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図書館のはずです

いよいよ主人公登場です

 ハッキリ言わせてもらえれば、ね。マジでここ


 ーー異世界だと思います


 皆さんこんにちは。新見さなえです。このたび市立図書館に入ったのですが。くらっとめまいの後にこの状況です。私の前を本が飛んでいきましたよ。

 いやあ、異世界トリップってこんな気持ちになるんだろうなー。まず感じたのは疎外感です。本がバサバサ飛んでる図書館ってどう思うよ? まず地球じゃねぇ。

 普通異世界トリップってもう少し人手が少ないところに来るんじゃないでしょうかね。森の中とか。草原とか。

 まじで図書館から図書館へトリップとかありえないよ? ああほら、司書さんみたいなひとがこっちを不思議そうに見てる。手エ振っとけ、やっほー!

 おや、何も見てないって呟かれてしまいました。こ こ に い ま す よ ... ... ! ほらほら!

 

「おわっ」


 私の前を一際厚い本が飛んでいきました。ハイ、ごめんなさい。調子乗りました。そうですね、まずは情報収集といきましょうか。

 カウンターらしきところに私は身を乗り出して近づいてみます。


「すみませーん」


 声をかけるとかなりの美人さんが奥から顔を出してきました。


「受付ですか? カードを出してください」

「カード?」


 カードってなんなんすかね?


「えと、国民カードのことですが・・・もしかして旅行者の方ですか?」


 とりあえず頷いておこう。

 受付嬢は大きく頷いています。


「なるほど。ではカードを作らなければなりませんが・・・どこからいらっしゃったので?」


 ですよねー。今の私はかなり不審だもんねー。


「えっと・・・気付いたらここにいたって言うかなんていうか」

「ふむ。ではこちらにサインを」


 今のは突っ込むところだと思いますよ、おねぃさん。

 出された書類はかなり古ぼけたものでした。ぺらっぺら。コレに書いても破れてしまわないか非常に心配です。


「大丈夫ですよ~魔法がかかってますからね~」


 瞬間、私はフリーズしました。

 きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!魔法の世界!私も使えるフラグですよねコレ!

 受付嬢、哀れな目で見つめないでくれ。地味に痛いです。


「この書類に記入してくだされば魔法についての本を捕獲することができますよ。代筆しましょうか?」

「いえ、大丈夫です」


 即答すると受付嬢はやや驚いた目で見てきました。

 後で知ったことですが、この世界の識字率はすごく低いらしいです。書けるのは貴族以上の人らしい。私は庶民だ。

 なんか引っかかるような書きにくい羽ペン(はじめて触った!)で名前を書くと紙を受付嬢に渡しました。


「これでいいですか?」

「!!!!!!!!!!!!?」


 どうした。


「神聖語ですって・・・?!」

「日本語ですが」

「ニホ・・・これは、神聖語、です!」

「神聖語ですか」


 また、たいそうな名前がついていますねえ。普通に新見さなえって書いただけなんですけども。


「すばらしいっ! 神聖語を理解されていらっしゃるのですね!? ぜひ私にご教授願いたいです!!」


 受付譲さん、谷間!谷間見えてる! 何この劣等感!誰か助けて!・・・え、ずれてる?ナンノハナシデスカネ?

 そのとき、奥から男の人がのぞきました。ぼっさぼさの髪の毛に、なにやら野暮ったい服を着ています。メガネが厚い。あれは許せない。


「レフィー、ご迷惑をかけるんじゃないよ」


 救世主でしたか。失礼しました。


「マスター! この方、神聖語をかけるんですよ! 理解されてもいらっしゃるんですもの」

「おや、それはすごいね。・・・なんだって?」

「ですから」


 興奮した様子の受付嬢がなおもしゃべろうとするのを、マスターと呼ばれた男が止めてこちらを見てきます。

 おっと、私は何もしていないはずなんですが。


「きみ、名前は?」

「新見さなえですが」

「サナエ? そうか。それで神聖語が書けるんだね。こちらへおいで」


 カウンターの入り口を開けてくださってますが、私はそんなことに興味が無いのです。私に何のメリットも無いんだもんねっ!


「ふむ、では一つ願いをかなえてやろうか」


 マスターさん・・・私、それ裏切られるフラグだと思います。


「サナエさん、こちらがカードになりますよ。旅人ということで仮のカードになってます。本は私に言ってくださればいつでも捕獲しますから。とりあえずこれ、魔法に関しての本です」

「ありがとうございます!」


 マスターさん、何をニヤニヤしているんですか。


「では私が魔法を教えてやろう。こっちにこないか?」

「いきましょう!」


 マホウダイスキ!!



 ***



「だからこうふわっと・・・」

「分け分かりませんよ!?」


 ゆるっゆるの説明をするのは結構ぼろぼろの男です。彼はセレングィグというそうです。彼の思考は私の理解を超える。


「体の中心にある置き火を意識して」

「置き火って何ですかッ」

「こうぽかぽかするやつ」

「分かりませんよっ」


 レフィー、と男は呼んでます。レフィーさんは自由に本を読んでいます。

 おーい。マスターさんが呼んでますがいいんですかー。


「レフィー、魔法の本を貸してやってくれ」

「いいですよ! さなえさんのためなら!」


 私は貴女のマスターじゃないのですがね。

 ま、レフィーさんはかわいいのでいいのです。

 魔法の本にはこう書いてありました。


『置き火とは命の光である。魔法ではそれを消費するが、次の日には元の置き火に戻っている。成長とともに使える置き火の大きさが増えるが、高齢になると減る』


「こういうやつなんだけど」

「なるほど分からん」

「マスターそれで分かるほうがすごいと思いますよ! 最初が肝心なんです。サナエ様お手を拝借」


 まて、今、様って言わなかったかな!?


「どっちでもいいのです。こうやって力を探すんですよ」

「よくないよね!?」


 レフィーさんの手から暖かいものが流れ込んできた。同時に私の中の心臓あたりが暖かくなる。これが置き火か。


「そうです」


 レフィーさんはくすっと笑いました。バリかわいいです。


「それを、そうですね、血管を通して手に持ってくる感じです」

「こうかな」

「いいですね! それが魔法の発動前です。後はイメージで何とかなりますよ。じゃあ、この神聖語を唱えてみてください。」


『イメージの具現化』


 はい、バリバリ日本語です。

 手が暖かいうちにやってみてください、と言われて私がとっさにイメージしたのは、シンデレラのドレスです。

 ・・・・・・なんでだろうね。まあ、金髪碧眼のレフィーさんにイメージを引きずられたんだろうけど。

 結論。レフィーさんの服が青みがかった白いドレスになりました。でも生地は麻のまま。私の中で、質量保存の法則と言うのが引っかかってしまったみたいです。

 首をかしげて二人を見ると、


「ちょちょちょ、君何者?」


 あわてるセレングィグさんと、


「サナエ様・・・」


 感動の涙で潤んだレフィーさんがいました。

 マジで何なの。


「普通こんな大部分を変えることなんて置き火的に無理なんだけど」


置き火の量で干渉できる現実が決まるらしいのですが。まあ、私異世界人ですし。


「王様にご報告しなければ・・・」


えっと・・・なんか大事になってませんかね。

ありがとうございました! しばらく投稿できませんが宜しくお願いします!

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