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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

殺人ピース(中)

作者: Grow

この作品は http://ncode.syosetu.com/n1729k/ このURLの

殺人ピース(上)の続きです。

こちらをお読みで無い方は(上)を読んだ上でこちらを読んでいただけると嬉しいです。

3日目

俺はケータイのアラームが鳴る30分前には目がさめた。昨日の失敗があったせいで緊張もあったのかもしれない。俺は1杯7円という格安でとてつもなくまずいコーヒーをいれると今日の予定を確認した。藤田に1度顔を見せてしまったからにはもう顔を見せるのさえ、とてつもなく危険だ。まずいコーヒーを飲み干すと俺は習慣となりつつあるストレッチを始めた。今日は昨日よりも余裕を持って行動することんに決めていたので、俺は今日行く場所を1箇所に絞った。藤田が15:00に訪れるであろう彼の友人の花田という1人暮らしをしている中年の男の家で今日藤田を殺すことを決めていた。そこの家の花田という人にはもうしわけないが、藤田を殺すためにも俺はその家の中で藤田を待たねばならない。だからまずはその友人の花田を殺す事が最初の試練となるだろう。俺は訪問販売を装い花田の家に上がりこんで後ろから刺し殺す予定だったので、今日はいかにも訪問販売の人って感じのバッグにナイフを入れ替えた。俺はふと、自分のバッグの中身のものに不安を抱いた。本当にナイフとケータイしか持っていかずにいいのだろうか・・・?この装備だけで花田を殺し、藤田を迎え撃つことができるだろうか・・・?そんな不安が出てきたので俺は何の気なしに、いざというときに使えそうなチャッカマンと痴漢撃退ようの催涙スプレーをバッグに入れておいた。持ち物や予定を一通り確認し終えると、昨日コンビ二で買っておいたコロッケパンを食べた。「今日腐りかけのパン食って腹壊したらしゃれになんないからな。」ぼそりと自分に言い聞かせるようにつぶやくと、残りを全て口の中に押し込んだ。久しぶりに食った消費期限内の食品はすごく極上なものだった。俺は朝食を取り終わると家を出た。長年愛用している自転車にまたがると、昨日とは違い春の暖かさを背に受けながらのんびりと自転車をこぎ始めた。俺は周りの春の景色を楽しみながら自転車をこいだ。たぶんこの先俺は景色を眺めながらぼんやりと自転車をこぐことなんて出来ないだろうな、と初めてこのゲームが終わったあとのことを考えると、その何気ない景色の一つ一つに感慨深いものがあった。俺はそんなかんじで昼頃に花田の家に着くまでのんびりと自転車で進んでいった。

昼頃にちょうど花田の家に着いた。そのときには俺の心の中にもう景色の美しさなんて消えてなくなっていた。ふぅ、俺は大きく一息いれた。もう一度ざっと頭の中でもう一度やるべきことを確認すると花田の家のインターホンをしっかりと鳴らした、ピーンポーンと少し間の抜ける音がした。少し間があいてドアは開いた「はい何か御用でしょうか?」中年の男が顔を出してたずねてきた。こいつが花田か、俺は軽く全身を眺めると自然に笑顔を作って答えた。「はい、こちら北部デパートの商品なのですが・・・」そう言いながらドアにちかずいていった。「何?訪問販売ならお断りだよ」「いえいえ、訪問販売なんかではありません。まぁまぁ少し見てくださいよ」俺が頼みながら花田をドアの中に入れると自分も半ば強引に花田の家に上がりこんだ。「まったくもう、でなんの商品なんですか?」花田がめんどくさそうにたずねてきた。俺はバッグのジッパーを開きながら不思議そうな顔をして聞いた「なんかすこしガス臭くないですか?」花田はえっ!?という顔をすると台所のほうへ振り返った。よし!俺はジッパーを開ききったバッグからナイフをとりだすと、後ろに振り返った花田の首を突き刺した。花田は口をぱくぱくさせて必死に助けを呼ぼうとしていたふうだったが、喉が完全に潰れたようでヒューヒューと空気の漏れる音しか聞こえない。俺は刺したほうと反対側の首を容赦なく突き刺した。するとゴリッと鈍い音がして首が体から離れ落ちた。完全に死んだ事を確認すると俺は、切り離した顔と体を居間のソファーの上に顔と体が繋がって見えるように丁寧に置いた。俺はここまで全てが順調に行っているので昨日の失敗が嘘のように感じられ、大きく笑ってしまった。しかしこんな状態のまま計画を実行するとまた失敗を繰り返すと思い俺は再び自分を落ち着かせた。俺は血で汚れた玄関口に行くと、風呂場にあった雑巾をつかい掃除を始めた。全ての血を綺麗にふき取ると、トイレにあった消臭剤をひとつ玄関口に設置した。ふぅ、やっと藤田を殺せる環境が出来た。俺は藤田がいつ来ても良いようにソファのすぐ脇の寝室のドアの陰に身を隠して時間を確認したもう14:00だった1時間後には藤田が来るそう思うと心臓の鼓動が早くなっていった。藤田が来ることを考えながら身を隠していたから1時間という時間はほんの一瞬の間にすぎてしまった。俺は色々なケースを想定し本格的に集中した。ピーンポーンとあの間抜けな感じのインターホンが響いた。いよいよかっ俺はナイフをそっと握ると外にいる藤田の気配をうかがった。「花田ー!おーい俺だ藤田だ!入るぞ!!」そう言うと藤田は玄関に入ってきた。来たとうとう藤田が家に入ってきた、俺は深呼吸をしていつでも息が止められるようにした。「花田ーおーい、寝てるのか?」藤田はのしのしと居間に入ってきた。俺は息を大きくすって止め、かすかな呼吸音さえださないために。「あれ、花田本当に寝てやがる」藤田はついにソファーに死体となって横たわっている花田に向かって歩いてきた。「あれ?おい花田なんで血がついてるんだ?」そういい藤田は俺が首の部分にかけたタオルをばさりとはがした。「おっお前、しっ、死んでるのか?」ちぎれた首を生で見た藤田は声を震わせながら死体となっている花田に問うようにして話しかけた。俺はSPが今回いないことを調べてあったので、迷わずに震えている藤田に歩み寄ると後ろから左手で口を抑えた。藤田は突然のことに声を上げようとすらせず、ぼんやりとしていたので、俺は心臓の部分を素早く4回ほど深く突き刺した。藤田は人形のようにその場にどさりと倒れた、中途半端に生きていられては困るので花田と同じように首を切断した。俺は首を切断した藤田の死体をケータイで取ると風呂場に行き返り血でべとべとになった服を脱ぎ捨てシャワーを軽く浴びた。もう嬉しくて、嬉しくて俺はたまらなかった。シャワーから上がると花田のたんすをあさり、良さげな服を一つ着るとナイフをバッグにしまって花田の家を出た。朝ここに来るときは心のゆとりを作るために景色を楽しんでみていた俺だったが、今は違う。藤田を殺すという偉業をやり遂げた俺の視界には自然と景色の一つ一つが、朝とは違って煌びやかに輝いてるのである。俺は喜びに浸り、1人でふふっと笑いながら自転車に乗ると懐かしい朝出てきた家へと戻るのであった。

自分の家に着くと俺は早速ケータイを開きフリーズに飛んだ、そして今日やっと殺せた藤田の写真を送った。そのままフリーズが更新されるまでケータイをじっと見つめていた。1位川上 裕也 更新されたフリーズに大きくアップされていた総合ゲルは7億6900万ゲル。2位の奴でさえ2億ゲルには届いていない3位の奴なんて1億4000万ゲル止まりだ。後は残りの4日間で抜かれなければ俺が1位だ。1位になり安心したせいか今までの疲れがどっと体に出た、俺はそのまま倒れこむようにしてベッドに入り幸せそうな顔をして眠りについた。


4日目

俺は自然と起き上がった。すごい長い時間の間寝ていた気がするがケータイのアラームが鳴る気配もない。長い時間ぐっすり寝たことですっかり目のさめた俺はケータイを開いて時間を確認した。21:55と表示されていた。・・・・・俺は言葉を失った今日はもともと誰かを殺す計画があったわけではないが、あまりにも寝すぎたカーテンを開けて外を見るともう真っ暗だった。俺はこのゲームの1週間という短い期間の間でまさか丸一日寝過ごすとは思わなかった。しかし今更騒いでも時間は取り戻せないのでとりあえずケータイを開きフリーズを開いた。相変わらず1位のところには俺の名前が大きく載っていた。2位の奴はようやく2億6000万ゲルまで貯めていた。順位を下まで見ていくといつのまにか参加者が9人から6人に減っていた。その下には注という文字がありこう書かれていた。最近警察の警備が強まり逮捕される物が多数出ています、みなさんお気をつけ下さい。警察は怖いね~と冗談っぽく言い笑ってケータイを閉じた。あと3日か、もう少しで終わるんだ頑張ろう。そう思うと別にやる事も無いので体力を消費しないように再び眠りについた。


5日目

結局この日もケータイのアラームがなる前に目がさめた。しかし俺が自発的に起きたわけではない、さっきから誰かが家のドアを叩いているのである。ケータイを開いて時間を確認したまだ日も出ていない4:00だった。こんな早朝から誰だよまったくめんどくさいな、俺は誰ですかぁ?とめんどくさそうにたずねた。「俺は千葉県警のものです。すこしお話をうかがいたいのですが・・・」まずぃ、なんで警察にばれた?血痕か?いや指紋が出たのか?なんだって警察はこんなに早く俺の家にたどり着いたんだ?俺は一気に恐怖のどん底におちいった。「川上 裕也さん居ないなら上がらせてもらいますよ。」やばい、俺は「今開けますよぉ」とだるそうなフリをして答えると「早くしてくださいね。」といやみったらしく警察は言った。逃げるしかない、俺は直感的に判断すると、音をたてないように素早く窓を開けるとナイフの入ったバッグを手にとると2階の部屋から飛び降りた。どさっとすこし大きな音がしたので、ばれてないないかと心配したが、どうやら警察はきずいていないようだ。俺は息切れ切れに無音で塀を登ると道路に出た。ちくしょう今まで上手く行ってたのになんでばれたんだ?いまさら捕まってたまるかよ。俺は激昂すると本気になって走り出した。とりあえずどこかに隠れなくては、俺は酸素が上手くまわってない頭で考えた。そうだ確か隣町にホームレスがたくさん住んでいる大緑公園という比較的大きな公園があったはずだ。俺はいつだったか何気なく見ていたホームレスの集団のことを思い出すと、大緑公園に向けて走り出した。隠れる場所をみつけると、まるで足が羽のように軽く感じた。俺は全速力のペースのまま大緑公園まで走りきった。思ったとおりだった、大緑公園にはところせましと毛布やブルーシートで作られたホームレスの家が建っていた。俺はその中の1つの家を覗いた。まだ4:40と早朝だったせいか、その家のホームレスは死んだように眠っていた。「すまねぇな、悪く思うなよ」俺はそう言い少し手を合わせて拝むと両手に渾身の力を込めて首を握った。ホームレスは目を覚まして暴れようとしたが、もう呼吸が出来なくなったらしい、眼をかっと見開いたまま動かなくなった。「ナイフで殺しても良かったんだが、血が出ると面倒だしなぁ、苦しい思いさせてすまなかった」俺は死んでしまった名も知らないホームレスに頭を下げると、腰をおろした。昨日はさんざん寝ていたために眠気が大して無い俺は、ケータイを開くとフリーズを開いた。1位に俺の名前が大きく張ってあったままだった。わかっていたことだったが、ほっと安心してランキングを下まで見た。昨日まで有った6位という順位は無くなっていたもう5人しか参加者は残っていなかった。また1人警察につかまったのか。家に来ていた警察はきっと俺のことを探し始めているのだろう、とそんな懸念にかられた。しかし今俺がやるべき事はただ身を隠す事たったそれだけで良い俺は自分を落ち着かせると、ごろんと横になった。後は時が過ぎるのをただ待つだけなのだから・・・。しかしその時が過ぎるのを待つということも、思いのほか大変だった。10:00頃になると周りのホームレスが目を覚ましたらしく外から話し掛けてきた。「佐藤さん、おはようごぜぇます今日も良い朝ですねぇ」「あぁ」俺は声を濁しながら答えた。「あれま、佐藤さん風邪でも引いたんですか?声がなんかおかしいだすよ」変ななまりのあるばぁさんのような声で俺を心配してくる。くそっこんなにホームレス同士は仲が良いのか!?俺はここに隠れたことを少し後悔しながら答えた。「あぁ少しな、今日はあまりみんなに来ないように言っておいてくれ・・・」「わかりますた。気をつけてくださいねぇ佐藤さん」そう言ってそいつはどこかに歩いていってしまった。その後もお昼頃までに2,3人外から話し掛けてきたが風邪っぽいからと言って、あまり他のホームレスと関わらないようにした。昼頃になると俺は少し腹が減ったので何か無いかと自分のいるホームレスの家のなかを家捜しし始めた。すると100均でよく見かけるかりんとうがあったので俺はそれをむさぼるようにして食べた。腹も満たされたので俺はうたた寝を始めた。ホームレスの家でうたた寝をすると、本当に春の暖かい風がまるでハロゲンヒーターのように感じられた。夜になるとまた外から話し掛けられて目がさめた。ケータイを開いて時間を見ると19:00だった。「佐藤さん大丈夫だったかい?」朝話し掛けてきたなまりのあるばぁさんのような声だった。「あぁ、治るまで何日掛かるかわからないがとりあえず寝ておくよ」最終日までの2日間ここで寝てても怪しまれないようにそう答えた。「そうかぃ、体は大事にな」そう言ってそいつは歩いていってしまった。俺は寝る前にもう一度確認しておこうとフリーズを開いて順位を見てみた。1位に俺の名前は無くなっていた。嘘だろ・・・俺は1位のゲルをみて驚いた。14億ゲルだった。何でこんなにゲルが貯まっているのかを調べた。そいつは衆議院が会議をしている国会に手榴弾を投げ込むという荒業で確実性の無い殺し方で、いっぺんに20数人のWANTEDとされていた政府のお偉いさんを殺していたのだ。まだランキングにいるということは捕まってもいない・・・俺はそのあまりにも衝撃的な事実を受け止めることが出来ずに放心状態のままばたりと横に倒れた。






















ここまで読んでいただいた読者の皆さん、本当に有難うございます。

次回作となる殺人ピース(下)でお話をかんけつさせるつもりです。次回作も全力で取り組みたいと思いますのでぜひ読んでください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一杯7円というところがリアルでいいww まさかもう警察が来るとは思ってなかったのでなかなか予想外でよかった。 [気になる点] 文字をつめすぎて少し読みにくい。 [一言] あとひとつがんばれ…
[良い点] 展開が早く、緊張感が伝わってくる描写が良いです。 [気になる点] 少し忠実さに欠ける部分が残念です。 [一言] 応援しています。頑張ってください(偉そうなことはあまり言えないのですが・・・…
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