02 ◆ 神様、異世界の駄女神を論破する
スウっと目を開けるとそこは天界だった
天界とは、神々が人と会うために用意している空間のことである
神界とは違って、無駄なものがない真っ白な空間のことだ
そう思考の海に呑まれていると声が聞こえて来た
「はっ!ここは?俺は爆発に巻き込まれて死んだんじゃ……」
「おや?ここ何処ですかね?僕は確か交差点を渡ってはずでしたが?」
後ろを向くと青年と40半ばのおっさんがいた
自分が40歳の若造をおっさんっていうのは変だな笑
「ここは何処なんだ!テンプレなあれなのか?」
「少年、それはないでしょう笑」
「な、なぁ!そこの武士みたいな人っ!」
「武士だと?何処にいるのだ?」
今の時代武士はいないはずだが
「あんただよ!ってかとりあえず自己紹介しない?」
「ふむ、良いぞ!」
聞いといて損はないだろう
「いいですよ」
そうして自己紹介が始まった
じゃんけんの結果、おっさん→青年→おれ
になった
300年の間にじゃんけんもルールが変わるとは…
最初はグーだと?
まぁいいや、聞こう
「えーと、私の名前は小林 卓也です。会社員で、ここにくる直前は横断歩道を渡っていました」
お?奇遇だな!おれも横断歩道にいたぞ
「次!俺だな!名前は矢萩 龍弥!高校2年生だ!さっきまで自転車で道を走っていたら燃えたトラックが近くに落ちて来て爆発してだぶん死んだ……」
お?奇遇だな!おれはトラックを爆発させたぞ!
なんて運命的なんだ
「おれは、うーむ、名前は天巳だ。300年程前までは妖怪狩りをしていた一柱だ。一応、お参りに来てくれた奴には、幸運と厄除け、それから武術の上達する加護を与えていたな」
「「は?」」
「え?もしかして神様ですか?」
「もしかしなくても神だ。妖怪狩り、悪霊退治、化け物討伐なんかもおれの仕事だ。天狗の神 アマミだ。
おっと忘れていたがここにくる直前、交差点に突っ込んで来たトラックを真っ二つに切りとばして爆発させたな笑
それにしても青年、災難だったな
トラックが降ってくるなんて!」
「「いや!あんたのせいだろ!!!!」」
「ははは!ナイスツッコミ!笑」
◆◇◆◇
『貴方達はトラックに轢かれて死にました』
「うん知ってる」
「私は巻き込まれて召喚ですね」
「おれはトラックに轢かされそうになってぶった切った笑」
『えええええ!!!!?そんな訳ありません!人間にはそんな力はありません!
あれ?そういえばおかしいですね?
矢萩 龍弥さんだけが来るはずでしたのに
んん?』
「ははは!おれ神なんだけど?」
「僕は巻き込まれてましたー」
30分後
『はぁ、確認が取れました。まず、矢萩 龍弥さん、貴方は木っ端微塵に吹き飛ばされて跡形もないので転生か再構築後に転移ですね』
「転生?転移?ラノベ展開か!」
「テンプレですねぇ」
「あ、おれもこないだ読んだラノベにこんなシーンあったの思い出したわ!」
「なんで神様が知ってんだよ……」
『貴方達、3人…いえ、2人と1柱は異世界に行ってもらいます!剣と魔法のファンタジー!人類に襲いかかる恐怖の覇王!転生、転移した勇者は悪を打ち砕く為に旅に出るのであった……!!!!
って感じですよ!チートもあげますし、転生か転移か選べますよ!』
「へー!面白そうじゃん!」
「うわー、嫌だなぁ。スローライフが送りたいのにぃ」
「俺はハーレム王になるぜ!」
魔法使ってみたいしな
転移するかな?
『矢萩 龍弥さん、決めましたか?』
「再構築後に転移で!」
『えー、おっさん?決めた?』
「なんか、扱いひどくないですか?僕の名h『早く』
……転生で」
『神のひとー?』
「魔法が使えるようにしろ、それから彼らに加護を与えてやれ。転移は自分でする」
『わかりました!……って!なんで私が命令に従ってんのよ!』
「お前がおれより下の神だからだ」
おれも彼らに加護を与えてやるかな?
それにしても魔法か
楽しみだ
「おい、魂を送っていいぞ!」
『了解です!隊長!……って!だから洗脳をやめて下さい!』
はははははは!愉快愉快
さてと
「『それでは、良い来世を!』」
『なんであんたも行かないのよ!』
「え?神だから、」
『いけぇぇ!〈強制転移〉』
「あ、ちょっ!ま...…」