まさか
大滝舞花。私立中学に通う中学2年生。
身長172cm。肩にかかるくらいの髪の毛。
今日もいつも通り学校に行く。
電車にいつも通りの時間に乗るといつもの人がいる。
身長も同じくらいの、髪も同じ感じで顔も似ている人。
ぱっと見大学生くらいの人だ。
その人はいつも国立大学の教育学部の最寄り駅で降りてる。その大学の教育学部は自分が将来行きたい大学だ。
夏休み明けたばかりでまだ暑い。
…あ、今日は夏休み明けテストの順位が発表される。
学校に着くとクラスでは誰が何位になるかという予想会が始まってた。
この2年C組は男女仲がよく、楽しいクラスだ。
「やっぱ学年1位はA組の佐藤さんだろ!」
「でも今回はE組の高村が1位な気がする」
やっぱ1位は佐藤さんか高村くんのどちらかだ。
チャイムが鳴って担任の井原先生が成績ファイルを持って教室に入ってきた。
「今からテスト順位を返しまーす」
クラス中に悲鳴が響き渡る。
「今回の5教科のクラス平均は342点!学年平均より7点高いです!合計点が320点以下の人は補習があります。」
補修はやらなくて大丈夫だ。よかった。
出席番号1番の浅見さんから呼ばれていく。
「大島さん」
やばい!次だ!
「大滝さん」
「はい…」
渋々先生の方に結果を貰いに行く。
「スゴい!よく頑張った!!」
えっ!まさかと思い席について見てみた。
国語98点3位、数学99点1位、社会100点1位、理科100点1位、英語97点2位、5教科494点2位
やったー!!目標の490点達成!!
「お前何位?」
後ろの席の榊原が覗き込んできた。
「お前には教えないし」
榊原を睨みつけてやった。
「俺は21位だぞ。」
「よっしゃー!勝った!」
榊原はびっくりした顔をしながら言った。
「じゃあお前何位だよ」
「2位」
榊原はしょぼんとした。前は榊原に負けたもんな
お母さんと5位以内だったら小遣い貰う約束をしたから喜んでた。
部活が終わり、電車に乗って帰ってたらいつもの人が友達らしき人と一緒にいた。
めっちゃ見られる。気まずい。
家に帰ってお母さんに報告!
「テストの結果です。」
ファイルを渡した。
お母さんは見て笑顔になって
「頑張ったじゃん!」
って言ってくれた。
ある日、行事の代休のことだった。
友達と遊ぶために電車に乗ってた。途中で用事があるため、大学の近くの駅で降りて大学前を歩いてた。
「前川」
後ろから声がしたので後ろを見ると知らないおじさんがいた。
「今日は授業があるのに何してんだ。」
「え?」
「もうすぐ教育実習だぞ」
「私、中学生ですけど」
手を引っ張られて大学内に連れていかれた。
部屋に入ると授業直前だった。何が何だか分かんないまま座って持ってたノートと筆箱を出した。