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プロローグ

無機質な室内に、男女が向き合っていた。

部屋には二人以外、誰もいない。


壁に飾られた肖像画に描かれた美しい女性が、二人を見下ろしている。


厚いカーテンで覆われた窓から差し込む薄い光が、わずかに床を照らしているが、その他に光はなく、二人の姿はぼんやりとした影に包まれていた。互いの表情は、暗闇に紛れて確認できない。


女は困惑した様子で、男を見つめていた。何かを探るように、あるいは恐れを抱いているかのように。

男は焦ったように彼女に詰め寄り、何かを訴えるような仕草を見せるが、その言葉は闇に飲まれて消えていく。


女が男を拒絶するように背を向けた。

突然、鈍い音が何もない部屋に響き渡った。


扉が閉まり、ガチャリと重厚な鍵が閉まる音が聞こえた。


部屋に残されたのは、一人の女だけ。

彼女は、壁にかけられた肖像画を光のない瞳で見つめていた。


肖像画の女性は、依然として彼女を見下ろしている。


冷たい笑みをたたえて―――――


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