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【受賞&書籍化】転生した悪役令嬢の断罪(本編完結済)  作者: 神宮寺 あおい


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ヒロインの筋書 Sideエマ

『王都だより』で思ったような結果を得られなくなって以降、あたしは今まで以上にライアンの側に寄り添うようにしていた。

ゲームの知識はあったけれどそれだけでは不安だったから、ライアンの言動をつぶさに観察して望むような言葉を言ってあげる。


ゲームの終了まであと数ヶ月と迫った今、ライアンの心をしっかりと掴めるかどうかが今後のためにもかなり重要だ。


オーウェンとベイリーはあたしが何かしなくても気づけばあまり一緒にいなくなっていたし、排除する手間が省けたのはよかったよね。


ライアンは王太子という立場もあって、あれでいて気軽に話せる相手ってあまりいないみたい。

もちろんいろんな人が話しかけてくるけど、しがらみなく話せる相手なんて私くらいだ。

だから側で何度も囁く。


あたしだけは何があってもライアンの味方だと。

あたしにだけは何を話しても大丈夫なのだと。


そうやってあたしは欲しい情報を引き出していく。

正直、こんなに簡単にいいようにされちゃってこの人が将来の国王で大丈夫?と思わなくもないけど。

でも考えてみればライアンルートからダグラスルートにいけば最終的に国王になるのはダグラスなんだから問題ないよね。


そうよ。

あたしは国王としての能力のない人を辞めさせて能力のある人を推そうとしているんだから、この国の国民には感謝して欲しいくらいだわ。


ライアンの態度を見る限り、あたしは無事にライアンルートに入っている。

共通ルートから個別ルートに入ったらあとは年度末の修了式まで大きなイベントはないから、このままライアンとの仲を深めていけばいいんだけど……。


大事なアイテムが一つ足りない。


個別ルートではライアンとエマの仲の良さに嫉妬したエレナがさまざまな嫌がらせをするんだけど、それを証明するためのアーティファクトがまだ手に入っていないのだ。


本来であれば今頃にはライアンから「自衛のために使って欲しい」と言って渡されているはずなのに。


あのアーティファクトってたしかライアンの母親、王妃の実家が持ってたんだよね。

それを王妃がライアンに与えて、さらにそれがエマに渡されるはずなんだけど。


あれを上手いこと使わないとエレナを陥れるのが難しくなる。


人の証言、特に学園に通う奴らの証言なんて家同士の利害関係で簡単に取り消されたり、「強要されてたんです」とか言って撤回されたりするから。

その点アーティファクトならそこら辺の心配がない。


上手に利用すればこれ以上無い証拠になる。


いかにもエレナがエマをいじめているようにちょっと演技とかしなきゃいけないけど。

それは得意といえば得意だから問題なかった。


どうする?

とりあえずさりげなくライアンにそういった道具が欲しいって言ってみる?


今のライアンは気さくな王太子を装っているけれど、その実かなりネガティブになっている。

クラスメイトや教師への対応をそつなくこなしていても、あたしと二人になるとぐちぐちと悩みや不満を言ってるから。


正直面倒くさいけど。

でも優しいあたしはちゃんと話を聞いてあげる。

「うんうん」と頷いて、「あなたは何も悪くない」「あなたはいつも頑張っている」と肯定してあげるのだ。


そうするとライアンは「ありがとう」と言ってエマに対する好意をさらに高めていく。


ライアンにくっついていると、「婚約者のエレナに悪いと思わないのか」なんてうるさいことを言ってくる馬鹿な女どももいるけど、そもそもライアンのことを理解して支えてあげられないエレナが悪いんじゃない?


っていうか、ライアンにとってエレナなんてコンプレックスの源のようなものなんだから、あの二人が仲良くないのはあたしのせいじゃないしね。


とにかく、まずはライアンからあのアーティファクトをもらわないと。

それを使ってエレナの悪行をでっち上げて、舞踏会の時に断罪するのよ。

数多の作品の中から読んでいただきありがとうございます。


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よろしくお願いします。

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