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引きこもり歴300年、異世界で終止符を打ちますっ!  作者: グリルマグル
第ニ章 降臨した神、地獄の鬼を倒す
6/9

06 ◆ 地獄の鬼の前世






「もういっちょ!喰らえ!」


ゴン!


ー--バキバキィッ!!





その掛け声とともに砕け散るコンクリート

ギギギと鈍い音を出しながらゆっくりと傾く塀

怒鳴りながら棒を持って追いかけるオッさん


「ははっ!」

「おっさん必死」

『こらぁ!クソ餓鬼共!今日という今日はゆるさねぇぞ!』


「マジウケる」

「逃げろ!」

「うひゃっひゃひゃひゃ!」














俺の名前は、三波(ミナミ) 祐介(ユウスケ)高校生だ

青春を謳歌し、スリル満点の日々を過ごしている

まぁ世間一般的に言えば不良だ

学校の天井に穴を開けたり、タバコを吸ったり、万引きしたり色々している

ちょうど今日も学校の帰りに友人2人と良いことをしている最中である







今、何をしてるかって?

悪いこと?

いやいや!不良だからって悪いことばかりしている訳じゃないんだ。




仲間達と日本経済に貢献している所なんだ


え?意味不明だって?

学校からの帰り道にあるハゲジジイの家のボロボロの塀に蹴りを入れてトドメを刺してやったところだ


以前から傾いていてやばそうだったから新しくして貰うために蹴りまくって粉砕してやったんだよ!笑


まぁ、壊れたら買わないとね!

なんて素晴らしい活動なんだ


ボランティアよりずっといい

学校の優等生君が街のゴミ拾いのボランティアをしたことを自慢していたが、何がいいのかわからない

そもそも、街のゴミはゴミ収集車で片付けるはずだ。

さらにホームレスもゴミのおかげで生きていけてるはずだ


ということは、優等生君は人の仕事や、生命線(ゴミ)を奪って自慢していることになる

なんという外道!


だが奴は、俺たちに向かってこう言い放ったんだ


『人の物を壊すなんて最低だ』


と言われたな

その時俺も

『ホームレス達の生命線を奪ってるお前はどうなんだ??』

って言ってやったね

そしたらさ、『うるせんだよ!僕が評価されてんのがそんなに気にいらねぇってのか?大体お前らみたいに僕は馬鹿じゃないんだ!』

とか叫んでたね!いやー生意気な奴だよ本当

てか、馬鹿じゃないなら言葉を選べってんだよ!



じゃあ、物を破壊する行為は許されるのか?

そういう話になる


今回の塀の件、壊した方がいい理由があった

まず、傾いていて危険だった

次に、景観的に良くない

さらに、その塀のせいで近隣住民と10年間以上ももめていた

つまりだ、俺は日本のエルサレム問題を解決したと言っても過言ではのだ!



さらに

俺達はストレスを発散出来る

所有者は破壊されたおかげで買い替えられる

商品が売れる

経済が回る

みんないいことづくし!



言うなれば……そう、win!winって感じかな!



_______

___




「何がwinwinだよ」


「え?声漏れてた?」

うわ、やばいな……ウケる笑



「ああ、急に自己紹介し始めて超ウケたわw」


そ、そうか、引かれたらどうしようと思ったけど、ウケたならよかった……

うむ、計算通りだな


そう、俺は賢い

つまり、全てが計算通りなのだ!


うん?

おや、いつの間にか話が変わってる





「あのオッさんオモレーよな!」


「ああ!こないだも壊した際に『ぶっ殺すぞ!餓鬼ィ!』とか言ってた割にボコしたら『金で許して』とか言ってたしな笑」


「ギャハハハ!あれはウケるよクフッ…グフフフ」


「あのゴミ屋敷に住んでるガベー爺でしょ!」


「あの人、おっさんなのになんで爺って呼ばれてんの?」


「アレはコウが塵の英語の〈Garbage〉と爺のジを掛けて呼び出したのが始まりだよ」


コウとは俺のニックネームだ。

他にも猫好きの不良だから猫番長とか、

色々なのがあるらしい


番長になった覚えはない…

何故なら他校の生徒がゾロゾロやって来て襲撃なんていう、不良漫画に出てくるテンプレイベントを一度もこなしてないからだ



あれをこなさないと番長にはなれない!

入試を受けなきゃ高校に入れないみたいなものだ!

多分そうだ


うん、多分な



……


「明日学校じゃん面倒くせー」

休憩所(トイレ)でサンドバッグすればいいじゃん」

「あー、アレはマジ楽しい」


サンドバックってのは、生意気な優等生君をボコす会の隠語だ

あれは最高なんだ!マジスカッとするしな!

殴りたくて右手が疼くぜ

まぁ、顔とかはバレるからやらないけどな

バレないように足とか肩とか腹とかが一番いいんだよ笑


ん?バケツで水?そんなことやらないよ!

バレちゃうだろ。ビショビショだったら俺たちがやりましたーって言ってる様なもんだしな


そう言えば、漫画買ったら小遣いなくなっちゃたなぁ?



「サンドバッグ君にまた給料貰わないとな!」

「わざわざ殴ってあげてんだから笑」

「生意気なんだよアイツ」



「最初に殴ったのいつだっけ?」

「おまっ!笑」

「ギャハハハハ、コウ!おまえがやり出したんだろ!」

「最近、忘れっぽくてのう……」

単にどうでもいいから、忘れただけだが


「あいつが優等生ぶって俺らに馬鹿って言った時にお前がボコしたのが始まりだよ」

「生意気だけどいい奴だ。金づるとして」


「「それな!」」


「そろそろ家近くなってきた」

「あー、疲れた、ここで俺右に曲がるから!じゃーね」

「じゃあ、自分もそろそろ帰るわ?」


「じゃーね」

「さいならー」




あ。明日学校楽しみだ

金!金!








---タッタッタッ!



バン‼︎


「ただいまっ!」



「お帰りなさい」

「にゃーん」

うちの猫は偉いなぁ!

ちゃんと返事をしてくれるなんて!



「ふははは、猫吉!元気にしてたか?」

おう!今日もツルツルでもふもふしてる!

あーー、最高♪



「にいちゃん!何度言ったらわかるんだよ!猫吉じゃなくて、ミーちゃんだよ」


何がミーちゃんだよ!国民的アニメの未来から来た狸の彼女の猫の名前と一緒じゃねぇか!

ネーミングセンスマジないぞこいつ……

ぜってー、猫吉か、ニャンの助の方がいいのに……



「はぁ……お前が妹だったら良かったのに」


「なんでだよ!」


「にいちゃんって言われるのは妹の方がいいに決まってんだろ!妹がいたらな……」


「キモッ!」


キモとか、兄貴になんてことを言うんだ!

だったら妹じゃなくて弟で良かったとでも言えばいいのか?

例えば、

『本当に弟で良かった!お前が好きだ!ペロペロしたいくらい……』

うん、なんと言う事だ

今のセリフを思いついた自分に絶望したぞ


「うお!にいちゃん!なんか悪漢が!」


すみません、絶対 俺のせいです。

ごめんな弟よ…




「浩介!拓海!早くご飯食べなさい!」




「「はーい」」



拓海というのはこの弟だ

まぁ、なんだかんだ言って可愛い奴だと思っているが……


飯は米と鮭と味噌汁か


昭和か!

まぁ健康的でいいかもしれないけど……


◇◇◆◆



「「「ご馳走様でした!!」」」




ふう…飯も食い終わったし風呂入って寝よ


長風呂最高!


ふいー…


でもなぁ、弟と一緒に入れってどう言う事だよ!

だから妹がいいって言ってんだ!



《ロリコンか?》


違うよ!むさ苦しく狭い風呂に男2人なんてやだぁぁ!



「兄貴…マジキモいからやめて?」


「アウチ!ついに”にいちゃん”から兄貴に…」


うわっ!そんな目で見ないで!

いやぁぁぁぁぁぁ



「俺は先に上がる、明日は早いんだ」



体を拭きペンギン柄のパジャマに着替えた俺は布団に潜り込んだ

「うわぁぁぁぁぁぁん!寂しくないもん!弟に嫌われても…」



なんて言いながら寝た


布団に入って二分で…

おやすみー


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