチボチ、勉強始めよか」



テストが目前に迫っている所為か、勉強はサクサクと進んでいた。

穂波と委員長は、智香の馬鹿に勉強を教えており、みなもチャンにはまどか、優チャンには真咲姐さんがそれぞれ面倒を見ている。

そしてラピスは姫乃っチが付いており、俺にはのどかさんとセレスが付いていた。


「しっかし、セレスよ。前から気になっていたんじゃが……」


「_何でしょうか?」


「同じメイドロボなのに、セレスとラピスは……なんちゅうか、何で出来が違うんだ?セレスは学校の成績だって良いだろ?ラピスは……時々、九九の七の段を間違えたりするんだぜ?」


「_比べること自体、大間違いです」

セレスはフッと笑みを溢した。

「_とは言え実の所、ハードの性能そのものは、駆動系を除き、あまり大差がありません」


「そうなのか?」


「_はい。ただ、ソフト的には段違いです。私には、ハードの性能を限界まで引き出すOSが組み込まれており、ラピスチさんのように、余分な萌えシステム等は搭載されておりません。その分、処理能力に差が出るのでしょう」


「あ~……そう言えば、前に二階堂のおっさんも同じような事を言ってたのぅ。ところで、そもそも萌えシステムってなんだ?」


「_簡単に言えば、『あやややー』と叫びながら階段を転げ落ちるシステムです」


「ぜ、全然に分からん…」

そんなやり取りをしながら勉強すること数時間、外が茜色に染まる頃になると、さすがに皆も集中力が切れて来たのか、何だか他事をやり出していた。

勉強を教えていた筈の穂波は智香とお喋りを楽しんでおり、委員長は姫乃っチとテレビで夕方のニュース番組を見ている。

みなもチャンに至っては、既にお眠の時間なのか、コックリコックリと舟を漕いでいた。


「さて、そろそろ夕食の買出しに行くかな」

と、真咲姐さんが立ち上がる。

セレスも、御一緒しましょうと立ち上がった。


「ところで、洸一は何が食べたい?」


「ん?ん~……別に何でも良いぞ。真咲しゃんに任せます」


「分かった」

真咲は頷き、セレスを連れて買い物に出掛けた。


さて、俺は何をしようかのぅ……


「ねぇ洸一」


「ふにゃ?なんだ、まどか?」


「ちょっとPCでネットを見たいんだけど……良い?」


「構わんぞ?俺の部屋にあるから、勝手に使えば良いが……何を見るんだ?」

よもやエロサイトか?


「ちょっと面白い格闘関係のサイトがあるのよ。……優、それにみなもも、一緒に見なさい」

そう言って、まどかは優ちゃんと寝ぼけ眼のみなもチャンを連れて、二階へと上がって行ってしまった。

もはや遠慮無しと言うか、まるで自分の家のような気軽さだ。


「ま、別にエエけどねぇ」

俺はゴロリと横になり、そして何とはなしにテレビなんぞをボーッと眺めているが……

むぅ…

ふとした拍子に、机の下、目の前に座っている智香の馬鹿の健康そうな太もも等が、目に飛び込んで来たのだった。



ぬ、ぬぅ……

机の下から、智香の太ももが見えた。

しかもこの馬鹿、短いスカートなんぞを穿いているから、太ももの更に奥、男子禁制の聖地が、そこはかとなく見えちゃっているではないか。


ブラボー……おお、ブラボーッ!!

何て言ってる場合ではない。

俺は紳士だ。

偶然とは言え、婦女子のスカートの中をジッと見ちゃっているのは如何なものだろうか?

ふっ、まだまだ俺も青いのぅ……

ゆっくりと体を動かし、目を逸らそうとするが……不思議なことに体が動かない。

しかも視線は智香のシークレットに釘付けのままだ。


むぅ……黄色に赤い模様……あれはイチゴの柄か?

首をググィっと伸ばし、更に観察。

心の中で、やっちゃイカン、と小さな囁きが聞こえるが……

そこはそれ、俺も紳士である前に若い男だ。

女性の下着に興味を覚えたとて、致し方あるまいて。


ち、智香の野郎……生意気にもエロ可愛い下着なんぞを着けやがって……

もしかして俺を誘惑しているのか?

ふ……上等だ。その誘惑に乗ってやろうじゃないかっ!!


「……洸一君や。アンタそないな所で何してんねん?」


「ぬおぅっ!!」

いきなり美佳心チンに声を掛けれら、俺は驚いて体を起こすが、その拍子に思いっきり机の下に後頭部を打ち付けてしまった。

「ぬぉぉぉぉッ!?あ、頭が……頭が割れたっ!!」

ゴロゴロと転げ回る俺。

どうやら気付かないうちに、俺はかなり机の下に入り込んでいたみたいだ。


ち、ちくしょぅぅぅ……謀ったな智香めっ!!


「だ、大丈夫、洸一っちゃん?」

と穂波。

心配そうな顔で

「何か、ゴンッて凄い音がしたけど……」


「だ、大丈夫だぜぃ」

ちょっと大きい瘤が出来ちゃったけどな。


「榊さん。そないアホな男は心配せんでもエエて。どーせ洸一クンの事や、机の下に潜り込んで女の子の太ももでも観察してたんやろ」


くっ……鋭いッ!!

しかし、覗いていたのは更に奥地の方だがなッ!!

「ば、馬鹿にするにゃっ!!この偉大な俺様が、そんな破廉恥な真似をするかっつーんだ」

実はするのだが。


「どーだか」

委員長はフンッと鼻を鳴らした。

そしてふと何か思い出したかのように目を細め、どこか含み笑いを溢しながら、

「それよりも洸一君。エエんかい?」


「は?エエって……何が?」

俺は瘤の出来た後頭部を擦りながら尋ね返す。


「まどかさん達や。まどかさん、洸一君のPCを触りに行ったみたいやけど……大丈夫なんか?洸一君の事や、スケベェな画像とか、保存してあるんとちゃうんか?」


「ふっ、馬鹿にするな委員長。この俺は、そー言ったものには興味が無いのだよ」

もちろん、大嘘である。

そーゆー心ときめかす画像などは、ちゃんとプロテクトが掛かった隠しフォルダに入れてあるのだ。

だから誰が触っても安心なのだ。

わははははは……

「って、いかーーーーーーーーーーんっ!!?」


「な、なんや?どないしたん?」


「ち、ちょっと…」

俺は慌てて立ち上がり、いそいそと二階へ向かう。

ヤバイ……

ヤバイですよ、これは。

紳士の嗜みでもあるエロ画像などは、決して他人には見られないように細工してあるから安心なのだが……

俺とした事が迂闊にも、PCにゲームディスクを入れっぱなしだった。

そのゲームが、普通のゲームや、純愛系のちょっとエッチなゲームだったら、まだ何とか取り繕うことが出来るのだが……

出し忘れているゲームは、昨日買ったヤツ。

そう……『陵辱・格闘娘~ボクの淫靡な復讐~』だ。

『陵辱・格闘娘~ボクの淫靡な復讐~』……

もう、これ以上無いぐらい、エロゲーらしくてグーなタイトル。

しかも陵辱・格闘娘・淫靡と言う熟語は、まさにトリプル役満級の破壊力だ。

見つかったら最後、如何な言い訳も通用しまいて。


あぁ……神様仏様、なにとぞ見つかってませんように……

俺は呼吸を整え、自分の部屋のドアを開ける。

「……あぅ」

見つかるどころか、ゲームは既に立ち上がっていたのだった。



あひゃーーーーーーーっ!!??

扉を開けた瞬間、目と耳に飛び込んで来たのは、『いや、やめてっ!?』と言う迫真の演技な声優さんの声と、体育館倉庫らしき場所で押し倒されている空手着姿の髪の長い美少女の、全く言い訳の出来ないイベントシーン。

しかもご丁寧に、『ちくしょぅぅぅ、いつも俺を殴りやがって……たっぷりお仕置きしてやるぜッ!!』と言う、何だか俺の心を代弁しているかのような素敵なテキストまで表示されていた。


あ、あかん……

呆然と立ち尽くす俺。

そんな俺を、優チャンはオロオロとしながら、みなもチャンはポカーンと訳が分からないと言った感じで僅かに首を傾げ、そしてPCの前に座っていたまどかは細めた目で冷ややかに見つめていた。


く、空気が重い……

重力で潰されそうだ。

ど、どうする……

どうするよ、俺?

か、考えろ……

とにかく、今は可及的速やかにこの窮地を脱する方法を考えろっ!!


この言い逃れの出来ない状況の打破する為、俺は全神経を脳に総動員し、超高速演算を開始した。

一番オーソドックスな方法は……「友達から借りた」と言い張ることだ。

がしかし、物が物だけに、そんな言い訳は通用しないだろう。

普通のエロゲーならまだしも、問題の物はコアな作品だ。

しかも「格闘娘」と言うピンポイントターゲットに絞っている。

口八丁手八丁な俺様も、さすがにねぇ……

うぅ~ん……こうなったらもう、徹底的に開き直ろう!!

たかがゲームじゃないか。

少しは変な目で見られるかもしれないけど、完璧に嫌われるとか、そーゆー事はないだろう。

それにだ、なんちゅうか……皆とは、言葉で言い表せない不思議な絆で結ばれているような、そんな気がするんだ。

だから大丈夫なんだ。


「あ~……なんだよ、俺様のエッチゲームをやってるのかぁ」

俺は殊更、陽気な笑顔でPCの前に近づくが、彼女達はザザッとまるで潮が引くように、部屋の隅へ。

「な、なんだよぅ」


「……変態」


「ハゥァっ!!?」

結ばれてねぇーーーーーーっ!!?

全然、大丈夫じゃねぇーよ!!

まどかの言葉に、俺は凍り付いた。


「まさか洸一に、こんな趣味があったなんて……」


「いやいやいや、全っ然、違うんですよ?」

俺は必死になって否定した。

「な、何て言うのか……エッチゲームは男の嗜みなんですよ。統計によれば、成人男性の85%は最低一つは所有しているアイテムでして……」


「嘘おっしゃいっ!!」

まどかはガルルルゥと唸りながら、俺を汚いモノでも見るかのような視線で睨み付ける。

「そもそも洸一。アンタは未成年でしょッ!!」


「ご、ごもっとも」

うぅ~む……

どーして女って、男が何かエッチなアイテムを持っていると、こんなに嫌がるのかねぇ?


「しかも普通のエロスなゲームじゃなくて……その……こんな野蛮で無理矢理な……アンタの隠れた性癖を見ちゃったわ!!」


「そ、それは全然、いや本当にマジと言うかガチで違うんです」


「何が違うのよぅ。何か知らないけど、格闘技を習っている女の子を無理矢理襲ってるじゃないのッ!!」

まどかは嫌そうな顔でPCを指差した。

そして少しだけ声のトーンを落としながら、

「まさか洸一……私とか真咲を、そーゆー目で見て……」


「いやいやいやいや、そこまでチャレンジャーでは無いと言うか……だからね?本当に違うんですよ?」

俺はPCの電源を落としながら反論する。

「え~と、なんちゅうか……毎日御飯ばかりだと飽きるから、偶にはパンが食べたい時とかあるでしょ?それと一緒で、偶にはこーゆーゲームもエエんでないかい?と思っただけでして……ゲーム内容と現実世界の間には、何ら関わりが無いと申しましょうか……」


「……変態」


「あぅ…だ、だから……」


「鬼畜」


「あぅ…」


「ど助平、サディスト、犯罪者……」


「あぅあぅ……あぅーーーーーーーーーっ!!」

俺はいきなり、まどかに飛び掛った。

洸一チン、もうテンパイだ。

何が何だか……思考回路がパンクしたよっ!!


「な、何すんのよッ!!?」


「……え?」

ふと我に返ると、俺はまどかをベッドの上に押し倒していた。

俺のすぐ前には彼女のどこか驚き怯えたような顔。

白いシーツに広がる艶やかな黒髪が、どこか淫靡に見える。


し、しまったぁぁぁぁぁぁぁッ!!?

テンパって、俺はとんでもない事を……


「は、早く退きなさいよッ!!」


「いや、その……誤解だぜ」

何が誤解なのか、僕にも分からんが。


「な、なによぅ……もしかして洸一。あのゲームみたいな事するつもりじゃ……」


「……」


「ち、ちょっと……なに真剣な顔で……」


「……俺が本当に、そんなことをすると思うか?」

俺は真面目な顔で、上から見下ろすようにまどかを見つめる。

もし本当にそう思われているんだったら、それは俺様の不徳の致す所だ。

精神修養の旅にでも出よう。


「それは…」

まどかの目は泳いでいた。

そして微かに頬を染めながら、呟くような小さな声で、

「洸一は……そんな事しないと思う……」


「当たり前だ」

俺はフッと笑みを溢した。

まどかも俺を見つめながら、笑みを返す。

何だか、いきなり雰囲気が変わった。

ちょいと良い雰囲気だ。

ベッドの上で横たわるまどかと、その上に乗っている俺。

お互いに無言で見詰め合っている。

これがゲームの世界なら、待望のイベントシーン発生と言う状況だ。

いや、現実世界でも、それは起こっていたのかも知れない。

ただし、二人っきりだったらの話だが。


「せ、先輩っ!!?何してるんですかーーーっ!!?」


「……え?」

我に返ったかのような優チャンの声に振り返ると、目の前には既に凶悪な拳が迫っており、瞬きする間もなく、俺の意識はクラッシュしたのだった。



「あぅあぅあぅ……痛いよぅ痛いよぅ。後頭部も顔面も、ダメージ限界突破してるよぅ」

俺は鼻を啜りながら、飯を食っていた。


いやはや……

あれから酷かった。

優チャンに顔面を殴られ気絶し、目が覚めたら問答無用で皆にボコられたのだ。

何でも俺は、エロゲームに興奮した挙句にまどかを襲った、と言う鬼畜な人物設定になっていたらしい。

誤解も甚だしく、誠に遺憾である。

しかも何故かまどかにゲームまで没収されるし、まさに踏んだり蹴ったりだ。

こんな事なら、本当にまどかを襲えば良かった……

ま、そうしたら俺は殺されちゃうがな。


「あぅぅぅ……僕ちゃん、何もしてないのにぃ」


「なによぅ。私を押し倒したじゃない」

まどかが唇を尖らす。


「あ、あれは殆ど不可抗力みたいなものだろうが。そもそも、ゲームの一つぐらいでギャーギャー喚く方がおかしいわい。ってゆーか、ゲーム返せよぅ……買ったばかりなのに」

あのゲームはチェックが入るから、ディスクレスでは動かせないのだ。


「返さなくて良いよ、まどかさん」

と穂波。

そして俺に箸を向けながら、

「だいたい、そんな卑猥なゲームをやっている洸一っちゃんが悪いの。悪の元凶なの。二度とゲームが出来ないように、目を潰して指もチョン切っちゃおうか?」


「あのぅ……穂波さん?もう少し血の通ったコメントは出来ないモンですかねぇ」


「しっかし、分からへんなぁ」


「な、何がだよ美佳心チン?」


「洸一君がスケベェなのは知っとる。せやけど、なんでゲームやねん?」


「へ?それはどーゆー意味でせうか?」

俺がどうしてエロゲーをやるかって事か?

そんなモン、決まってるじゃねぇーか……面白く萌えるからだ。

あと、現実逃避も出来るからね。


「だから、何でエッチなゲームばっかで、現実の女の子にはなーんにもせえへんのや?洸一君の周りは、可愛い子ばかりやないか」

美佳心チンのその発言に、皆は一斉に箸を止め、俺様を見つめた。

いや、みなもチャンは一人、美味そうに飯を食ってるが……


「な、なんだよ藪から棒に……」

俺は少しドギマギしながら、飯を食らう。

何だか皆の視線が少し痛い。

「お、俺様は紳士だからな。成り行きで、女の子とそーゆー事はしないのだよ」


「紳士があないなゲームを買うかい」


買うのだ。

「う、うっせーなぁ。ゲームにはゲームの良い所があるんだよ」

特に皆がハッピーになれる、ハーレムエンドとかある所がな。



食後、ダラダラと過ごした後はお風呂の時間。

さすがにこれだけの人数が俺様ハウスの一般的規模の風呂場に入ることは困難なので、皆で銭湯へ。

そして帰宅後は、もう少しだけ本来の目的であるテスト勉強。

色取り取りの可愛らしい寝間着姿の美少女たちに囲まれ、年頃な洸一チンとしては少しウハウハな状況ではあるのだが……

「なによ洸一!!こんな簡単な問題も解けないのっ!!」


テキストを間違える度に殴られるのは如何なものだろうか?

「ちょっと間違えただけじゃねぇーか。……てゆーか、ゲーム返せ、まどか」


「嫌」

まどかは漢字一文字で拒絶した。

「あれは没収よ」


「おいおい。一体、君は何の権限があって……」


「うっさい」

ジロリと俺を睨み付ける。

「アンタは真性の究極馬鹿で何でも直ぐに感化されちゃう精神薄弱者なんだから、あんなゲームやってたら間違い無く性犯罪者確定よ」


「よ、良くもまぁ、それだけ酷い事を……梅女には誹謗中傷って授業でもあるのか?」


「とにかく、あのゲームは没収」

まどかはそう断言すると、新しい問題集を押し付け、

「さ、次はこれをやる」


「……ゲーム返してくれたらやる」


「なに小学生みたいなこと言ってるのよ。やらないと、本気で殴るわよ?」


本気ですか?

それ、撲殺しちゃうって意味だよね?

「くっ……分かったよぅ。やりますよぅ」

俺は渋々、テキストに取り掛かった。

くそっ、まどかめ……

何時か必ず、堪忍して下さい洸一様、って言わせてやるぞ。









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