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プロローグ

 キーンコーンカーンコーン


 授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた、それとともに一人の少女が蒼みのかかった銀髪をなびかせて立ち上がってこちらに向かってくる。十人に聞けば十人が美人と答える美少女で、目は深い藍色で覗けば吸い込まれてしまいそうだ。

 彼女の名前はアリシア・アルディーン。武芸に優れ、魔術の才に富み、頭も切れ、家柄も良く、さらには人当たりも良い、と正しく天に愛されて生まれてきたと言っても過言では無いだろう。


「アレンくん、一緒にお昼を食べに行きませんか?」


 彼女が俺に話しかけてきた。武芸はともかく魔術の才に乏しく、頭も人並みの辺境からきた平民である俺と彼女が親しくしているのは、ここが身分を問わない魔術学院というのを考えても違和感があるだろう。


「せっかくだけど、今日は遠慮させてもらう。先約があるんでな」


「そうですか...せっかく恋人同士なのですからお昼ぐらい一緒にと思ったのですが...」


 そう、彼女は俺の恋人なのであった。ほとんどの男が羨ましがることに。実際はそんなにいいものでは無いけれど。なぜなら、俺は知っているからだ。彼女は...




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