2話元日本兵生活大変らしいです
何もパクってないよまじで
それから数週間。心音は里の寺子屋で「手伝い」として暮らすことになった。
手伝ってくれたのは、歴史を食べる半獣、上白沢慧音だった。
「天津川さん、あまり力まなくていいんですよ。この里では、銃《三八式歩兵銃》を構える必要はありませんから」
慧音の言葉に、心音は小さく頷いた。
「……了解しました。でも、整備の怠りだけはできません。武は常に『いつでも動ける状態』であるべきですので」
普段の心音は、里の住人から見れば「礼儀正しい、小柄なお嬢さん」だった。
二十五歳という、女性として最も華やかなはずの年齢。しかし、改造によって止められたその肉体は、少女のような危うさを残している。
彼女はお気に入りの場所となった寺子屋で、子供たちに文字を教えたり、高い所の荷物を取ってあげたりしていた。
「先生、天津川さんってすごい力持ちだね!」
「ああ、……少し、コツがあるだけだよ」
彼女は、無意識に漏れ出す身体能力を隠すのに苦労していた。一度、建付けの悪いドアを直そうとして、ドアの枠ごと引き抜いてしまった時は、顔を赤らめたこともある。
だが、彼女の心は、完全には幻想郷に馴染んでいなかった。
夜、一人になると、彼女は自室で菊紋章の刻まれた礼刀を静かに取り出す。これはマジックアイテムを創造する能力で作った複製ではない。天皇陛下から直々に下賜された、世界に一振りだけの特注品。
これを握る時だけ、彼女は自分が「遘̵√?豌̵ク驕̵?縺ョ蟷̵ウ蜥̵後?縺溘̵め縺ョ蜈̵オ蝎̵ィ」であることを再確認できる。
「……世界平和、ですか」
新しく定めた座右の銘を口にする。それは、自分を改造した七三一部隊への、、そして戦い抜いた過去への、静かな反抗でもあったのかもしれない。




